昨日,教育テレビの「ハートネットTV」で,発達障害の子どもが増えている,それに対して,筑波大の先生や衆議院議員の野田聖子さんがコメンテーターとして出演する番組がありました。カリキュラムが改定されて,小学校でも平成32年には,すべての子どもに個別支援計画(IEP)を作ることが義務化されるのだそうです。IEPのことは,実にいいニュースでしたね。
発達障害は,先天的,あるいは,出産の際の事故などで,もともと障害がある人のことです。それに対して,発達トラウマ障害(DTD)は,日本では,0歳,1歳の時期の赤ちゃんが,母親の低賃金・長時間労働のために,母親と安定した温もりのある時間が十分に持てないという環境要因によるものです。
日本で,発達障害が増えていると言われ,そのように見えるのは,その大部分は発達トラウマ障害(DTD)です。なぜか? DSM-Ⅴという精神疾患の診断マニュアルに,発達トラウマ障害(DTD)がまだ載っていないために,児童精神科医も,大学の教員も,発達トラウマ障害(DTD)を知らない場合が圧倒的に多いからです。ですから,発達トラウマ障害(DTD)の子どもも大人も,ADHD(注意欠陥・多動性障害),自閉症・アスペルガー障害,などの発達障害と誤診されたり,うつ病,起立性障害,不眠症,…,などと誤診される場合がほとんどです。それだけではなく,その誤診に基づいて,投薬されてしまいますし,間違った関わり方をされる場合がほとんどです。
繰り返しで申し訳ありませんが,実際には,発達トラウマ障害(DTD)が日本でも,アメリカ以上に,パンデミックなんです。しかし,ニッポンの医療も,ニッポンの教育も,ニッポンの福祉も,ニッポンの心理臨床も,ニッポンの行政サービスも,パンデミックの発達トラウマ障害(DTD)に対応できない制度疲労を起こしているんです。
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