エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

最深欲求に応えるもの

2014-06-23 10:49:21 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 今の日本は、母親が赤ちゃんと「共に居る」ことを許さない社会ですから、これだけ、発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子どもが爆発的に増えちゃってるんですね。2012年に文科省が調べて、普通学級に6.5%の「発達障害を疑われる」子どもがいる、と言っているほとんどが、私に言わせれば、愛着障害の子どもたちの、ほんの一部でしょう。実際は「もっと、ずっと多い」のですね。

 今日はp38最終パラグラフ。

 

 

 

 

 

 

 お母さんからお父さんへと関係性の重心が移動するのを理解するためには、お母さんが≪真の関係≫の中で子どもを大事にするのと、お父さんが≪真の関係≫の中で子どもを大事にするのとでは、質的な違いが本質的にあることを理解しなくちゃなりません。お母さんが≪真の関係≫の中で子どもを大事にするのは、根っこに捨て身の覚悟があるんですね。お母さんが≪真の関係≫の中で生まれたばかりの我が子を大事にするのは、わが子だからこそです。その子が何がしかのものであったり、何がしかの期待に応えているからではないんです(もちろん、私が、お母さんが≪真の関係≫の中で子どもを大事にすることやら、お父さんが≪真の関係≫の中で子どもを大事にすることやらを申し上げる時には、私はその「理想の形」について述べているんです。この「理想の形[理念型]は、マックス・ウェーバーが言う意味のものですし、あるいは、ユングが言う元型の意味ですから、すべてのお母さん、すべてのお父さんがこうだと申し上げているんじゃありません。女性原理と男性原理について触れる時、お母さんのような人、お父さんのような人を象徴しています)。損も承知で≪真の関係≫の中で子どもを大事にするのは、最深欲求の一つに応えるものです。この最深欲求は、その子の最深欲求ではなくて、あらゆる人が抱いている最深欲求です。

 

 

 

 

 

途中ですが、ここまで。損も承知の捨て身で≪真の関係≫の中で子どもを大事にするのは、最深欲求に応えることでもあるんですね。エリクソンと言っていることと重なりますね。やっぱり、フロムとエリクソンは親戚でしたね。

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