「蛮幽鬼」観劇記つづきです。
その2では、舞台全般に関しての感想を。
新感線はキャスト、セットともに豪華なのが常ですが、
今回は映像をかなり用いていた点が印象的でした。
1回目の東京公演では、正直なところ「映像に頼りすぎでは?」という感が否めませんでした。
確かに、壮大なストーリーであるため、話の基本になる説明は
映像を使ったほうが分かりやすく、観客もすんなり作品の世界に入り込めますが
せっかくの生「舞台」なのに、生の魅力を放棄しているのでは?!と思ったのです。
それと、土門が囚われている監獄島に関する描写も
映像に頼っていたところが多いなと思いました。
映像を使わなくても、誰も生きて帰ることのできない絶海の孤島であることを
表現できる手段はあると思うのですが、それを簡単に映像で補っていないか?と。
かなり批判的意見ですね。
しかし2回目に観たときは、不思議と1回目に感じた印象は薄れ、
映像を使うタイミングが巧いな、と感じました。何なのでしょうか・・・この感想の変化は。
セットに関して。
監獄島のセットは、ちょっといただけないかなぁ。
最初に見たとき、「何?これ!?」と思ってしまいました。
黒いビニールと白いビニールを枠に絡ませて岩を表現しているのかな、と思いましたが
やっつけ仕事のセットみたいで雰囲気が出ない、と私は思いました。
またまた辛口批評ですが。
特に近めの座席だった1回目、東京公演時にそう感じました。
普通の岩のセットを作ったほうがリアルだったのではないでしょうか?
回り舞台をうまく使っていたのはよかったと思います。
あ、そうそう。東京公演のときは、セットがぐらついていた気がしたのですが・・・
上川さんがセットを叩いた(?だったかな)時にセットが少し揺れました(汗)
ストーリーは「モンテ・クリスト伯(岩窟王)」をモチーフにしており、
エドモン・ダンテス=伊達土門なんですね。
こうやって並べて書くと、なるほど!ベタですね。
パンフレットによると、
「エドモン・ダンテスは幽閉された島で高潔な人物と出会ったのだが、
では、もしそこにいたのがレクター博士のような人物だったらどうなっていたか」
という設定なのだそうです。
面白い点に着眼されましたね。唸ってしまいました。
言うまでもなく、レクター博士=サジなのです。
終盤に近づくにつれて、登場人物がどんどん死んでいく様や
蔵人や美古都大王が叫ぶラストは、
シェイクスピア悲劇を彷彿とさせるところがありましたし、
ラストでは現在私達に伝わっている史実の裏側(真実)って
実はこんなことになっていたのかも、と感じました。
あと、この作品のキーワードの一つとして
「名前」が挙げられるのではないか?と感じました。
まず、客席に入ると投影されているタイトルは「蛮勇記」。
東京公演で客席に入ったとき、ビックリしました。誤植?!って(苦笑)
その後「蛮憂記」となります。監獄島に投獄されてのことでしょうか。
そして、「蛮幽鬼」とタイトルが変遷している。
それに、サジには名前がない点もポイントかなと。
土門がサジに名前を聞いた時、恐ろしい形相になりましたよね。
同族の刀衣でさえ「楼蘭の悪魔」と呼ばれていることしか知らない。
そして名前のないサジは、土門達のことを名前で呼んだことがない、という台詞があります。
土門は飛頭蛮と名前を変え、復讐の鬼と化し、
果てはサジの行った悪行までもまとめて飛頭蛮の仕業とされ、
「国家の大逆賊」に仕立て上げられる。
名前を持たないサジは殺人マシーンと化し、己の欲望の道を突き進む。
美古都は大王となり、この国を背負っていく決意をする。
う~ん。
そして、果てしない復讐の渦。
復讐は、さらなる復讐を生むだけで何の解決にもならない。
このストーリーで、この渦を断ち切ったものは一体なんだったのか?
とても深いテーマですが、
重要な渦の断ち切り方、というかそこに至るまでの過程が立ち回りにかき消され、
あっさり描かれてしまっていた気がします。
サジにはもっと、本音を語ってほしかったですね。
そうなると、ベタ過ぎますか?
その2では、舞台全般に関しての感想を。
新感線はキャスト、セットともに豪華なのが常ですが、
今回は映像をかなり用いていた点が印象的でした。
1回目の東京公演では、正直なところ「映像に頼りすぎでは?」という感が否めませんでした。
確かに、壮大なストーリーであるため、話の基本になる説明は
映像を使ったほうが分かりやすく、観客もすんなり作品の世界に入り込めますが
せっかくの生「舞台」なのに、生の魅力を放棄しているのでは?!と思ったのです。
それと、土門が囚われている監獄島に関する描写も
映像に頼っていたところが多いなと思いました。
映像を使わなくても、誰も生きて帰ることのできない絶海の孤島であることを
表現できる手段はあると思うのですが、それを簡単に映像で補っていないか?と。
かなり批判的意見ですね。
しかし2回目に観たときは、不思議と1回目に感じた印象は薄れ、
映像を使うタイミングが巧いな、と感じました。何なのでしょうか・・・この感想の変化は。
セットに関して。
監獄島のセットは、ちょっといただけないかなぁ。
最初に見たとき、「何?これ!?」と思ってしまいました。
黒いビニールと白いビニールを枠に絡ませて岩を表現しているのかな、と思いましたが
やっつけ仕事のセットみたいで雰囲気が出ない、と私は思いました。
またまた辛口批評ですが。
特に近めの座席だった1回目、東京公演時にそう感じました。
普通の岩のセットを作ったほうがリアルだったのではないでしょうか?
回り舞台をうまく使っていたのはよかったと思います。
あ、そうそう。東京公演のときは、セットがぐらついていた気がしたのですが・・・
上川さんがセットを叩いた(?だったかな)時にセットが少し揺れました(汗)
ストーリーは「モンテ・クリスト伯(岩窟王)」をモチーフにしており、
エドモン・ダンテス=伊達土門なんですね。
こうやって並べて書くと、なるほど!ベタですね。
パンフレットによると、
「エドモン・ダンテスは幽閉された島で高潔な人物と出会ったのだが、
では、もしそこにいたのがレクター博士のような人物だったらどうなっていたか」
という設定なのだそうです。
面白い点に着眼されましたね。唸ってしまいました。
言うまでもなく、レクター博士=サジなのです。
終盤に近づくにつれて、登場人物がどんどん死んでいく様や
蔵人や美古都大王が叫ぶラストは、
シェイクスピア悲劇を彷彿とさせるところがありましたし、
ラストでは現在私達に伝わっている史実の裏側(真実)って
実はこんなことになっていたのかも、と感じました。
あと、この作品のキーワードの一つとして
「名前」が挙げられるのではないか?と感じました。
まず、客席に入ると投影されているタイトルは「蛮勇記」。
東京公演で客席に入ったとき、ビックリしました。誤植?!って(苦笑)
その後「蛮憂記」となります。監獄島に投獄されてのことでしょうか。
そして、「蛮幽鬼」とタイトルが変遷している。
それに、サジには名前がない点もポイントかなと。
土門がサジに名前を聞いた時、恐ろしい形相になりましたよね。
同族の刀衣でさえ「楼蘭の悪魔」と呼ばれていることしか知らない。
そして名前のないサジは、土門達のことを名前で呼んだことがない、という台詞があります。
土門は飛頭蛮と名前を変え、復讐の鬼と化し、
果てはサジの行った悪行までもまとめて飛頭蛮の仕業とされ、
「国家の大逆賊」に仕立て上げられる。
名前を持たないサジは殺人マシーンと化し、己の欲望の道を突き進む。
美古都は大王となり、この国を背負っていく決意をする。
う~ん。
そして、果てしない復讐の渦。
復讐は、さらなる復讐を生むだけで何の解決にもならない。
このストーリーで、この渦を断ち切ったものは一体なんだったのか?
とても深いテーマですが、
重要な渦の断ち切り方、というかそこに至るまでの過程が立ち回りにかき消され、
あっさり描かれてしまっていた気がします。
サジにはもっと、本音を語ってほしかったですね。
そうなると、ベタ過ぎますか?
ダラダラと長いばかりの観劇記を読んでくださり、ありがとうございます!
表現力なんて・・・全然ないので、あまり誉めないでください(恥)
あむねさんの的確で表現豊かな文章の足元にも及びません。
ただ、感じたことを思いっきりブログにぶつけたまでなのですが、
本音を言うと、もうちょっと書きたかったなぁ、と。
今回は「蛮幽鬼」を取り巻く色んなことが気になるんです。
それだけ、この作品に惹かれているということなのでしょうか?
さすが、あむねさん!堺さんの細かいところまで逃さず見られてますね~。
一日も早いDVD化を待つばかりです。
・・・と言っても、まだ大阪公演中でした(汗)
私のブログへ遊びに来ていただき、ありがとうございます!!
コメントいただけて、とっても嬉しいです!
誉められるのには慣れていないので、何とも恥ずかしいですが
観劇記に共感いただけるのは、書いているほうとしても
思いを共有できたようで嬉しいものですね。
ぱぴさんは、エキストラ(南極料理人ですか?)や
舞台挨拶など色々と足を運んでおられるんですね!
すごいです!
そして「蛮幽鬼」大阪公演を含めると計7回ですか(驚)
うらやましい限りです・・・
大阪公演も後半戦になってきました。
私の分まで堺さんにエールを送ってきてください!
また遊びにいらしてくださいね。
コメントお待ちしています♪
mocoさん、≪蛮幽鬼≫の感想1&2
食い入るように読ませてもらいました。
スゴイな~深い所までよまれての感想は
、共感するところが、いっぱいあって
私には、とても真似できない、表現力☆で
、舞台の記憶が蘇り…感動しています。
特に堺さんの演技…怖かった所ありましたよね
ラストの方では、土門と剣を交えるように
なってきた時、自分の過去の事や、
土門を罠にハメた事を語りながら、もう
顔が時々、真顔になってる時が
あったんですよ。その時の眼をむいたような
怖い表情といったら…ほんの一瞬を、チラチラ
と垣間見せ……堺さん、スゴ過ぎる~!
と、思いましたもん!(不気味でした)
タイトルの文字の変化も、めっちゃ
意味深でしたよね。
蛮勇記→蛮憂記→蛮幽鬼 の変化。
この物語の内容や、人物にあてはめてみたり
色々と想像できて…これも
なかなか、意味深…ですよね。
橋本じゅんさんのコール&レスポンスは
、笑って一息効果☆絶大ですよね!
この物語って、相当暗くて、残酷ですもん
この笑いで、一息つけたのは
貴重な癒しタイム♪かと…
なにはともあれ、良い舞台でした。
上川さんは、やっぱりスゴイ俳優さんですね。
大好きなSHIROH を
いつも、思い出してしまいます。
ステキな感想をありがとうございました。
申し訳ありませんでした
いつも楽しく拝見させて頂いています。
私も堺さんの大ファンで、今まで映画のエキストラに参加したり、舞台挨拶に行ったりしてお姿を拝見したことはあったのですが、舞台は初めてなので、この蛮幽鬼はとても楽しみにしていました
そして一度見てすっかりサジに魅了され(笑)、東京公演は当日券も含め5回程足を運んでしまい、さらに大阪へも来週参戦する予定です(汗)
micoさんの観劇記、とても深いところまで分析していらっしゃって素晴らしいですね!
共感できるところが沢山あり、嬉しかったです
堺さんのサジが本当に良かった分、私もやはり欲を言えば最後には本音を聞いて見たかったなあという思いが観劇後残りました。
大阪では千秋楽も含め2回参加する予定です。頑張ってる堺さんにエールを送ってきたいと思います