市民向けの感染症説明会「新型コロナウイルスの現状と対策」について

2020年02月04日 00時05分23秒 | 議会報告
本日、勝浦市芸術文化交流センターにて開催された市民向け説明会「新型コロナウイルスの現状と対策」に行ってきました。

本日の説明会にご参加頂けなかった方もたくさんいると思いますので、メモ書きを元に、その概要を記載します。
※説明会の撮影・録音は禁止であったため、不十分な点はご容赦ください。

講師である亀田総合病院感染症科の細川直登部長より、45分の説明と15分の質疑応答がありました。

説明の内容は下記の通りです。

・この説明会の目的は、新型コロナウイルスの正しい知識を理解し、市民のみなさんと正しい情報を共有し不安解消を図ることである。
・今回の勝浦ホテル三日月への帰国者滞在は、日本国の国策としての水際対策の一つである。
・ホテル滞在者191名のうち、無症状感染者となった2名については亀田総合病院の感染症対策病棟に入院しており、3重の扉で隔離され、排気なども外部に漏れないよう対策されておりウイルスが外に漏れることはない。
・現在ホテルに滞在している残りの189名については、国立感染症研究所の検査によりウイルスを保有していないことが判明している。
・189名についてはウイルスを保有していないことはわかっているが、新型コロナウイルスの潜伏期間が2週間程度と見込まれているため、病気でないことを確認するために滞在をご協力いただいている(検疫)
・現在ホテルに滞在している方は外出していない。
・相部屋を解消するために、滞在者の中から希望者が和光市の司法修習施設・警察大学校に移動した。
・滞在者の食事の世話なども限られた人間が管理しているため安全である。
・今回の措置は国策であるため、当然勝浦市民も(国としての)安全管理の対象である。
・コロナウイルスはもともと、人間の風邪ウイルスの一つであり、新型コロナウイルスは動物から感染した新型のものであるが、感染死亡率は2%程度でありウイルスの毒性は低いようだ。
・(現時点での)中国以外の感染者数は世界で179名、死亡者数はフィリピン国の1名のみであり、死亡率で言えば相当低いと言えるだろう。
・一方インフルエンザは日本で年間1000万人〜1500万人が罹患しており、死亡者数も年間数千人〜1万人程度となっていて、(現状では)インフルエンザ対策の方が重要とも言える。
・麻疹は感染率が高く患者一人から十人以上が感染し、インフルエンザでは患者一人から2〜3人。新型コロナウイルスは患者1人から2人とされており、感染率はインフルエンザと同程度である
・過剰に心配することなく、風邪やインフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策を行うことが重要である。
・新型コロナウイルスは飛沫感染とされている。病気にかかっている患者がマスクをして飛沫を防ぐことは重要だが、マスクではウイルスは防ぎきれない可能性が高い。
・飛沫感染では2m以上の距離があれば感染しない。


質疑応答

質問:潜伏期間が2週間とのことであるから、滞在者についてもまだ発症の危険があるのではないか
回答:現滞在者については検査でウイルスを保有していないと判明している
質問:勝浦市が安全なのであれば、勝浦市の風評被害を払拭するためにも勝浦市から安全宣言してはどうか
回答:安全宣言はもちろん、今回の受け入れを決めたホテル三日月・勝浦市は賞賛されて然るべきだろう
質問:相部屋だった方々の検査結果は?検査の回数は?
回答:ウイルスはいないことが判明している。検査については国の方針に基づいて回数を決めている
質問:もし自分が高熱を出したりしたらどうすれば良いか。
回答:今勝浦市に感染者はいない。いつも通りかかりつけの病院に行って診察していただく。風邪かインフルエンザの可能性が高い
質問:東京など都市部に行っても大丈夫か
回答:現在、新型コロナウイルスの検査は武漢市からの帰国者か、武漢市からの帰国者と接触して高熱など症状がある方のみ検査を実施している。基本的に心配ない
質問:なぜ滞在を病院ではなくホテル三日月のような一般施設にしたのか
回答:滞在者は患者ではないから。病気ではない方を強制的に入院させることはできない。あくまで経過観察である

以上です。

感染症の専門家の方から、「勝浦市は安全である」とのお墨付きを貰ったわけで、市民の皆さんにはどうかご安心を頂ければと思います。
また、公益のため不自由を甘受しホテルに滞在中の方々や、鎮静化を図って職務を遂行しているホテル三日月関係者の皆さん、国・県・市職員の皆さんに対し、改めて心から敬意を表します。

しかし一方で、勝浦市における風評被害は、本当に深刻なものがあります。
商店街を歩く人はまばらで、宿泊業・飲食店を中心にキャンセルも相次いでいます。商品のトレーサビリティが重視される昨今、農林水産業からも不安の声が上がっています。
勝浦市民にとっては日々の生活が脅かされているわけで、綺麗事では済まされない一面があるのも事実です。

風評被害を最小限にとどめ、このピンチをチャンスに変えていくためにも、私たち一人一人が日常の生活を送り、冷静に、正しい情報を共有しながら勝浦市民としての矜持を持って行動していくことが大切です。

私たち議会としても、観光商工業が被った損害について国へ補償をしっかりと求めていくことはもちろん、引き続き正しい情報を迅速に市民のみなさんにお伝えできるよう、また一刻も早く事態が沈静化するよう、引き続き各所に働きかけてまいりたいと思います。
コメント
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