北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

脱北した北朝鮮エリート、前駐英北朝鮮外交官の証言

2017-01-12 17:33:56 | 北朝鮮の虚像

去年の夏頃、韓国にも大反響を呼んだ、

テ・ヨンホ前駐英北朝鮮大使館公使の脱北。

 

北朝鮮の住民たちは貧困、人権侵害などで苦しんでいても

エリート層はあるゆる特権を独占していると考えられていましたが、

いよいよ、エリートたちも

金正恩の恐怖統治や体制の矛盾に対する嫌気で

その特権をも捨てて脱出をするということを私たちに知らせてくれました。

 

そんなテ・ヨンホ氏が最近、

「北朝鮮崩壊、朝鮮半島統一」を目標に掲げて

本格的な公開活動をかはじめたようです。

 

連日、記者会見などで北朝鮮に関する見解を語ったり、

北朝鮮関連のテレビ番組にも出演して

直近まで身分が経験した北朝鮮について生き生きと伝えたりしています。

 

以下は、彼のインタビュー報道ですが、

一問一答形式で割りと色んな側面をカバーしていて、

彼の全体的な考え方を掴むのに良い記事だったので、

ここに共有させていただきます。

 

 

===================================

両極化深刻な平壌、外部世界に目覚めたら…湿った土壁のように北崩壊

"양극화 심한 평양, 외부에 눈 뜨면… 물먹은 담벽처럼 北 무너질 것"

 

 

[2017新年特集]テ・ヨンホ前公使インタビュー

 

-私の代のうちに統一が目標

北朝鮮向けビラなど外部情報投入で「金正恩=神」心の柱を倒さねば

 

-北朝鮮制裁効果ない?

指標より心理的な動揺はるかに大きい…エリート「未来がない」と感じる

 

-子どもたちに「幸せになれ」と言うと…

「じゃあ、これからインターネット・本・映画自由に観ていいよね」と答え

北若者にとってはこれが幸せ

 

 

昨年(2016年)7月末に韓国へ亡命したテ・ヨンホ前駐英北朝鮮大使館公使は、最近公開活動を開始、果敢かつストレートな発言を吐き出している。北朝鮮外交官として体制宣伝を担当していた彼が今は金正恩政権の弊害を指摘することの戦闘にたっているのである。12月の国会情報委員会の出席、統一部出入り記者らとの懇談会に続き、12月30日には朝鮮日報の本社を訪問した。彼はインタビューの準備の最中に自分のクレジットカードを取り出しながら「私のせいで苦労されている皆さんにコーヒー一杯でもご馳走しなきゃ…」と言う場面もあった。

 

 

-初めてソウルに着いた時何が見えたか。 

目頭が熱くなっていたので最初何が見えたか覚えていない。宿に向かう時に目をこすって周囲を眺めたら思ったよりビルがとても多かった。でも山川は北朝鮮と同じだった。平壌飛行場に降りて平壌市内向かっているのではないかと勘違いするほど同じだった。同行する人にそう話すと「同じ国なんだから同じなのが当たり前でしょう」と答えた。

 

-イギリスを脱出する時、二人の息子にはどう説明したか。

イギリス大使館を後にしながら「あんたたちの奴隷の足かせを外してやる。よく生きろ(「幸せになれ」の意)と言うと、子どもたちは「じゃあ、これからインターネットも自由にして映画も自由に観て本も自由に読んでいいよね?」と話すのだ。私は「物質的に豊かで家も買えて車も買える」という意味でそう話したんだが、子どもたちの考える「よく生きる」の意味は違うようだ。

 

-金正恩が執権して5年が経過しているが、彼に対する北朝鮮内部の評価はどう変わったか。

(2011年)金正日が死んで金正恩が政権を受け継いだ時、私だけじゃなく(外務省)同僚らも何か変わるだろうと考えた。若くて海外生活も長かったから期待も相当大きく、希望も見えてくるような気もした。しかし、時間がすぎるにつれ「ああ、金正恩お前はしょせん金日成の孫で金正日の息子なんだ」というふうに変わった。

 

태영호 전 영국 주재 북한대사관 공사가 지난 30일 서울 조선일보사에서 가진 인터뷰에서 서울에 온 소회를 말하고 있다. 태 전 공사는 “(서울의) 산천은 북한과 똑같았다”며 “내 세대에 통일이 돼서 내 발로 고향에 가서 동료 만나고 친척 만나는 것이 소원”이라고 말했다.

▲テ・ヨンホ前駐英北朝鮮大使館公使が12月30日ソウルの朝鮮日報社で行ったインタビューでソウルに来た感想を語っている。テ前公使は「(ソウルの)山川は北朝鮮と同じだった」とし、「私の代のうちに統一になってこの足で故郷に行き同僚と親戚に会うのが願い」と述べた

 

-いつ金正恩には希望がないと考えたか。

叔父の張成沢を処刑した時、北朝鮮の市場では3日間もものが売れなかった。市場のおばちゃんたちがみんな衝撃を受けて物売りも忘れて張成沢の話ばかりしていた。金日成・金正日の時代にも粛清があって、ロイヤルファミリー間の権力暗闘もあったが、当時はその事実を外部に知らさなかった。だが、金正恩は張成沢の処刑を労働新聞と放送で大々的に報じた。神のように思われていたロイヤルファミリーが「麻薬をして海外で博打を打って数百万ドルのお金を横取りした」というから住民が受ける衝撃は尋常ではなかった。

 

-金正恩が「恐怖先行統治」をするとはどういう意味か。

金日成・金正日時代には処刑の理由が明確だった。しかし、金正恩が幹部たちを処刑した理由は曖昧で呆気にとられるものが多い。政策次元の問題じゃなくて金正恩の気に触れば即興的な判断によって首がぶっ飛ぶ。一人を目せしめに殺して、他の多数が立ち上がらないように事前に威嚇をするのだ。自分の気に入らないとして中央党の一部署をまるごと殺戮したこともある。役職のある人は全員銃殺し、文書運びの末端行政員の家族までみんな収容所に送った。

 

-北朝鮮の核開発の水準はどの程度か。

具体的な技術水準については言い難い。ただ、金日成・金正日・金正恩へと続く北朝鮮の「核リレー」が曲線区間を過ぎて決勝戦を目前とする最後の直線区間に入ったということを韓国政府と国民が認識しておくべきだ。

 

-韓国の大統領選挙を前に核実験をする可能性が大きいと見ているか。

私が夏に脱北したのでその後の状況に関しては正確に分からない。ただ、脱出の時点では北朝鮮は韓国が大統領選を行ってアメリカの新政府が落ち着く2017年末や2018年の年頭を適期と考えていた。その後韓国の新しい政府が対話を提案してきたら「核保有国の地位」で関係を再設定しようという狙いだ。

 

-どうして韓国の新政権が対話を提案すると確信するのか。

北朝鮮は韓国に新しい政権ができたら、保守であれリベラルであれ、以前の政権と政策的に差別化しようとするということを分かっている。だから北朝鮮政策も強硬策から柔和策に変更しうると見るのだ。また、北朝鮮がミサイルを打ち上げて株価が落ちれば、韓国政府は民心と世論に屈服して情勢を安定管理しようとするだろうから、その隙を攻略しようとするはずだ。

 

-韓国で制裁は効果がないから対話路線に転換すべきという主張も多いが。

北朝鮮制裁の実効性は(経済指標の)数字のみならず北朝鮮住民の心理的な変化まで合わせて見て判断しなければならない。制裁が続くにつれて北朝鮮のエリート層と住民たちの心理的な動揺がとても大きい。先行きが見えないと考えている。また、制裁が効果を見せた具体例を挙げると、イギリスの朝鮮民族保険総会社が追放された。この保険会社を通じて北朝鮮はロンドン市場で数千万ドルの利益をあげていたが、それを失ったのだ。

 

-「人権攻勢」に対しても「実効性はなく北朝鮮を刺激するだけ」という批判もある。

北朝鮮に国連の人権舞台での票決をあきらめさせたことは大変大きな成果である。毎年、国連人権総会で票決までやって対抗していた北朝鮮が今年はそれをあきらめた。票決になれば「○対○」と数字が示されるが、これは北朝鮮がいかにも劣勢にあるかを見せるだけだと判断しただろう。また、金正恩を国際刑事裁判所(ICC)に回付したら、北朝鮮の一般住民に「金正恩=犯罪者」というメッセージをはっきり伝えることができる。

 

 -開城工業団地の操業中断について北朝鮮はどう考えているか。

北朝鮮は、まさか韓国が開城工団の閉鎖という強手を置くかと思っていたが(4回目の核実験後)本当に閉鎖した。韓国が先に開城工団の閉鎖に踏み切らなかったとしたら、果たして国際社会が北朝鮮制裁に賛同しただろうか。核問題は韓国の生死と直結した問題だが、韓国がこういう措置を先に取らない状態で他の国に経済制裁に賛同してくれとは言えなかったと思う。

 

-2000年と2007年と2回の南北首脳会談があった。これを北朝鮮内部ではどう評価しているか。

北朝鮮では金大中(キム・デジュン)前大統領がノーベル平和賞を受賞したことも知らない。全てが金正日の功績とされる。過去数十年間の南北対決を金正日が先駆けて解消し、和解協力の時代を切り開いたと宣伝しているのだ。韓国のメディアは金大中・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が北朝鮮を訪れた際に、北朝鮮住民たちが熱烈歓迎したと報道したが、北朝鮮で金正日・金正恩が来る行事は全てそんな感じだ。

 

-外国のある外交官に「韓国は大規模デモがたくさんあるが、同じ民族の北朝鮮はどうして半世紀以上も何の抵抗もないか」と聞かれた。北朝鮮でどんな形であれ反乱や蜂起が起きる可能性はあるか。

現時点では難しいと思う。恐怖先行統治の下では少しでも怪しい言動をしたら全部殺される。たとえば、北朝鮮でかなりうれていた「銀河水楽団」も何らかの問題で2013年夏に主要俳優たちが銃殺されるか家を奪われた。俳優たちはマンションに住んでいたが、当時家に駆けつけた軍人たちがエレベーターが遅いとして家具などを窓の外に投げたりしていた。こんなに騒がれているにもかかわらず、住民たちは黙って通り過ぎるだけだった。とりあえず自分に被害がないならそれでいいと思うからだ。しかし、民心は金正恩離れしている。今すぐではないが民衆蜂起が起きる可能性は大きくなっていると考える。

 

-そのために我々にできることは。

北朝鮮住民たちが金正恩体制が間違っていることに気づくように啓発が必要だ。脱北者団体の活動を手助けしながら、特に平壌市と休戦線の軍人をターゲットに攻略すべきだ。平壌市は北朝鮮で両極化と葛藤が一番深刻なところである。また、休戦線に配備されている軍人は一番劣悪な環境で暮らしているので、まずはこういう人々を対象にした方がいい。

 

-どういうふうに啓発をするのか。

金正恩を神様と思う心の柱を倒さなければならない。彼らは首領を神や天のように崇める偶像化教育を70年間もやってきた。北朝鮮向けのビラなどを活用して外部情報を流入させなければならない。金家の虚構性を思い知らせることが肝心だ。

 

-「統一を実現しに来た」と言ったが、今後どういう活動に手がけるつもりか。

子どもの代じゃなくて私の代のうちに統一になってこの足で故郷に行って同僚と親戚に会うのが私の願いである。韓国国民と政府が一丸となってやっていけば、金正恩政権は湿った土壁のように崩れると思う。若い世代に統一の必要性を教えて正しい統一観を持たせるために安全保障分野で活動するつもりだ。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿