弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2017/01/29) 

2017年01月30日 | バングラデシュのニュース


◆イベント情報◆
〇J-GREEN SAKAI Lady’s Festival U-15    1/28,29
 バングラデシュU16女子代表
 jgreen-sakai.jp/blog/2017/01/23/
〇TV放送:未来世紀ジパング「アジアの危機!そのとき日本は?」  1/30
 http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/next/#section1
〇【KINDAS】 2016年度 第2回バングラデシュ研究会    2/11
 http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/event/20170211
〇Social Business Japan Forum 2017 開催のご案内    2/21
 http://sbjf.gramweb.net/
〇エクシュフェブラリー 国際母国語デー    2/21
 2017年2月21日
〇第18回行事のお知らせ 2017年2月24日(金) ← 24日に変更です。
 「バングラデシュ支援概況~投資環境改善に向けた取り組み~」
 https://goo.gl/QaMTrV
〇行きたくなかった!帰りたくなくなった!バングラデシュ
 ―川嶋乃笑さんスタツアで経験したことと、その後の想い  2/25
 http://www.hoshien.or.jp/program/manabiya/studyhall/vol8.html


■見出し(2017年1月22日) No2017-05
〇ロヒンギャ難民緊急支援募金をお願いします!!
〇武井外務大臣政務官のバングラデシュ及びインド訪問(結果)
〇母国バングラデシュに小学校開校 見附 同国出身の男性と妻
〇ノーベル平和賞・ユヌス氏のシンポ 2月21日に開催
〇石川)バングラに届け、文具1千点 宝達中学校の生徒
〇GSMAがバングラデシュにおけるモバイルの経済的影響を明らかに
〇マレーシアのナジブ首相 ロヒンギャに対する圧力行為を激しく非難
〇国連特使、ミャンマー政府による「民族迫害」を批判
〇ミャンマー政府に苦言=ロヒンギャ問題-国連報告者
〇イスラム協力機構、外相会合、ロヒンギャ問題、即時改善を要求、
 ミャンマー、孤立の可能性。
〇ロヒンギャ問題に「重大な懸念」=イスラム機構が外相会議
〇バングラデシュ首相、ミャンマーにロヒンギャ族を引き戻すよう要請
〇国連特使、「民族迫害」調査のためミャンマーを訪問
〇あらわになったミャンマーの喜べない真実
〇ムスリム主催の宗教的式典 僧侶らが開催を阻止
〇ロヒンギャへ「迫害ない」 ミャンマー政府調査、批判も
〇ロヒンギャ問題にIS介入か マレーシアなど警戒強める
〇ノーベル賞受賞者らがロヒンギャ問題を非難
〇警官、ロヒンギャを暴行 動画流出、政府捜査
〇スー・チー氏の対応批判 少数派迫害問題で平和賞受賞者ら
〇ASEAN外相会議開催か=ロヒンギャ問題-ミャンマー
〇ミャンマーからロヒンギャ5万人流入、バングラデシュ「深い懸念」
〇ASEAN:ロヒンギャ議論 スーチー氏板挟み
 「虐殺」批判へ説明、軍に配慮
〇ロヒンギャ「窮状知って」、ミャンマー逃れた民族、
 館林に、今なお迫害、支援求める。


■ロヒンギャ難民緊急支援募金をお願いします!!
 http://www.jummanet.org/notice/2017/01/post-9.html
 (ジュマネット 2017年1月22日)

6万5千人のロヒンギャ難民がバングラデシュに!!
昨年11月から、ミャンマー国境警備隊らによる、ロヒンギャの人々に対する「民族
浄化」とも言える弾圧が続いています。銃殺、レイプ、拷問、放火など、あらゆる
手段を用いて、ほぼ無差別にロヒンギャの人々への暴力が続いています。
こうした事態に堪えかねたロヒンギャ難民約6万5千人が、バングラデシュ、コック
スバザール周辺に逃れてきています。彼はわずかな荷物と食料だけで、生命の危機
に直面しています。その数は日々増え続けています。

ロヒンギャの人々がなぜ弾圧されるのでしょうか?
ロヒンギャの人々は13世紀から18世紀にベンガル地域やペルシャから、今のミャン
マー・アラカン州に往来し徐々に住み着いた人々だといわれていますが、いまだに
明確な説がありません。皆イスラム教徒で、現在130万人になるといわれ、アラカ
ン州の人口の4割近くを占めています。

しかし、ミャンマー政府は彼らをバングラデシュからの移民とし、市民権を一切与
えず、無国籍のまま不法移民として弾圧を続けてきました。特に軍政が続いた時期、
軍隊や国境警備隊らによって日常的なハラスメントが続き、1991年、96年と弾圧に
耐えかねたロヒンギャの人々がバングラデシュに難民として逃れてきています。ま
た2015年にはボート難民として数万人が海上を漂流し、マレーシア国境で人身売買
を目的とした組織によって多数が殺害されたことが明るみになっています。
今回の弾圧は、2016年10月に発生した、一部武装ロヒンギャゲリラが、国境警備隊
を襲撃殺害したためその報復として開始されたものと思われます。


ミャンマー政府はどう対応しているのでしょうか?
ミャンマーの民主化がアウンサンスーチーの率いる政党国民民主連盟(NLD)によっ
て果たされたことで、ロヒンギャの人々もこうした問題解決に期待を寄せていまし
た。しかし、今回の件で、アウンサンスーチー、NLDも一切発言を控えているなか、
「そういった事実はない」といった政府が召集した調査委員会の発表がされました。
国連機関もここへの入域を拒否されています。事実上ロヒンギャの人々は、誰から
も守られない存在としてグローバル社会を漂っています。


どんな緊急支援を考えていますか?
まだまだ難民の数が増え続けるものと予想しています。恐怖に駆られ、着の身着の
ままで逃れてくるため、多く人々が食料、金銭を充分持ち合わせない人々です。当
面の間、生存に必要な食料配給をする計画です。
世帯ごとに以下の食料をパッケージ化し、配布したいと思います。

配布予定物
(1) 乾燥圧縮米(チラ)  2kg
(2) 黒砂糖 0.5kg
(3) クッキー(子ども用) 一袋    *一つ当たりの単価 約350円見込み
対象人口:のべ62,000人(*配布方法、場所などな政府から指定や制約を受けるこ
とがあるため、あくまでも想定です)
配布期間:難民の増減によっても変わるかと思いますが、当面2017年5月くらいま
で見込んでいます。

パートナー団体のバングラデシュNGO・APCD(Association for Pisciculture and
Cattle Development)と連携して配布を行なう予定です。まだ、キャンプの設営、
長期滞在の見込みも経っておらず、教育支援、保健衛生支援、家具・調度品の支援
などはっきり組み立てられない状態ですが、様子みて、配布物を柔軟に変えること
も考えていきます。2017年3月には現地調査をかねて訪問する予定です。

ジュマ・ネットとは
ジュマ・ネットは2002年に日本人のボランティア有志によって設立されたNGOです。
バングラデシュ、チッタゴン丘陵のマイノリティであるジュマの人々の権利と紛争
後に締結された和平協定の実施を求めて、支援活動と提言活動を行なってきました。
民族の差によって弾圧、差別されることのない社会を目指して活動してきました。
(詳しいことは http://www.jummanet.org/ をご覧ください)

長い現場の経験を活かして、バングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民の支援を
円滑に進めていきたいと思います。

ご寄付をお願いします。
皆様の暖かいご寄付をお願いします。

ジュマ・ネットは政府から一切の資金を受けない、市民の浄財だけで運営するNGO
団体です。皆様のご寄付、会費だけが資源となります。ご寄付をご検討いただける
場合は、以下のボタンをクリックし、クレジット寄付のページから入力をよろしく
お願いします。

『寄付手続きサイトへ』
 https://86-chicappa-jummanet.ssl-chicappa.jp/join/contrib.html



■武井外務大臣政務官のバングラデシュ及びインド訪問(結果)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/page3_001972.html#section1
 (外務省 平成29年1月17日)

1 バングラデシュ(1月16日~17日)

(1)政府要人との意見交換
武井政務官は,アラム外務担当国務大臣(Mr. Shahriar Alam, State Minister
for Foreign Affairs)と面会し,ダッカ襲撃テロ事件後のバングラデシュ政府に
よる安全対策措置に謝意を表明するとともに,邦人の安全確保に対する一層の取組
を要請し,我が国としても可能な協力を引き続き行っていくことを伝えました。
これに対しアラム国務大臣は,バングラデシュ政府のテロに対する取組を説明しつ
つ,引き続き邦人の安全確保に全力をつくす旨述べるとともに、日本の国際協力事
業の円滑な実施を確保し,日本との協力を緊密にしていきたい旨を述べました。そ
の他,同国務大臣とは,国際場裡での協力等についても意見交換を行いました。

(2)在留邦人代表との懇談
武井政務官は,在留邦人の代表と懇談し,テロ事件後の現地の状況や政府に対する
要望等について意見交換しました。

(3)ダッカ襲撃テロ事件現場での献花
武井政務官は、2016年7月のダッカ襲撃テロ事件の現場となったダッカ市内のレス
トランで献花を行い,犠牲者及びそのご家族に改めて哀悼の意を表すとともに,バ
ングラデシュと緊密に協力しつつ,テロとの戦いに取り組んでいくことを祈念しま
した。



■母国バングラデシュに小学校開校 見附 同国出身の男性と妻
 http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20170119302786.html
 (新潟日報 2017年1月9日)

 学校のなかったバングラデシュの村に念願の小学校が開校した。見附市に住む同
国出身の男性が、夫婦で行ってきた学校建設の草の根活動が結実。これまで教育を
受けられなかった子どもたち155人が入学した。開校式に出席した夫婦は「子ど
もたちは本当にうれしそうだった。村に明るい希望の光が差した」と感慨深そうだ
った。

 夫婦は会社員、モハメッド・ヌルル・エラヒさん(49)と看護師、美砂子さん
(66)。エラヒさんは来日28年になる。

 学校ができたのは、首都ダッカから北へ約100キロ離れたエラヒさんの父の出
身地、ナマプティア村。エラヒさんによると、隣町の学校までは遠いため、学校に
通えない子どもが大勢いる。「多くの子が家計を助けるため、農作業を手伝ってい
る。読み書きができない子もいる」という。

 夫婦は学校建設のため、6年前に友人たちと基金を設立。600万円を目標に募
金活動を行い、約500万円が集まった。エラヒさんが約300坪の土地を提供し、
平屋建ての校舎が完成した。

 今月1日に開校した小学校は5年制で、幼稚園1クラスを併設する。隣村からも
入学希望があり、定員を約30人増やした。週1回、日本語も学ぶ。放課後に読み
書きができない大人にも勉強を教える。

 村には医療施設もなかったため、校舎に診療室を作った。月1~2回、ボランテ
ィアの医師が、子どもや村人を無料で診療する。学校は畜産や魚の養殖事業を行い、
教職員の給与などの運営資金に充てる。

 開校式には、村中総出の約2千人が集まった。村から夫婦に感謝状が贈られた。
教科書やノート、かばん、制服などが子どもたちに無償で配られた。

 エラヒさんは「子どもたちが勉強して知識を身に付け、自立した将来につなげて
ほしい」と期待する。美砂子さんは「『子どもたちの未来を諦めさせてはいけない』
と活動を続けた。ここまでできるとは思わなかった。援助してくれた人に心から感
謝している」と話した。



■ノーベル平和賞・ユヌス氏のシンポ 2月21日に開催
 http://www.asahi.com/articles/ASK1N53L7K1NKHBL001.html
 (朝日新聞 2017年1月21日)

 ノーベル平和賞を受賞した経済学者ムハマド・ユヌス氏を迎えて、社会的な課題
をビジネスで解決する方法を考えるシンポジウム「ソーシャル・ビジネスで未来を
つくろう」(朝日新聞社、九州大学主催)を2月21日(火)に浜離宮朝日ホール・
小ホール(東京都中央区)で開催する。

 ユヌス氏はバングラデシュで1983年にグラミン銀行を設立。貧困層の自立を
支援する無担保の少額融資(マイクロクレジット)を行い、2006年にはノーベ
ル平和賞を受賞した。社会的な課題をビジネスで解決するソーシャル・ビジネスの
第一人者として知られている。

 シンポジウムでは、第1部で九州大学の最新の研究成果を紹介しながら科学技術
を社会課題の解決に役立てる方法を探るほか、第2部では20年に五輪開催を控え
る東京都の小池百合子都知事を招き、ソーシャル・ビジネスの可能性について議論
する。

 参加無料。定員300人。応募はインターネット
 http://t.asahi.com/sbiz
 で受け付け、締め切りは2月5日(日)。問い合わせは事務局に電話03・62
56・0396(平日10~17時)、またはメール(asahi-e@ctim
e.co.jp)へ。



■石川)バングラに届け、文具1千点 宝達中学校の生徒
 http://www.asahi.com/articles/ASK1M4T7DK1MPJLB00H.html
 (朝日新聞 2017年1月21日)

 宝達志水町の町立宝達中学校の生徒たちが集めた文具約1千点が来月、バングラ
デシュの子どもたちに贈られることになった。学びの灯を絶やすまいと同国の学校
への支援を続けている同町の松本三男さん(75)の話に心を動かされ、自主的に
取り組んだ。

 きっかけは校門で登下校の見守りをしていた生徒会メンバーに同校前に住む松本
さんがバングラデシュの話をしたことだった。生徒会副会長の葉佐恒太さん(3年)
は学校に行けない子や文房具に困っている子がたくさんいることを知り、「普通に
勉強できる自分の立場がどれだけ恵まれているか」と思った。

 生徒会で話し合い、昨年12月から学校の玄関に支援を呼びかける手作りのポス
ターと箱を置いて寄付を募った。葉佐さんや生徒会長の小笠原舞さん(3年)を中
心に、給食の時間に呼びかけると増え、箱は毎日いっぱいに。生徒会のメンバー6
人は昼休みに仕分けに追われた。約1カ月間で鉛筆やノート、定規、クレヨンなど
約1千点が集まったという。

 松本さんが2月中旬に現地に向かい、自身が購入した文具もあわせて小中学校に
届ける。今月19日に生徒たちから文房具を受け取ると「現地でのペン1本は日本
の50倍、100倍喜ばれる。遠い国のことと無関心を装ったり、無視したりする
こともできるのに、思いやりを持って行動してくれてうれしい」と話した。

 松本さんは現地の学校運営のための募金や文房具の寄付の受け付けを続けている。
松本さん(0767・28・3731)。



■GSMAがバングラデシュにおけるモバイルの経済的影響を明らかに
 http://www.jiji.com/jc/article?k=20170120005160&g=bw
 (時事通信 2017年1月20日)

バングラデシュ・ダッカ--(BUSINESS WIRE)-- (ビジネスワイヤ)-- GSMAは本日、
モバイルがバングラデシュ経済に与える好影響と、さらなる成長および革新の可能
性について明らかにしました。GSMAインテリジェンスによれば、モバイル技術とモ
バイルサービスは2015年に、同国GDPの6.2パーセントを生み出しており、これは経
済価値にして約130億米ドルの貢献になります1。また同年にモバイル通信事業者と
そのエコシステムは、バングラデシュ全体で76万人以上に雇用をもたらしています
2。

バングラデシュは近隣国より低所得であるにもかかわらず、モバイル市場の発展に
関する指標では周辺地域の平均に近い数値にあります。バングラデシュは、市場に
おけるユニーク加入者率がアジア平均を上回る53パーセント3で、モバイルインタ
ーネットの普及率は33パーセント、全モバイル接続件数に占める3Gの割合は20パー
セントと、わずかに下回っているに過ぎません。下支えする政策環境が整備されれ
ば、さらに成長する可能性を秘めています。

GSMAのスペクトラム担当ヘッドのBrett Tarnutzerは、次のように述べています。
「GSMAインテリジェンスの調査結果は、モバイルがバングラデシュ経済に大きく貢
献していることを明白に示しています。政策的枠組みを体系的に追求して、確実性
を高め、市場の現実を認識し、投資と革新を阻む規制を撤廃すれば、バングラデシ
ュの政府と国民は今後、実に多くのことを達成できるでしょう。」

公共部門への貢献という点では、モバイルエコシステムは2015年にバングラデシュ
政府収入の約10パーセントを生み出しました。これは一般税、特別モバイル課税、
周波数ライセンスを通じて24億2000万米ドルに相当します。

2020年までの展望

GSMAインテリジェンスは、バングラデシュにおけるモバイル業界の経済的貢献が増
加し続けると見込んでいます。付加価値の面で、エコシステムは2020年までに170
億米ドルを生み出すでしょう。この予測は、好都合のマクロ経済環境と、モバイル
インターネットユーザーおよびモバイル通信エリアがいずれも拡大するに伴い、モ
バイル市場の需要・供給が適度に拡大することを前提としています。

雇用機会も、2016年の78万人から2020年の85万人へと拡大し、同期間中にほぼ9パ
ーセント増加することになります。バングラデシュのさらなる成長は、次の2つの
重要な進展によって後押しされるでしょう。

エコシステムで継続的に最も大きな価値を生み出すのは通信事業者で、これに流通・
小売り、インフラストラクチャーの分野が続きます。これはコンテンツとサービス
の貢献が増加するという予想に基づいています。
通信エリアとユーザー数の拡大に伴い、モバイルインターネットが以前に増して生
産性をけん引するようになります。バングラデシュで固定インターネット接続が限
られていること、つまりネットワーク接続サービスを受けていない人々にとって、
モバイルインターネットがインターネットを利用する際の主要手段となっていくこ
とを考慮すると、大きな変革をもたらすでしょう。
Tarnutzerは、次のようにつけ加えています。「モバイルサービスのコスト、種類、
可用性を基本的に決定するのは、周波数の幅と利用に関する諸条件です。モバイル
分野のこうした展望を確実に実現するには、モバイル・ブロードバンド・インフラ
の速やかな導入を促進するような方法で周波数帯を割り当て、バングラデシュの消
費者に高品質で廉価なモバイルサービスを提供することが、必要不可欠です。」

モバイルがバングラデシュ経済に与える影響に関する詳細については、
http://www.gsma.com/spectrum/wp-content/uploads/2017/01/Economic-Impact-Bangladesh-Mobile-Industry.pdfをご覧ください。

-以上-

編集者への注記

1この全体的な影響には、モバイルエコシステムからの直接的な影響に加え、間接
的影響とモバイル技術の利用による生産性の向上が含まれます。2016年にGDPは135
億米ドルに増加したと推定しています。出典:GSMAインテリジェンス

2 このうちエコシステムが直接創出した雇用は3分の1で、それ以外はモバイル分野
で生まれた生産投入に対する需要により、他の分野が間接的に創出したものです。
さらに賃金、公的財源への貢献、業界が支払った利益は、その他の分野で費やされ
るため、さらに間接的な雇用を生み出します。2016年末までに、雇用は78万人に増
加したと推定しています。出典:GSMAインテリジェンス

3 ユニーク加入者が個人消費者であるのに対し、モバイル接続は通常、SIMカード
の所有枚数を意味します。つまり1人の加入者が複数のモバイル接続を行っている
場合があります。

GSMAについて

GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、モバイル事業約800社を結
集しています。そのうち250社は携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企
業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステ
ムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参加しています。GSMAはモバ
イル・ワールド・コングレス、モバイル・ワールド・コングレス上海、GSMAモバイ
ル・ワールド・コングレス・アメリカズ、モバイル360シリーズのカンファレンス
など、業界を主導するイベントの開催も行っています。

詳細情報については、GSMAのウェブサイトwww.gsma.comをご覧ください。GSMAをツ
イッターでフォローしてください:@GSMA

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便
宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料
としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル
言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。

businesswire.comでソースバージョンを見る:
http://www.businesswire.com/news/home/20170120005160/ja/


■マレーシアのナジブ首相 ロヒンギャに対する圧力行為を激しく非難
 https://www.myanmar-news.asia/news_bxIPxq5CbK_184.html?right
 (ミャンマーニュース 2017年1月23日)

「人道的悲劇を繰り返してはならない」
マレーシアのナジブ首相は1月19日、ミャンマー政府に対し、少数民族のロヒンギ
ャに対する圧力行為の即時停止を訴えたほか、世界のイスラム国家に対し、ミャン
マーにおける「人道的な悲劇」を繰り返さないため、行動を起こすべきだと訴えた。
海外のメディアが報じた。

ミャンマー西部・ラカイン州では昨年10月より、ロヒンギャに対しミャンマー軍が
圧力を強めている。圧力行為は性的暴行や家屋の焼き討ちにとどまらず、人々の殺
害にも及んでいる。

これまでに、少なくとも86人が殺害されたという。また、多数のロヒンギャがバン
グラデシュに逃げ込んでおり、その数は約6万6000人に達するとされる。

「殺害行為、暴力行為は、断固阻止するべき!」
同首相は、
殺害行為は、断固として阻止すべきだ。そして、女性と子供に対する暴力行為も断
固阻止すべきだ。(Bangkok Postより)

と、怒りをあらわにして訴えた。

ミャンマー政府はロヒンギャ問題に関し、ラカイン州内での問題であるとして、軍
による圧力行為はなかったとの見解を示しているが、同首相は、圧力行為に訴えた
者らは法に基づき処罰されるべきであると、強い姿勢を示した。



■国連特使、ミャンマー政府による「民族迫害」を批判
 https://www.myanmar-news.asia/news_bxW1OFR7fU.html
 (ミャンマーニュース 2017年1月24日)

政府は“自己弁護”“排除”“否定”という対応のみ
ミャンマーを訪問していた国連(UN)特別報告者ヤンヒ・リー(Yanghee Lee)氏
は1月20日、12日間にわたる「民族迫害」に関しての調査を終え、声明を発表した。

リー氏は、ミャンマー北部カチン州で起きているカチン独立軍との戦いや、西部ラ
カイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対する民族迫害などの問題で、同国政
府の攻撃的な対応を批判。

これら全ての問題に対して、政府は“自己弁護”“排除”“否定”という対応をし
ているように見えるとした上で、
「このような対応は逆効果となるだけでなく、国全体に広がっていた希望が失われ
つつある」(The Seattle Timesより)
と述べる一方、状況を好転させることができるとつけ加えた。

体系的かつ制度化された差別が横行
ラカイン州では昨年10月に9名の警察官が殺害されたのを機に、バングラデシュと
の国境付近で治安部隊とロヒンギャ武装勢力が戦闘を続け、少なくとも86名が死亡、
6万5,000名以上のロヒンギャがバングラデシュへ逃げたと国連は報告している。

避難したロヒンギャは、治安部隊による殺害、レイプ、放火などが行われていると
主張。しかしミャンマー政府はこの訴えを否定し、合法的な反撃活動であり、ロヒ
ンギャが自ら自分たちの家を焼き払ったと主張している。

一方、リー氏はロヒンギャが自ら家を燃やしたという主張に対し、「当局は証拠を
提示しておらず、信じがたい」と一蹴。また、動画サイト「YouTube」に警察官に
よるロヒンギャ虐待のビデオが投稿された件も、氷山の一角に過ぎないとの見解を
示している。

さらに、
「治安部隊によるロヒンギャへの攻撃は正当化されておらず、数十年にわたる体系
的かつ制度化された差別の中で行われている」(REUTERSより)
と問題提起した。

尚、リー氏は滞在中にアウンサンスーチー国家特別顧問をはじめとする内閣閣僚と
会見したが、国軍最高司令官であるミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)
氏は会見を拒否している。



■ミャンマー政府に苦言=ロヒンギャ問題-国連報告者
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012100068&g=int
 (時事通信 2017年1月21日)

人権状況を調べるため8日からミャンマーを訪れていた国連特別報告者の李亮喜氏
(韓国出身)は20日、ヤンゴンで記者会見し、西部ラカイン州でのイスラム系少
数民族ロヒンギャの人権侵害疑惑で否定を続けるミャンマー政府の対応について
「逆効果であるだけでなく、国中に広がっていた期待を失わせつつある」と苦言を
呈した。
 李氏によると、ラカイン州のロヒンギャの村で多数の民家が放火されたにもかか
わらず、政府当局者は「住民が自宅に火を付けた」と主張。自宅が粗悪なため、燃
やせば国際社会からの支援で良い家を建ててもらえると期待できるなどと説明した
という。李氏は「当局は証拠を示さず、こうした主張は全く信用できない」と指摘
した。
 李氏はまた、治安部隊による性的暴行などラカイン州での人権侵害疑惑を調べる
ため政府が設置した調査委員会に対しても信頼性に疑問を投げ掛けた。「独立した、
信頼のできる調査が必要だ」と訴えている。



■イスラム協力機構、外相会合、ロヒンギャ問題、即時改善を要求、
 ミャンマー、孤立の可能性。
 (日本経済新聞 2017年01月20日)

 【クアラルンプール=吉田渉】イスラム協力機構(OIC)加盟57カ国・地域
の外相は19日、マレーシアの首都クアラルンプールで緊急会合を開き、イスラム
系少数民族ロヒンギャに対する人権侵害を巡り、ミャンマーに即時改善を求める声
明を採択した。国際社会の圧力は強まる一方だが、ミャンマーの反応は鈍く放置す
れば同国が再び孤立に陥る恐れもはらむ。
 緊急会合はマレーシアが招集した。同国のナジブ首相は冒頭で「もう黙っていら
れない。ロヒンギャに対する攻撃の即時停止をミャンマー政府に要求する」と述べ
た。外相会合が採択した声明も「ロヒンギャへの差別と暴力を止める全ての手段を
とるよう求める」とミャンマーをけん制した。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が域内他国への批判を主導するのは異
例だ。ナジブ政権がイスラム諸国を巻き込んでミャンマーへの非難を強める背景に
は2つ理由がある。1つ目はマレーシアの人口の6割を占めるイスラム教徒への配
慮だ。難民流入などを通じてロヒンギャ問題への関心が高まっており放置すれば批
判がナジブ政権に向かいかねない。
 もう一つは迫害を受けたロヒンギャが過激思想に傾倒し、テロを生み出す温床に
なるとの危機感だ。東南アジアでも過激派組織「イスラム国」(IS)などの影響
を受けた若者がテロを企てる事件が相次ぎ、治安維持に向けた難題となっている。
イスラム諸国の関心を示し、ロヒンギャの間に広がる不満を抑えることがマレーシ
アの狙いだ。
 ミャンマーに対する国際社会の圧力は強まる一方だが、アウン・サン・スー・チ
ー国家顧問が主導する政権の反応は鈍い。政府が組織した特別捜査委員会は「宗教
的な迫害は無かった」とする報告書をまとめ、同国への批判に対する反発を強めて
いる。
 ミャンマー政権がロヒンギャ問題に消極的な背景には同国内の複雑な事情がある。
多数派である仏教徒の反イスラム感情は強く、ロヒンギャ問題に深入りすれば支持
を失う恐れがある。迫害を主導するとされる国軍は今なお大きな力を持ち、スー・
チー氏もうかつに手を出せない。
 こうしたミャンマーの対応は周辺国の反発を招いている。昨年11月にはインド
ネシアでミャンマーを批判する抗議集会が発生し、マレーシアのナジブ氏も「スー・
チー氏はなんのためにノーベル平和賞を受賞したのか」と公言する事態に陥った。
 国際社会とミャンマーの間で人権を巡る対立が深まれば、同国が再び孤立状態に
陥る恐れはぬぐえない。中国がミャンマーへの関与を強めれば、アジアの安全保障
の波乱の芽ともなりかねない。

 ▼ロヒンギャ問題 ミャンマー西部ラカイン州に暮らすロヒンギャは多くがイス
ラム教を信じ、同国で多数を占める仏教徒から差別的な待遇を受けている。昨年1
0月以降に同国国軍が武装勢力掃討を掲げてロヒンギャを攻撃し、その際に虐殺が
あったとの疑いが浮上した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の担当者が
「民族浄化」と指摘するなど国際社会の批判が高まっている。



■ロヒンギャ問題に「重大な懸念」=イスラム機構が外相会議
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011900861&g=int
 (時事通信 2017年1月19日)

イスラム協力機構(OIC、57カ国で構成)は19日、ミャンマー西部ラカイン
州でのイスラム系少数民族ロヒンギャへの人権侵害疑惑問題に関する臨時外相会議
をマレーシアのクアラルンプールで開き、人権侵害行為に「重大な懸念」を表明す
る声明をまとめた。
 マレーシアのナジブ首相は基調演説で、「われわれはロヒンギャの権利のために
戦う」と主張。ミャンマー政府にロヒンギャへの攻撃や差別的な行動を直ちにやめ、
加害者を法に照らして処罰することなどを求めた。
 また、現地での人道的な取り組みや教育・医療機関といったインフラ整備を支援
するため、マレーシア政府は1000万リンギ(約2億5800万円)を拠出する
と明らかにした。
 臨時外相会議では、OICの代表団がラカイン州を訪れ、地元当局やロヒンギャ
と会えるよう、ミャンマー政府と調整することなどを決めた。



■バングラデシュ首相、ミャンマーにロヒンギャ族を引き戻すよう要請
 https://www.myanmar-news.asia/news_bw7UOCfUzy.html
 (ミャンマーニュース 2017年1月16日)

急速に増加する難民が大きな負担に
バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、ミャンマー政府に対し、バングラデシ
ュに避難しているロヒンギャ族を引き戻すよう、要請した。

10月から発生したロヒンギャ族への迫害は急速に激化し、多くの住民が隣接する国
々に逃げ込んだ。国連調査団によれば、現在少なくとも6万5000人のロヒンギャ族
が、暴力から逃れるためバングラデシュに避難している。

急速に増加した難民の存在は、バングラデシュに大きな影響を与えた。ダッカでは、
陸の国境整備を強化するとともに、沿岸からの新たな難民の流入を防ぐための警備
船を配置した。これらは貧しいバングラデシュにとって大きな負担となっている。

協力関係を強化し2国間で解決を
これらの理由から、ハシナ首相はミャンマー外務省副大臣のU Kyaw Tin氏とダッカ
で会談し、ミャンマーはロヒンギャ族を自国に連れ戻すべきだと主張した。

バングラデシュはこれまで長期にわたり、50万人以上のロヒンギャ族を受け入れて
いる。ハシナ首相は、バングラデシュとミャンマーは協力してロヒンギャ族問題を
解決できると見解を述べ、今回の要請は2国間の関係を強化するための一環である
としている。



■国連特使、「民族迫害」調査のためミャンマーを訪問
 https://www.myanmar-news.asia/news_bwWyAPeji2.html
 (ミャンマーニュース 2017年1月16日)

12日間で戦闘地域を訪問
ミャンマー西部ラカイン州で続く国軍による少数民族ロヒンギャへの人権侵害が国
際社会から高い関心を集める中、ミャンマーの人権に関する国連(UN)特別報告者
ヤンヒ・リー(Yanghee Lee)が12日間の予定でミャンマーを訪問している。

リー氏は1月9日、中国との国境にある山間部で国軍と民族武装集団が戦闘を続ける
カチン州を訪問。同州政府のメンバーと会見し、戦闘で国内避難民になった人々の
権利について話し合ったという。

リー氏は今後、ミャンマー政府により設置された調査委員会が否定した国軍による
イスラム系少数民族ロヒンギャに対するレイプ、放火、虐殺などの迫害に関して調
査を行う。

ミャンマーでは昨年10月、バングラディシュとの国境付近にあるラカイン州の国境
警備隊が襲撃されて警察官9人が死亡して以来、国軍と民族武装集団による戦闘が
続いている。また、治安部隊によるイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害が報告
され、国際社会からの関心も高い。

国連は、この戦闘で少なくとも86人が死亡し、約3万4,000人のロヒンギャが国境を
越えてバングラディシュに逃げ出したとしている。

スーチー氏の対応へも懸念が投げかけられる
ミャンマーの民主主義を象徴するアウンサンスーチー氏は、昨年4月に事実上のリ
ーダーとして同国をけん引している。

一方、国境地域における紛争は増加を続け、政治的に重要な役割を果たしているス
ーチー氏の人権擁護と軍の抑止力に疑問が投げかけられることとなった。

また、世界最大のイスラム人口を抱えるマレーシアとインドネシアは、ラカイン州
で起きている「民族浄化」に深い懸念を示している。

リー氏は、
「ここ数カ月の出来事は、国際社会が人権状況を監視・警戒する必要があることを
示している」(REUTERSより)
と述べ、ミャンマーの状況に懸念を示した。

さらに、カチン州とシャン州での国軍と反政府勢力の戦闘が激化したことに対し、
「新政権が最初の1年間に取る方向については何らかの不安を感じている」
(REUTERSより)
と述べ、同国政府に対する不信感を明らかにしている。



■あらわになったミャンマーの喜べない真実
 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11578240S7A110C1000000/
 (日本経済新聞(英フィナンシャル・タイムズ紙) 2017年1月12日)

 ミャンマー西部ラカイン州で起きた暴力的な事件や、軍兵士がイスラム系少数民
族ロヒンギャを虐殺したりレイプしたりするという疑惑が発端となり、国際社会か
ら非難がわき起こった。アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相率いる国民民主
連盟(NLD)が2015年の総選挙で歴史的とたたえられた勝利を収め、喜びに沸い
たのはわずか1年少し前のことで、この危機的事態がミャンマーのもろさも浮き彫
りにした。

 実質上の最高指導者スー・チー氏の特使は11日、この事態について隣国のバング
ラデシュで高官級会議を持つことになっていた。国連によると、過去3カ月でバン
グラデシュに避難したロヒンギャは少なくとも6万5000人にのぼり、そのうちの3
割が1月5日までの1週間に集中しているという。ミャンマー当局がロヒンギャの
武装グループのしわざだと主張する16年10月に起きた国境警官9人の殺害事件を受
けて、治安部隊がロヒンギャ弾圧に乗り出した影響が背景にある。

 ラカイン州では、長年におよぶ貧困の深刻化で緊張が高まっており、ロヒンギャ
に対するあからさまな差別があるなかで問題が持ち上がっている。ロヒンギャの多
くは国籍を与えられず労働の権利も持たないうえ、移動や選挙の権利も制限されて
いる。強硬派の仏教徒集団は、長いことロヒンギャを移民として扱っている。12年
にはラカイン州で大規模な暴力事件が勃発し、多数の死者を出したうえ、何千とい
う人が行き場を失った。

 スー・チー氏の仲間である多くのノーベル平和賞受賞者が先月、直近の弾圧を
「民族浄化という人類の悲劇だ」と明記した公開書簡に署名し、国連安保理に送っ
た。スー・チー氏は時間が必要だとした一方で、一部の政府高官や国営メディアは、
軍兵士が暴行したとする報告をでっち上げだと一蹴した。

□スー・チー氏に非難も

 今回の争いによって、ミャンマーの民主化やスー・チー氏自身を支持する世界の
支援者たちの目の前に不快な真実があらわになった。1つは、軍の根強い影響力と
自律性だ。ほぼ50年にわたって国を支配してきた軍は、議会の議席や重要な省庁の
職、また法案可決の拒否権を持つ特別委員会の過半数を握っており、外部が責任あ
る説明をしたり監視したりするという兆しはほとんど見えない。その証拠に、ラカ
イン州の疑惑を調査する公式な委員会は、元高級軍人で現副大統領のミン・スエ氏
が率いている。

 スー・チー氏が進んでロヒンギャの立場を代弁しようという姿を見せないことに
も非難が集まっている。15年以上に及んだ自宅軟禁の間にスー・チー氏を人権と民
主化の偶像と見ていた支持者はなおさらだ。「ザ・レディ」や「母なるスー」とし
て広く知られるスー・チー氏の擁護者たちは、同氏がコフィ・アナン元国連事務総
長を招いてラカイン州の問題に関する特別諮問委員会を設置した、と反論する。ス
ー・チー氏は同時に、政府軍と地方の少数民族武装組織との紛争を終わらせるため、
国家的な和平プロセスにも乗り出した。

 ただ、この新たな2つの組織は規模や取り組みの緊急性において不十分に終わる
危険がある。ミャンマーは理論上、単一国家かもしれないが、これまでずっと異な
る豊かな文化がモザイクのように集まり、強い独立心を持った人々で構成される国
だった。民族も多様だ。しかし、資源が豊富なために、都市部と地方の間で争いを
激化させる火種にもなっている。

 スー・チー氏と軍が長いこと争っているというのが1990~2000年代のミャンマー
に対する欧米の支配的な見方だったが、そのせいで地域の不安定さという3つ目の
次元を見過ごしがちだった。ロヒンギャはそうした多くの問題の1例となった。15
年後半に旧軍事政権の仲介で停戦合意に署名した少数民族勢力は15集団のうち8つ
だけだ。一部の少人数民族の人たちにとっては、軍もNLDも多数派のビルマ族に
よる支配の象徴にすぎない。とはいえ、15年の総選挙ではスー・チー氏率いるNL
Dが多くのビルマ族以外の地域で高い支持を集めた。

 そうした世論や16年の新政権への移行は、ミャンマーや国外からも大きな変化の
兆しとして歓迎された。ミャンマーは今年、不安定な国家の歴史と立ちはだかる軍
という、直面する課題を思い知らされる形でスタートを切った。



■ムスリム主催の宗教的式典 僧侶らが開催を阻止
 https://www.myanmar-news.asia/news_bwCGcGV0AE_420.html?right
 (ミャンマーニュース 2017年1月10日)

僧侶らによる阻止行動 警察は制止せず
ヤンゴン市内で1月8日、僧侶らがムスリム(イスラム教徒)主催による宗教的式典
の開催を阻止した。海外のメディアが報じた。

僧侶らが式典の開催を阻止したため、会場には警察が呼び出されたものの、警官ら
は僧侶らの行動を制止しなかったという。

ムスリム・ウラマー機構によると、僧侶らは、宗教的式典の開催中止を告知するこ
となく、突如行動に移したという。また、僧侶らによる突然の行動を警官らが阻止
しなかったため、同機構は警察当局に対し不満の声を上げた。

式典の開催阻止は、政治的要因が関連するとの見方
式典の開催者によると、同式典はこの7年間、トラブルなく開催されていたという。
また、今回、僧侶らによって式典が強制的に中止されたことは、政治的な要因が関
連しているとの見方を示した。

2012年には、ロヒンギャと仏教徒による大規模な衝突が発生したほか、昨年末には、
ロヒンギャに対するミャンマー軍の強い圧力により、多数のロヒンギャがバングラ
デシュへと避難している状況が続いている。

ミャンマーで大多数を占める仏教徒とイスラム教徒であるロヒンギャとの間には、
緊迫した状況が続く。



■ロヒンギャへ「迫害ない」 ミャンマー政府調査、批判も
 http://www.asahi.com/articles/ASK165TR8K16UHBI01Q.html
 (朝日新聞 2017年1月7日)

 仏教徒が大半のミャンマーでイスラム教徒ロヒンギャへの人権侵害が報告されて
いる問題で、政府の調査委員会が「虐殺や迫害はなかった」とする中間報告書を出
し、人権団体から批判が出ている。ロヒンギャへの暴行容疑で警官が拘束されたば
かりで、委員会の中立性に疑問の声も上がる。

 同国西部ラカイン州では昨年10月に武装集団が警察を襲撃。治安部隊が掃討作
戦を進める中で州北部に数多く暮らすロヒンギャ住民に対し性的暴行や殺人、住居
への放火などを行ったとの証言が報じられている。

 政府はこうした疑惑を否定してきたが、3日付で公表された調査委の中間報告書
は、ロヒンギャの人口やモスク(イスラム礼拝所)の増加が「虐殺や宗教的迫害が
ない証拠」と言及。性的暴行については「十分な証拠がない」とし、放火や不当逮
捕、拷問については「調査を続ける」とした。

昨年末に武装警官がロヒンギャ住民を暴行する様子を写した動画がネットに流出。
当局は2日に警官4人を拘束したが、報告書はこれには触れなかった。

 中間報告書について、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理
フィル・ロバートソン氏は「モスクがあるから宗教的迫害がないという驚くべき結
論は、方法論的に不備がある」と指摘。「性的暴行以外の人権侵害は調査中として
おり、何も明らかにしていない」と批判する。

 昨年12月にティンチョー大統領によって設置された調査委のトップが、元軍幹
部のミンスエ副大統領であることを問題視する声もある。調査委は1月末までに最
終報告書をまとめる。

 一方、国連は6日、ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者の李亮喜(イ
ヤンヒ)氏が今月中旬に同国を訪れ、ロヒンギャ問題についても調査すると発表し
た。



■ロヒンギャ問題にIS介入か マレーシアなど警戒強める
 http://www.sankei.com/world/news/170105/wor1701050032-n1.html
 (産経ニュース 2017年1月5日)

ミャンマー西部でイスラム教徒少数民族ロヒンギャが迫害されている問題で、マレ
ーシアの治安当局者は5日までに、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」
(IS)が、ミャンマー政府へのテロ攻撃を計画していると警告した。国際的な関
心を集めるロヒンギャの問題につけ込み、ISが東南アジアでの勢力伸長を狙って
いるとの懸念が強まっている。

 マレーシア国家警察のテロ対策責任者アヨブ・カーン氏はロイター通信に、昨年
12月にテロ容疑で拘束したインドネシア人が、ミャンマーでのテロをたくらんで
いたと述べた。この人物はISの関係者で、ロヒンギャ救済が動機だったという。

 ミャンマー西部ラカイン州では2012年、同国で9割を占める仏教徒とロヒン
ギャの間で衝突が起き、200人以上が死亡。昨年10月には、サウジアラビアや
パキスタンの過激派の支援を受けているとされるロヒンギャの武装勢力が警察など
を襲撃した。国軍が反撃し掃討を展開している。

 ロヒンギャ迫害は国際社会の注目を浴び、世界最大のイスラム教徒人口を抱える
インドネシアでは昨年11月、ミャンマー大使館へのテロ計画でIS関係者が拘束
され、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が訪問中止に追い込まれた。

 東南アジアではインドネシア、マレーシア、フィリピンのイスラム過激派は中東
に渡り、ISに参加。戦闘員同士の連携や帰国が確認されており、マレーシアのヒ
シャムディン国防相は「ISはASEAN(東南アジア諸国連合)地域を中東に代
わるテロ拠点とみている」と警戒を強める。

 イスラム教が国教のマレーシアには、迫害を逃れて20万人ともいわれるロヒン
ギャが流入し、低賃金労働などについている。マレーシアのISがロヒンギャの難
民を募集して、インドネシアの軍事訓練施設に送り込んだとの情報もある。

 テロ問題の権威、ロハン・グナラトナ氏(シンガポール在住)は、ISにとって
ロヒンギャ問題が「結集を呼びかける一つの議題に浮上した」と指摘。ISの影響
と拡大を防ぐためにも、ミャンマー政府に問題解決を促している。



■ノーベル賞受賞者らがロヒンギャ問題を非難
 https://www.myanmar-news.asia/news_bwlDR0oBGQ.html
 (ミャンマーニュース 2017年1月5日)

国連に公開書簡を提出
ミャンマー西部で少数民族ロヒンギャが迫害を受けている問題で、歴代ノーベル賞
受賞者ら23名が12月29日、国連に対し「ミャンマーにおける人道危機を終わらせる」
よう要求。連名の書簡を国連安全保障理事会に提出した。

公開書簡では、ミャンマーにおいて、民族浄化や人道に対する犯罪が広がっている
と指摘。また、ロヒンギャ問題解決への指導力の欠如という理由で、ノーベル平和
賞受賞のアウンサンスーチー国家顧問兼外相を非難した。
「ロヒンギャの完全かつ平等な市民権保証ため、指導力を少しも発揮していないこ
とに不満を抱いている。」(mizzimaより)
としている。

ラカイン州においてここ数週間にロヒンギャのおよそ3万人の人々がミャンマーか
ら避難している。ロヒンギャ被災者は、ミャンマー国軍による虐殺、強姦、放火の
被害を受けたとされ、ミャンマー政府は国際社会から非難され、東南アジア周辺で
は抗議行動が起こっている。

早急な議論提起、国連事務総長の現地視察を要請
書簡は安全保障理事会に対し、緊急の問題としてこの「危機」について議題に追加
すること、潘基文(パン・ギムン)現国連事務総長、もしくはグテレス次期事務総
長による現地視察を要請した。

ロヒンギャは、市民権を否定する政府から何年にもわたって悲惨な貧困と差別を受
けて苦しんでいる。国連やその他の人権団体は、彼らに完全な権利を与えるように
ミャンマー政府に繰り返し要求してきた。



■警官、ロヒンギャを暴行 動画流出、政府捜査
 http://mainichi.jp/articles/20170104/k00/00m/030/095000c
 (毎日新聞 2017年1月3日)

ミャンマー西部ラカイン州で警察官が少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の住民を
暴行する様子をとらえた映像がインターネット上に投稿され、ミャンマー政府が捜
査に乗り出した。地元メディアは3日、アウンサンスーチー国家顧問の事務所の話
として、暴行に関与した疑いがある4人の警官が拘束されたと報じた。

 ロヒンギャを自国民と認めないミャンマーで、こうした「迅速捜査」は極めて異
例だ。背景には、国軍などによるロヒンギャへの人権侵害疑惑に対して強まる一方
の国際社会の批判を、かわす狙いがあるとみられる。

 地元メディアによると、問題の映像は昨年11月5日にラカイン州北部マウンド
ーの村で撮影され、同12月31日に出回った。数十人の男性らが地面に座らされ、
警察官が1人を蹴ったりたたいたりする様子が映っている。

 映像投稿を受けスーチー国家顧問の事務所は今月1日「直ちに対応する」と表明
した。

 ラカイン州では昨年10月、武装集団が警察施設などを襲撃し、武器を奪って逃
走した。政府は集団はロヒンギャだと断定し、国軍などが掃討に乗り出した。この
取り締まり過程でロヒンギャへの迫害疑惑が浮上し、国際人権団体や国連などがミ
ャンマー政府に対する批判を強めている。

 ミャンマーと同じ東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国で、イスラム教徒が
多いマレーシアなどからも異例の強い批判が出たため、ミャンマーは急きょ12月
にASEAN外相会議を開催し、自国の対応への理解を求めていた。

 ラカイン州と国境を接するバングラデシュ政府によると、昨年10月以降に流入
したロヒンギャの避難民は5万人以上になる。



■スー・チー氏の対応批判 少数派迫害問題で平和賞受賞者ら
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H1Y_Q6A231C1000000/
 (日本経済新聞 2016年12月30日)

ミャンマー西部でイスラム教徒少数民族ロヒンギャが迫害されている問題で、ノー
ベル平和賞受賞者ら23人がアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相の対応が不十
分だと批判し、国連安全保障理事会で同問題を議題として取り上げるよう促す連名
の書簡を安保理に送付した。安保理外交筋が29日、明らかにした。

 書簡には南アフリカのツツ元大主教、パキスタン出身のマララ・ユスフザイさん
やイランの人権活動家シリン・エバディさんらノーベル平和賞の受賞者11人のほか、
人権活動家が名を連ねた。

 書簡はミャンマー国軍が西部ラカイン州で過去2カ月に実施した武装勢力の掃討
作戦によって数百人のロヒンギャが殺害され、3万人以上が家を追われたと指摘。
「スー・チー氏はロヒンギャの市民権保障のため、指導力を少しも発揮しておらず
われわれは不満を抱いている」と強調した。

 スー・チー氏自身もノーベル平和賞を受賞しているが、ロヒンギャを巡る対応で
はイスラム諸国を中心に批判が強まっている。仏教徒が国民の9割を占めるミャン
マーではロヒンギャへの差別意識が強く、スー・チー氏は国民の反発を恐れてロヒ
ンギャ寄りの言動を控えているとみられる。



■ASEAN外相会議開催か=ロヒンギャ問題-ミャンマー
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121200579&g=int
 (時事通信 2016年12月30日)

ミャンマー政府が東南アジア諸国連合(ASEAN)の各国外相を招いて19日に
会議を開催する方向で調整を進めていることが12日、分かった。ミャンマー外務
省幹部が明らかにした。治安部隊による人権侵害疑惑が取り沙汰されているイスラ
ム系少数民族ロヒンギャの問題が議題となる見通し。
 ロヒンギャ問題をめぐっては、ミャンマー西部ラカイン州で治安部隊が10月以
降、ロヒンギャの民間人殺害や性的暴行など人権侵害に関与した疑惑が浮上。ミャ
ンマー政府は疑惑を全面否定しているが、国際社会から懸念や、ミャンマー政府に
対する批判の声が高まっている。

 このためミャンマー政府としては、ASEAN各国外相に状況を説明し、理解を
求める考えとみられる。ミャンマー外務省幹部は取材に対し「ASEAN各国外相
を会議に招待する準備を進めているところだ」と述べた。会議は最大都市ヤンゴン
か首都ネピドーで開かれる見込みという。



■ミャンマーからロヒンギャ5万人流入、バングラデシュ「深い懸念」
 http://www.afpbb.com/articles/-/3112789
 (AFP通信 2016年12月30日)

バングラデシュ外務省は29日、10月以降にイスラム系少数民族ロヒンギャ
(Rohingya)5万人がミャンマー軍の迫害を逃れてバングラデシュに流入したと明
らかにした。

 バングラデシュ政府は、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で武装集団と軍
との衝突が発生した10月初頭以来、ロヒンギャの大量流入を防ぐべくミャンマー国
境での巡回を強化している。

 バングラデシュ外務省は29日の声明で、ミャンマー大使を呼んで無国籍状態にあ
るロヒンギャ数万人の流入が継続していることへの「深い懸念」を表明し、「2016
年10月9日以降にバングラデシュに逃れてきたミャンマー市民は約5万人に上る」と
伝えたことを明らかにした。

 さらに、ロヒンギャ30万人を含めてほとんどがバングラデシュ国内に不法滞在し
ているミャンマー人を早期に本国へ送還させるよう求めたという。



■ASEAN:ロヒンギャ議論 スーチー氏板挟み
 「虐殺」批判へ説明、軍に配慮
 (毎日新聞 2016年12月20日)

 【バンコク西脇真一、ジャカルタ平野光芳】東南アジア諸国連合(ASEAN)
は19日、非公式外相会議をミャンマーの最大都市ヤンゴンで開き、ミャンマーの
アウンサンスーチー国家顧問兼外相が、西部ラカイン州で迫害が懸念されている少
数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の問題について説明した。仏教徒が多数派のミャ
ンマーでロヒンギャは「不法移民」と見なされ、国際社会とは逆に世論や国軍はロ
ヒンギャに反発している。民主化運動を率い世界的に知名度が高いスーチー氏だが、
世論や軍に正面切って対抗するのは難しく、板挟みの状態となっている。
 ミャンマー外務省の声明などによると、会議でスーチー氏は、問題が複雑で解決
には時間を要することを強調。また食糧支援の再開などに道を開いたことなどを説
明し、理解を求めた。
 これに対し、イスラム教徒が多数派のマレーシアの外相は「殺人やレイプ、焼き
打ちなど『大量虐殺』に政府の関与を疑う声もある」と、ミャンマー政府を批判。
情報公開の徹底や、ASEAN諸国による人道援助の受け入れを求めた。
 今回の問題はラカイン州北部で起きた襲撃事件が発端。地元メディアによると武
装集団が10月上旬、バングラデシュとの国境付近の警察施設などを襲撃し武器を
奪って逃走。警官9人が殺された。政府は襲撃したのはロヒンギャのグループだと
し、軍が掃討に乗り出した。国際人権団体などは、この過程でミャンマー当局によ
る著しい人権侵害があったと批判している。軍や政府は疑惑を否定している。
 ミャンマー西部には主に19世紀以降、当時のインド東部ベンガル地方からイス
ラム系移民が流入した。こうしたイスラム系住民が一般にロヒンギャと呼ばれるが、
ミャンマー政府は「不法移民」としてロヒンギャの呼称を認めていない。1948
年の独立後は選挙権なども認められていたロヒンギャだが、旧軍政が82年に制定
した市民権法で国籍が剥奪された。民政移管された2011年以降、ロヒンギャと
仏教徒の宗教対立が表面化。12年には多くのロヒンギャが船で周辺国へ逃れ、国
際社会で注目を浴びた。
 人権重視の姿勢を打ち出してきたスーチー氏が、ロヒンギャ問題で沈黙してきた
ことに対し、国際社会では批判が高まっている。スーチー氏の沈黙の背景にはロヒ
ンギャ問題で強硬姿勢の軍などに対する配慮もあるとみられる。ミャンマーでは今
も国軍の政治への影響力は強く、国政の安定を図るうえで国軍との協力も欠かせな
い。
 ASEAN外交筋によると、スーチー氏は会議前、「軍や政党などに圧迫を受け、
自分の立場は非常に厳しいものだ」と話したという。
 ◇周辺国へ避難「人道問題」
 【ニューデリー金子淳】ロヒンギャに対する人権侵害の懸念が広がる中、周辺国
ではミャンマー政府への抗議活動が相次いでいる。19日にはインドの首都ニュー
デリーで約500人が抗議デモを実施。今回の騒乱でインドまで逃れた避難民も参
加し、「早く故郷に帰れるようにしてほしい」と訴えた。
 「妻子と妹が家ごと焼かれた。何もできなかった」。ミャンマー西部ラカイン州
に住んでいたアブドラ・ハクさん(40)は先月下旬、10人あまりの「仏教徒や
軍服を着た集団」に自宅を襲われたという。屋外に連れ出され体を拘束された後、
家の中で妹らが強姦(ごうかん)された。自宅は放火され、妻子と妹が焼け死んだ
という。数日かけてバングラデシュに越境。治安部隊に見つかったら送還されると
聞き、他の避難民とともに今月13日、インドまでたどり着いた。「怒りはあるが、
どうしようもない」と嘆く。別のロヒンギャの男性(30)は「電話で話した親戚
は、軍に自宅を焼かれてジャングルに逃れたと言っていた」と語った。
 避難民の多くは最も近い隣国バングラに逃れており、10月以降、約3万人が密
入国したとみられている。だが、バングラではすでに30万人超とされるロヒンギ
ャが暮らしており、国境で拘束され送還されるケースも相次いでいる。支援するイ
ンド人弁護士、ソーラブ・カーンさん(62)は「これは人道問題だ。国連や国際
社会はミャンマー政府に解決するよう圧力をかけてほしい」と訴えた。



■ロヒンギャ「窮状知って」、ミャンマー逃れた民族、
 館林に、今なお迫害、支援求める。
 (日本経済新聞 2016年11月28日)

 ミャンマーで過酷な差別を受け、逃れてきた同国のイスラム教徒「ロヒンギャ」
約200人が群馬県館林市で暮らしている。アウン・サン・スー・チー氏が政権を
握った後も続く軍などによる迫害は10月以降に深刻化、アジア各地で抗議デモが
相次ぐ。「日本人にもロヒンギャのことを知ってほしい」。同市のロヒンギャは国
際社会の支援を訴えている。
 築30年以上の古い県営住宅の一室。壁一面にイスラム教の聖地メッカを描いた
タペストリーや写真が飾られている。セイドルアミン・アハメドさん(44)一家
はこの部屋で10年以上暮らしている。
 ロヒンギャは主にミャンマーのラカイン州に住むイスラム教徒だ。仏教国ミャン
マーで激しい迫害を受け続けて数十万人が周辺諸国へ脱出したとされる。人身売買
の対象にされたり、脱出時に海で遭難したりして多くのロヒンギャが死亡した。
 セイドルアミンさんは1990年、ロヒンギャへの不当な扱いの解消やミャンマ
ーの民主化のために、スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)に入党。選挙運
動中に拘束され、強制収容所へ送られた。わずかな食べ物しか与えられず何度も拷
問を受けたという。
 3週間後の大雨の日、2人の仲間と収容所から逃亡した。バングラデシュ、タイ
を経由してマレーシアに。同国でもNLDの政治デモに参加し、拘束されそうにな
った。
 「マレーシアでも安全の保証はない。子供の未来のために日本へ行こう」。マレ
ーシアで出会った妻のジャミラ・モハメドシュコルさん(31)と日本に行くこと
を決意。2003年、家族を残しセイドルアミンさんは偽造パスポートで渡航。関
西国際空港で入国管理局に拘束され、ビルマ語で必死に助けを求めた。
 2カ月後、難民申請が認められ、翌年にマレーシアにとどまっていたジャミラさ
んと2人の子供を呼び寄せた。今は自動車関係の仕事で生計を立てている。子供た
ちも館林市内の小中学校に通い、一家の生活は平穏だが、セイドルアミンさんは
「ラカイン州に暮らす妹家族を思うと夜も眠れない」と話す。
 民主化への支援を国際社会に訴えてきたスー・チー氏が政権を握った後も軍のロ
ヒンギャに対する圧迫は続いており、特に10月以降は深刻化している。妹の家に
兵士が押し入り、食べ物や貴金属を奪っていくこともあるという。
 「それでも命があるだけ良い。理由もなく殺された人が大勢いる」。在留許可を
得たり、難民申請をしたりする館林市のロヒンギャは国際的な支援を訴えるため
「在日ビルマロヒンギャ協会」を結成。スー・チー氏が1日に来日した際には面会
を申し入れたが、実現しなかった。
 セイドルアミンさんは「状況はむしろ悪化している。国際社会に期待するしかな
い。日本人もロヒンギャの窮状に目を向けて」と話す。「散り散りになった人々が
いつかふるさとに戻れるように」。日本で暮らすロヒンギャは心から願っている。




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