PIXTAより
普段テレビはあまり観ないのですが、たまたま見ていた番組の化粧品のCMで「たまご肌」という聞き慣れない言葉が使われていて気になり、それを調べてみると
たまご肌:(ゆで卵の殻をむいた状態の)光沢のあるつるつるした肌
という意味で使われているようです。国語辞典の広辞苑にも載っていませんでしたし、俗語か造語でしょうが、いったいいつ頃から使用されているのでしょう。
ついでに、肌の様子を表す他の言葉も広辞苑で調べてみると、以下の単語が出てきました。
餅肌(もちはだ) :餅のようにきめ細かで柔らかくなめらかな肌。(広辞苑)
柔肌(やわはだ) :(女性の)やわらかな肌。にきはだ。にこはだ。(広辞苑)
和肌(にきはだ) :やわらかなはだ。にこはだ。やわはだ。(広辞苑)
荒れ肌(あれはだ) :脂肪分が少なくて、かさかさに荒れている肌。(広辞苑)
鮫肌(さめはだ) :脂肪分が少なくて、かさかさに荒れている肌。(広辞苑)
素肌(すはだ) :衣服、特に、下着や、おしろい等をつけていないはだ。(広辞苑)
美肌(びはだ) :肌を美しくすること。また、美しい肌。(広辞苑)
雪肌(ゆきはだ) :雪のように白い女性の肌。美人の肌。/積もった雪の表面。(広辞苑)
地肌(じはだ) :生来の肌地。生地(きじ)の肌。/大地の表面。(広辞苑)
新肌(にいはだ) :まだ誰も手を触れていない肌。(広辞苑)
青肌(あおはだ) :毛を剃ったあとの青々と見える肌。(広辞苑)
赤肌(あかはだ) :赤くむけたはだ。/全くのはだかであること/山に草木のないこと。(広辞苑)
鳥肌(とりはだ) :皮膚に鳥の毛をむしり取った後のようなぶつぶつを生じる現象。(広辞苑)
如来肌(にょらいはだ) :肉づきがよくあたたかい肌。人の体温によってあたためられていること。(広辞苑)
人肌(ひとはだ) :人の皮膚。/人の肌の温み。体温。(広辞苑)
諸肌(もろはだ) :左右両方の肌。上半身全部の肌。両肌。(広辞苑)
両肌(りょうはだ) :左右両方の肩肌。もろはだ。(広辞苑)
羽二重肌(はぶたえはだ):きめが細かく色の白い滑らかな肌。(広辞苑)
饅頭肌(まんじゅうはだ):饅頭のように滑らかにつやつやした肌。(広辞苑)
豊肌(ほうき) :ふくよかな肌。(広辞苑)
片肌(かたはだ) :片方の肌。(広辞苑)
諸肌(もろはだ) :左右両方の肌。上半身全部の肌。両肌。(広辞苑)
両肌(りょうはだ) :左右両方の肩肌。(広辞苑)
他にもweb上で検索してみると、辞典には載っていない表現もありました。
艶肌(つやはだ) :潤い感のあるつややかな(web検索)
白肌(しろはだ) :肌が白いこと、あるいは色白の人。(web検索)
透き通るような肌 :透き通るような美しい肌。若い女性の肌をいう。(web検索)
日焼け肌 :文字通り日焼けした肌。以前は健康的な肌のように見られていたが、紫外線による害が注目されるようになってからは避けられるようになっている。(web検索)
絹肌(きぬはだ) :絹のように滑らかな肌(web検索)
玉肌(たまはだ) :玉のように美しい肌。張りがあったり滑らかで美しい肌。(web検索)
夜肌(よはだ) :夜の肌。夜。肌に感じること。(web検索)
更に広辞苑には、「~肌」とは言っても、人の肌のことではなく「気質」や「気性」の状態を表すものとして以下の表現が載っていました。
名人肌(めいじんはだ) :世俗を超越した性質。名人気質(かたぎ)。(広辞苑)
学者肌(がくしゃはだ) :物事を論理的に考えたり研究一筋に生きたりするような、学者に多く見られる気質。(広辞苑)
研究肌(けんきゅうはだ):学者肌に同じ。
親分肌(おやぶんはだ) :親分のように、面倒見がよく人から頼られる気質。(広辞苑)
競い肌(きおいはだ) :俠客かたぎ。(広辞苑)
勇み肌(いさみはだ) :おとこだての気風。任俠の風。(広辞苑)
姐御肌(あねごはだ) :女親分のような、きっぷのいい女の気性。(広辞苑)
芸術家肌(げいじゅつかはだ):ひらめきや感性が強い、芸術家に向いたタイプ。(web検索)
ちなみに、人の肌とはあまり関係のない例えでも「~肌」という言葉がありましたので、記しておきます。
絵肌(えはだ) :絵の材質から受ける感じ。マチエール。(広辞苑)
磁肌(じはだ) :陶器の表面。(web検索)
山肌(やまはだ) :山の表面。(広辞苑)
岩肌(いわはだ) :岩の表面を人の肌にたとえた語。(広辞苑)
練絹肌(ねりぎぬはだ) :小板目肌が均一に良く詰んだ柔らかみのある古刀の地鉄の状態を古人が表現した言葉。(web検索)
たまたまCMの中にあった言葉が気になって調べてみたわけですが、いやはや「肌」一つでもこれだけの表現があるとはこれまで気がつきませんでした。
きっと他にもこれと似た言葉があることでしょうし、今回なにげなく調べてみたものの、日本語とはつくづく難しい言語なのだと思い知らされました。