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オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

「ザリガニの鳴くところ」

2023年06月10日 09時19分52秒 | 読書
やっと順番が回ってきた。
ディーリア・オーエンズ著「ザリガニの鳴くところ」を読了。
読みかけの本を脇に置いてちょいと読みかけたら、
実に実に面白くて読み通してしました。

1969年、海岸で男性の遺体が見つかる。
足跡や指紋など、手がかりは無し。
事故か他殺か捜査が始まる。
この男性とヒロインは過去に一年ほど付き合いがあったため、
容疑者にされてしまう。

湿地に一人で暮らした少女カイアが主人公。
父さんは戦争で脚が不自由になり政府の給付金を受けて暮らしているが、
お金が入ると酒を呑み、呑んでは家族に暴力をふるう。

6歳の年に母さんが出ていった。
いつもの買い物なら曲がり角で手をふってくれるのに、
一度も振り返らず去っていくのをポーチに立って見ている。
七つ上の兄ジョディが自然界の生き物に例えて話してくれるけど、
6才のカイアには子を捨てる母親を理解できるはずもない。
兄姉たちも次々に出ていきジョディも去った。
残されたわずかな食材を幼い知恵で料理して飢えを凌ぐ。
ある日「四日で帰る」とでかけた父さんは振り返って、
見送るカイアに手を振ってくれ、
約束通り四日目に戻ってきた。
父さんが帰るまで、幼いなりに小屋をきれいにし、シーツを洗っておいた。
それに気づいた父さんは、たまに穏やかにカイアに釣りを教えてくれたりする。

ある日手紙が届く。
きっと母さんからだと思うものの、
文字を知らないカイアには読めないのです。
いつも空腹のカイアは給食につられて学校へ行ったものの、
偏見の目にいたたまれず、一日でやめてしまう。
靴も履けない最下層の白人は蔑まれているのです。

テーブルに父さんの目に入るよう手紙を置く。
読んだ父さんは荒れて、手紙も母さんが残していった絵も服も燃してしまう。
何が書いてあったのか知る由もないが、
焼け残った手紙を拾い集め空き瓶に収めるカイア。
そして父さんも居なくなってしまう。
とうとう一人になってしまったカイアは生活費を捻出するために貝を掘って売りに行く。
父さんが居なくなったこと悟られないようにしてね。
黒人のジャンピングは値段以上の金額を支払ってくれたが、
小さい子が一人で暮らす困難を思い、
奥さんと相談してカイアの生活をそれとなく支援するのです。

父さんが四日の留守をしたとき、
小さな冒険がありジョディの友達だったテイトと知り合う。
彼は文字や計算の方法、湿地の生き物について教えてくれ、大切な友だちになる。

少女の成長と出来事を年を追って描きながら、
現代で起きた事件をめぐる話が交互に綴られて行きます。
そして殺人事件の容疑者として捕らえられたカイア。
裁判と事件の結末とがねぇ〜。
これは話せないわ。
映画も観たくなりました。

以下は表紙裏の解説より引用です

全米500万部突破、 感動と驚愕のベストセラー

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見さ れた。
人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。
読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去って ゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生 きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく······。
みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が 絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。

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