つれづれすけっち

ワタシらしく。 ワタシなりに。

「ロープ」観劇記

2007-01-26 20:07:47 | 感激!観劇!
1月18日 19時開演 シアターコクーン

「私はだれでしょう」が延期になった後、代わりに何か観たい!と思い、
調べていてこの作品と出会いました。
何とかチケットは手に入れましたが、当日は立ち見が出るほどの大人気!
さすが東京!さすがNODA MAP!

テンポが良くって、笑いもありながら、メッセージ性に溢れた
とても充実した内容でした。
野田さんの作品って言葉遊びが駆使されて、難解なイメージがあるのだが
今回は至ってストレート。でも観ていくうちに、いつのまにか
深い世界に飛躍していて、舞台にはおぞましい光景が広がり、
そして役者の口からは聞くのも恐ろしい言葉が。

単語や文として捉えると恐ろしい言葉なのだが、
それがプロレスの実況中継のような語り口調に乗ると
それほど残虐さを感じさせないところが、これまた恐い・・・

「無茶とはあったことをなかったことにすること」
「力とは人間を死体に変える能力のこと」
この言葉がとても印象的でした。「ロープ」という作品の根底に流れる
テーマ?!のように思えました。

プロレスの八百長、
視聴率欲しさに過激なネタに走るテレビ局、
過去の戦争、
あったことをなかったことに、
影で全てを操る「ユダヤ人の社長」
この一見脈絡のない単語が、「ロープ」というパズルのピース。
観客は観ていくにつれて、このピースがカチカチとはまっていくのを感じる。
そして、だんだんとそのパズルの意味するものが浮かび上がってくる。
それをはっきりと理解すると、背筋がゾッと寒くなりました。
これが野田さんの意図するところなんだと。
すごいです。野田さん・・・

こんな作品では眠くなんてなるはずないですね。

キャストもとっても良かった。
特に宮沢りえさん。いい俳優さんになりました。
やりすぎず、かといってあっさりというわけでもない、いい塩梅の演技でした。
自分をコロボックルだと思い込んでいるタマシイ役を好演。

藤原竜也さんも、蜷川作品のように王子様的な感じではなく、
他のキャストに溶け込んでいて、今までで一番良かったと思いました。

今、お土産で買ってきた戯曲を読んでます。
台詞の一つ一つがとても印象的で、読み直すとさらに味わいが
出てくる気がします。

観に行って、本当に良かった!

最新の画像もっと見る