オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

寺地はるな作を二冊

2023年04月26日 11時58分33秒 | 読書
寺地はるな作「ビオレタ」が良かったのでね。
引き続き同じ作者の「夜が暗いとは限らない」を読みました。

ビオレタの主人公は就職先の先輩に仕事を教えてもらえず、
できない子として貶められている。
その彼女は長く付き合った彼と結婚が決まり仕事は辞めていた。
なのに式も間近に迫ったある日、呼び出されて結婚を解消されてしまう。
↓以下はビオレタの紹介文の引用です。

婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。
そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。
何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。

というものでした。
婚約者の気持ちが離れた原因にも思い至るのね。



「夜が暗いとはかぎらない」
息子は仕事を辞めてしまっているが、
アルバイトをしているのか生活費は入れてくれる。
しかし夫が亡くなってから息子との接し方に戸惑い、
距離ができてしまった花屋に勤める女性。

その女性の近所に住む若いママは自身の親の呪縛から、子育てに悩み疲れている。
娘が通う園の運動会で保護者のサエキさんと話すうち、
彼女の気持ちが少しずつ変わってくる。

成績優秀な姉とその娘は母(祖母)の自慢であり、その期待に潰されそうだ。
叔母は女に生まれたことで祖父母に顧みられず疎んじられつつも、
今は何にとらわれることなく自由に生きている。

少し寂れた暁町の商店街を舞台に商店に勤める人、
またはその友人知人が関わりつつ、
それぞれを主人公にして語らせていく。
オムニバス形式と言うんでしたっけね。
そして一話目の母と息子が最終話で言葉を交わし理解し合うことに繋がっていくのね。

大事な事は言葉にしなくちゃ伝わらない。
ずいぶん昔に聞いたこと。
「元は他人の夫婦なんだから黙っていては伝わらない。だから言葉で伝えなくちゃ。話しあうことにお金は要らないから。」って。
オカンは無駄口はたたけるけど、肝心なことには口が重たいだよね。
それに一人で話しても応えがなければ会話にはならん。
だからオカンは手紙で伝えていました(過去形🤭)