「出絞(でしぼ)と花かんざし」佐伯泰英著

京北山の北山杉の里・雲ヶ畑(くもがばた)で、六歳のかえでは母を知らず、父の岩男、犬のヤマと共に暮らしていた。

京北山の北山杉の里・雲ヶ畑(くもがばた)で、六歳のかえでは母を知らず、父の岩男、犬のヤマと共に暮らしていた。
従兄の萬吉に連れられ、京見峠(きょうみとうげ)へ遠出したかえでは、ある人物と運命的な出会いを果たす。
京に出たい ───芽生えたその思いが、かえでの生き方を変えていく。
母のこと、将来のことに悩みながら、道を切り拓いていく少女を待つものとは。
光あふれる、爽やかな物語。
幼くても芯の通った真っ直ぐな二人の成長は、下世話なオババだって応援したくなる。
佐伯泰英は「酔いどれ小籐次」のシリーズが面白くて夢中で読んだな。