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弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

ガイアの夜明け 補足

2009年12月01日 | バングラデシュのニュース
せっかく住んでいた町のことが放送されたので、補足を書いてみようと思う。

バングラデシュの人口は先日発表された国連人口基金 世界人口白書によると
1億6千万人だそうです。日本には1万人ほど来ているそうです。

バングラデシュ・チッタゴンは日系企業もいます。
無印良品の女性衣料とか、YKKのファスナーとか、自動販売機の押しボタンとか
船の鎖とか日本向けの商品を作っている企業が居ます。

ユニクロのジーンズもこの街から来てました。
リーバイスのアメリカモデル作っている工場もあるし。

放送された廃船場の場所はこちら。
GoogleMAP - チッタゴン 廃船場の場所(バティアリという街です)
チッタゴン バティアリ



あと、ウォーセメタリーと呼ばれる戦没者墓地があります。
日本人18柱が合葬されています。
コミラの街にも同じようにウォーセメタリーがあり、終戦後に亡くなった方を弔っています。
今もきちんと管理人が居て、街中とは違う綺麗に清掃された場所としています。






1船300mを越すサイズの船が浅瀬に居ます。
満潮の日に陸に向かって船を走らせ座礁させて、陸地からある程度引っ張ってから解体を行っています。
海沿いのに沿って走る道沿いには、船で使われていた机や椅子、消火器からランプまで様々なものが
売られています。


解体するには海でそのまま解体しているので、汚染物質が流れ出ています。
廃船場から南に25キロのところにあるポテンガビーチという砂浜には、重油が流れ着き、
歩くと足の裏が真っ黒になります。
重油以外にもアスベストや化学薬品のはいったドラム缶なども詰まれたまま売られてくることがあり、
再利用できないものはベンガル湾に投棄されることになります。

違法操業はわかっているのに、法律の範囲なので問題ないと突っぱねる司法がいて、
規制がかかって船が入手できなくなると国が立ち行かなくなるのはわかるが、
個々人の利益のために地球が破壊されている例だと思われます。


出稼ぎ労働者の給金の話があった。
バングラデシュの平均月収6千円と紹介されていた。
ここ最近のレートは100タカが130円くらいだそうで、計算して月収4500タカ。
2年前小学校の先生の給料が4000タカといわれていました。
物価が日本の20分の1ほどの国ですが、家族5人となるとこの金額ではきついです。
給料の話だと、民間の縫製工場で就労可能になったばかりの16歳の女の子で月1600タカだった。
1600タカは額面で、実際にもらえるのはもうちょっと低いことのほうが多かったりするらしい。
野菜なんかの食べ物は安い国なのだけれど、お金の使い道は食べ物ばかりではなく、
着る物や衛生に関するもの、電気だって必要となると現金がいるため農村部からの出稼ぎが
多くなっています。

廃船場はバングラデシュという国にとって、鉱山そのもの。
天然ガスは出ますが、油田やそのほか鉱物資源はありません。
船を解体することで、国の建設に必要な鋼材を手に入れています。


最後に。
チッタゴンの街中から1時間半ほど内陸に入ったところに、マハムニ村という仏教徒の多い村があります。
ここにマハムニ母子寮という孤児院があり、108人からの子供が生活し、学校に通っています。
ちょうど1年前の毎日新聞に取り上げられたこともあるので、見た方もいらっしゃると思います。
また、今年発売された「BOPを変革する情報通信技術―バングラデシュの挑戦」の第5章に書かれている
仏教寺院が経営する孤児院というのも、あの地区に孤児院がほとんど無いことから、マハムニ母子寮の
ことかと思います。
日本人の僧侶、渡辺天城さんが設立して、福井師が面倒を見ていたのですが、2007年に福井さんが
亡くなり日本からの支援が減ってきています。

親が居ないため、また、親の収入では学校に通えない子供達を預かり、しっかりと教育を受けることが出
来るようにするためには、食費や寮の管理費、学費で1ヶ月20万円ほど掛かります。
子供達が最低限、義務教育を受けられるようにするためにも、支援をお願いしたいと思います。
もしバングラデシュ支援に興味を持っていただける人がいたら、こちらを見ていただきたいと思います。
 バングラデシュの孤児と共に生きる http://mahamuni.dreamblog.jp/



■参考記事

□国連人口基金 世界人口白書 2009発表(2009/11/18)
 >http://www.unfpa.or.jp/publications/swop/swop2009/swop09.html
 世界人口白書 2009 気候変動と女性


□国際学術協力に係る海外派遣 派遣報告書 シップリサイクルの国際動向と海外の船舶解撤ヤードの実地調査
(日本財団 図書館)
 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2006/00271/contents/0008.htm

□チッタゴン廃船場の問題について Powerful syndicate rules ship-breaking(The daily Star)※英文
 http://www.thedailystar.net/2006/07/29/d6072901044.htm

□バングラデシュの写真をたくさん撮影された方のブログ
 楽ピーです
 http://plaza.rakuten.co.jp/rakupie/

□バングラデシュ バティアリの船舶
 http://tikyumaru.com/hpgen/HPB/entries/30.html

映画『アリ地獄のような街』

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