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クラウン 1/144 ホーカーシドレーハリアーGR3(製作代行) #7

2006年04月12日 | 模型製作代行
塗装前の下準備がほぼ終わりました。



サフを吹いてから細かな修正が必要なところもありましょうが、
次はコクピットを閉じる作業に入ります。

あと、資料を見ていて色々気づいた部分で、
短時間で出来るディティールを追加しました。



プラ板で計器板を自作。
ピトー管と空中給油用プローブは真鍮線等に置き換えました。
どちらもプラのままだと折れやすいですからね。



それと、AV-8Aの特徴である、
背中のVHFアンテナとコクピット後方のアンテンを追加しました。
コクピット後方のアンテは1枚のものと2枚の機体があるようですが、
米海兵隊機は通信機器を英軍のGR.1より強化しているタイプですので、
2枚アンテナの機体としました。

背中のVHFアンテンの横に付けたボッチは
衝突防止用のライト(アンチコリジェンライト)です。
あと、翼付根にある空気取入口も穴を穿っておきました。

写真によって降りていたり、降りていなかったりする
脚関係のカバーは降りていない状態で固定しました。
ハリアーは空気抵抗を減らすために脚を降ろした後に
脚扉が閉まるタイプですからね。
無論、エアーブレーキも閉状態で接着しました。

写真がありませんが、
アンテナなんかをつけたせいで、裏返せないので
後ほど、脚をつけた後にでも画像をアップしたいと思います。

クラウン 1/144 ホーカーシドレーハリアーGR3(製作代行) #6

2006年04月10日 | 模型製作代行
四月初めての更新になります...。
それなりに作業は進めていたのですが、
ダイナミックに進んでいなかったので、
内容が充実するまでちょっとネタを溜めてしまいました。

現状は、機体の組み立てがほぼ終わった状態です。



古いキットだけに隙間の処理等、結構時間を食ってます。
前回のSu-22が新し目のキットゆえ、
この辺に時間がかからなかったのと対照的です。

で、古いキットゆえか、
ハリアーをハリアーたらしめている部分のディティールが
バッサリ省略されていたので、
その辺りに手を入れました。

まずはエアーインテイク周辺。


この部分は左右とも8枚のサクション・リリ-フドアがあるんですが、
キットはのっぺらぼう...。
ですので、実機のように左右ともモールドを施しました。

画像のように、上の4枚が開いた状態を再現しました。
下部4枚は地上付近ではFOD(異物吸入)対策として、
通常地上にいる時は閉めているようです。

というか、、
このハリアーのテクノロジーは凄いです!
私もあまり詳しくはなかったのですが、
今回製作にあたって「世界の傑作機」を読んでいて、
「英吉利人頭いいなぁー」と感動しました。

普通に外から見ていれば、
4つの排気管を可動させて浮いたり飛んだりしてるだけ。
そう見えるのですが、そこにはもう~隠された創意工夫があったのですね。
先に上げたサクション・リリーフドアもそのひとつ。

無論ハリアーも他のジェット機と同じように
エンジンはファンを回して強制的に空気を取り込む訳ですが
このサクション・リリーフドアがあることで
エンジン前方だけでなく、エンジン周辺からも空気を取り込めるんですね。

まぁMig-29などは、この原理をさらに発展させて機体上面のみから
空気を取込んでメインのエアーインテイクを塞いで
離陸したり出来るんですがね。

しかしハリアーの凄いところはこれだけでなく、
取り込んだ空気を低圧圧縮機で圧縮し、
それを前方二つの排気管から吐き、
その後方にある高圧圧縮機を通った空気は
燃料を噴射され燃焼ガスとなり
タービンを回しつつ後方2つの排気管から吐きだしているんですね。

当然タービンは減速器などを介して低/高圧圧縮機を回します。
これは通常のジェット機と同じ原理です。

で、何が凄いかと言いますと、
低圧側は大気が圧縮される熱しか発生せず、
高温の燃焼ガスの排気を後方2つの排気管でしか行わないところ。

もし、前方2つの排気管から高温のガスを出させれば、
当然熱対策としてその周辺には重くて熱に強い材料を使わざるを得ません。
しかし、飛行機は出来るだけ軽く作るのが基本です。
しかも、通常水平等の飛行を行う時には
後方がメインの推力となることで、
重心バランスや飛行の制御が容易になる利点があるんですね。
4つの排気管より2つの排気管でバランスを取るほうが
容易なのは誰が考えても頷けます。

で、その後方排気管の配置位置がまた絶妙で、
主翼後方のすぐ手前に持ってきているんですね。
これは主翼上面を流れる空気を牽引して早める効果を持ちます。

つまりBLC(境階層)制御フラップみたいな効果を
何時でも活用できる訳です。

しかも、ホバリング中の微妙なピッチ・ヨー・ロールを制御する為に、
他にも機首下面、両主翼端下面とテイルブームの左右と下面に
電気式空気圧搾機と排気口を設けて、
ヘリと同じようなことが出来るようにしてあるんですね。

ホバリング時には主エンジンとこのリアクションコントロールバルブで
いかなる機動も可能という訳です。
いやはや、、「英吉利人やるなぁ~」てな訳です。

で、キットでは省略されているリアクションコントロールバルブを再現したのが
下の画像です。





主翼下面はモールドするスペースがなかったので、
工作していませんがね、、、。
ちなみに、丸い方は吸気口、四角い方が排気バルブです。

これがあるのでハリアーはお辞儀が出来るわけですから
やはり再現してないとですね。