東京會舘

日経新聞の夕刊に「プロムナード」という連載記事があります。
数人の人が持ち回りでいろいろな身辺雑記を書いていて、なかなか面白い記事があるのでよく読んでいます。

11月5日火曜日のプロムナードには、「東京會舘の思い出」という題で
作家の辻村深月がとてもしっとりした内容の記事を書いていました。

直木賞と芥川賞の記者会見が例年行われる東京會舘で、すでに作家になっていた辻村深月は結婚式を挙げたそうです。
そして會舘のウエディング・スタッフに「いずれ直木賞の時に帰ってきます」と軽口を叩いたとか。

それから4年後、本当に直木賞を受賞した彼女に、会見が終わった後で東京會舘の支配人やスタッフは、「お待ちしておりました」「お帰りなさいませ」と挨拶したそうです。

さすが東京會舘、と他人事ながらなんだかうれしくなってしまいました。
その東京會舘が平成27年1月までで営業を休み、その後3年間の建て替え工事に入ってしまうそうです。
どんな新しい東京會舘になるのでしょう。

若いころ、東京會舘のバーでドライマティーニを飲むことに憧れていたことがありました。
願いは叶い何度かドライマティーニを口にすることはできましたが、自分で思っていたほどには、大人の女になれてはいなかったようです。



ローレン・バコールのような素敵な大人の女性には程遠くても、もう少しドライマティーニの似合う女になっていたかったです。
東京會舘のロックで飲むドライマティーニに恥ずかしくないくらいの……

大人の女を通り越して、直におばさんになってしまうなんて残酷ですね。

新しい東京會舘が出来上がるころまで元気でいたら、今度は素敵な銀髪でバーに立ち寄りたいな。
誰がエスコートしてくれることでしょう？