勝浦市議会 令和3年3月定例会が閉会しました

2021年03月19日 23時57分58秒 | 議会報告
勝浦市議会3月定例会が閉会となりました。

3月議会では(仮称)勝浦海中公園再生計画事業や、市長の公約に準じた数々の新規事業を含む新年度予算の審議など、重要な議案が多く、最終日まで悩みに悩み抜いた波乱の議会となりましたが、常に勝浦市の未来と子どもたちのことを考えて質疑・採決に挑みました。

令和3年新年度予算については、高齢者タクシー利用助成事業(1086万5千円)、給食費半額助成事業(1945万5千円)、ごみ袋販売補助事業(676万8千円)、水道高料金対策事業(2500万円)など、市長公約に準じた政策が新規事業として計上されました。
どれも実現すれば勝浦市民にとって利益のある政策である一方で、毎年、恒常的に莫大な予算を必要とし、勝浦市の財政を圧迫しかねないものでもあります。
(事業の詳細については下記youtubeをご参考ください)
また、これらの政策は広く浅い支援、もしくは受益者が極端に少ない政策となりかねず、税負担の公平性を欠き、所得の逆再分配ともなりかねないことからも、本当に市民の皆さんのためになる事業なのか慎重な検討を要します。
誰かのサービスを無料なり半額にするということは、その分を誰かの税金や借金で賄うことになります。

政治家にとって公約は大切なものでありますが、あくまで公約は勝浦市を良くするための「手段」であって「目的」ではありません。
厳しい勝浦市財政にあって、「いまさえ良ければいい」のではなく「未来の子どもたちにツケ回しをしない」ことが何より大切と考え、それぞれ本会議・予算委員会で質疑をさせていただきました。
財政的な裏付けもないまま、ばら撒きのような予算を通してしまって良いのか。
将来世代に負担を遺すべきではない、その予算を未来の勝浦市のための投資に使うべきだ、との思いから、慎重に議論を重ねるとともに、最終日まで反対するか迷いました。
しかし、同僚議員からも様々な意見や疑義が相次ぎ、最終的には予算委員会での総括質疑にて市長から下記の通り答弁があったため、新年度予算の重要性も鑑み了といたしました。

1、高齢者タクシー利用助成事業について
:提案時2年間であった実証実験期間を1年間とし、ゼロベースで事業の見直しを行う
2、ごみ袋販売補助事業について
:開始時期や方法について見直し、議会への説明、承認を経て実施する
3、給食費半額助成事業について
:提案時には一般会計を財源とするものであったが、国の第三次補正予算に伴う交付金を財源とし、新型コロナ対策としての単年度事業とする

また水道高料金対策については、市長公約では3割削減でありましたが、そのためには毎年2億円近い財源を必要とするため勝浦市の財政上現実には不可能で、水道審議会でも過去に事業の削除を求めていました。
しかし、今回の「水道事業の赤字を補填し、水道事業の立て直しと市民の負担軽減を図る」という市長の方向転換は、現実に即したものであり、私は高く評価いたします。

また、令和2年度補正予算では、(仮称)勝浦海中公園再生計画事業(4億円)について審議されました。
国の交付金を活用し、勝浦市観光拠点の再生を図る、ということ自体に反対するものではありません。
しかし、およそ半額は市の負担となる以上、事業の全体像や厳密な収支予測、財源の確保、議会への詳細な説明が不可欠です。
議会初日、ボーリング調査に関わる市長専決議案が反対多数で不承認となったことからも判るように、昨年の11月に初めてこの事業の概要が示されて以降、議会への十分な説明がなされず、また事業案について議会の要望を反映させる時間もありませんでした。
何より、最後まで「海中公園全体をどのようなコンセプトで再生させるのか」という事業の全体計画、全体像が示されなかったため、残念ながら、私は賛同には至りませんでした。

討論では賛成討論3名、反対討論3名による白熱した議論となりました。
結果、私も含め4名の議員が反対、賛成多数で可決となりました。
賛成者含めどの討論も素晴らしいものでしたが、私は磯野議員、狩野議員の討論に強い共感を覚えました。

補正予算を司る総務委員長の立場として、反対に回ることについては重い責任を感じましたが、市議会における議論の重要性を示すためにも、あえて反対の立場を取りました。
国からの大切な補助金であるからこそ、その活用方法は市民の代表たる市議会で十分に検討される必要があるはずです。

しかし、最終的に議会で賛成との結論が出た以上、この事業については、私も市議会の一員として応援していく必要があると感じています。
大切な市民の血税を使う重要な事業となりますので、少しでも良い施設になるように、議会一丸となって支援していく必要があると考えています。

また、最終日には無会派2名の議員から発議案が上程されました。
議員報酬の3割削減案についてですが、平成23年の1割削減以降すでに千葉県内最低の報酬額となっていること、3割削減した場合の手取り額は約15万円となり、議員活動が担保できないこと、それにより若者の登用を阻みかねないこと、コロナ禍中での市内経済の循環という意味ではむしろ逆効果であること、事前の議会改革検討委員会での検討段階において全会派から承認できない旨回答しているにもかかわらず議会に提出されていることなどの理由により、賛成少数で否決となりました。

私たち政治家の役割は、未来に責任を持つことだと考えています。
目先の利益に囚われず、愛する故郷の未来、子どもたちの将来を考え10年後20年後の勝浦市のために働くことが肝要と考えています。
それは、やり方は違えど全ての同僚議員が共有する思いだと信じています。
「私は君の意見には反対だ。しかし、君が意見を述べる機会は命をかけても守る」
私の尊敬する法律家の言葉です。自分の主張と違うからといって他者を悪様に非難するような政治家にはなりたくありません。
いがみ合うことなく、同じ目標に向かって一致団結して勝浦市のために働ける日が来ることを願うばかりです。

今日は議会が終わり、久しぶりに娘と遊ぶ時間を持てました。
肩車をしていたら爆睡してしまった娘。
この子が勝浦市で育ち、この町を愛し、大人になってもずっと住み続けられるような、あるいは愛し続けてもらえるような街づくりをしていきたいと思います。



勝浦市議会 令和 3年3月定例会 第1号 議案説明、質疑、採決 (議案第1号~第2号)
※私からは、専決処分の問題点について質疑しました。


勝浦市議会 令和 3年3月定例会 第1号 議案説明、質疑、採決 (議案第1号~第2号)
※専決処分が反対多数で不承認となった際の採決の様子です。


勝浦市議会 令和3年3月定例会 第5号 (議案質疑・委員会付託、議案第12号~第15号)4
※私からは、令和2年度の補正予算、特に海中公園再生計画事業と高齢者タクシー利用助成事業の問題点について質疑しました。


勝浦市議会 令和3年3月定例会 第6号 (議案質疑・委員会付託、議案第16号~第20号) 一般会計「歳入」
※令和3年度歳入について質疑しました。


勝浦市議会 令和3年3月定例会 第6号 (議案質疑・委員会付託、議案第16号~第20号) 一般会計「歳出」
※私からは、新年度予算における歳出質疑、高齢者タクシー券、給食費補助事業について、それぞれ質疑を行いました。
コメント
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