がらんどう 吐毒会

雑感で感じたままに…

文化住宅

2011-09-13 08:59:40 | Weblog
大阪特有の住まいである文化住宅。落語によく出てくる長屋(長家)と思って頂いていい。庶民的民家である。

もちろん今だにあちこちに健在で、まだまだ近所付き合いある、良き歴史的住まいだ。さすがに若い世代はいない。お歳を召された方々が、寄り添って住んでおり、協力しあっている。

成り立ちについては諸説あるが、正直、数をこなすにはどうすればいいかの大阪的合理性だろう。縦に長く、入口か裏勝手口に台所があり、だいたい3部屋くらいが縦に並ぶ構造である。たぶん、京都もそうだが、間口の広さに寄って税金かけられたことが古くにあり、その名残でうなぎになったかもしれない。

我々が子供の頃は、ちょうど核家族化が始まった頃で、大阪では盛んに文化住宅が作られた。もちろん2階建ても存在したし、アパートの原形と考えてもよいと思う。

プライバシーの概念は当時あまりなく、向こう三軒両隣、醤油や味噌を借り合う仲の時代であった。

我が家は文化住宅の隣の一軒家で、その文化住宅の人達に風呂を貸していた。いつも声をかけに行くのが私の仕事だった。

やはりプライバシーが優先される時代なのだろう、震災後の仮設住宅の方が文化住宅よりしっかりしているように見える。たぶん仮設といいながら、半常設住宅に見えてしまうのは、そういう大阪の人々の生活見てきているだけにしかたない。

上を見ても下を見てもキリがなく、妥協点の設定でしかないと、私は見ている。