(1954/溝口健二:監督/長谷川一夫、香川京子、南田洋子、進藤英太郎、小沢榮太郎、 浪花千栄子、十朱久雄/102分)
今週は、今年、忙しかったり感想がまとまらなかったりして、記事にしてなかった作品について書いてみようと思います。思い出しながらなので、当然短く纏めております。
最初は、黒澤監督等と並ぶ、世界の溝口の作品です。NHK-BSで観ました。
豪商の若妻が店の若い者と旅をするうちに二人はできているとの噂がたち、お互いに憎からず思っていた当人達を本気にさせる。しかし、いたわり合いながらの逃避行の果てに捕まり、不義密通の罪で死罪になるという悲恋物語。
雰囲気充分な画(撮影:宮川一夫)と、入念に練られたカメラワークによる深い心理描写で目が離せない秀作。その気も、そのつもりも無かった二人が、成り行きに押されるように逃避行に入っていく様が見事に破綻なく描かれていました。
映画を観るのと前後して、香川京子さんのインタビュー番組をTVで見たのですが、溝口監督は演技指導をあまりしない人だったらしく、自分(監督のこと)が納得できない(つまり、気に入らない)演技に対しては、『違う。もう一度。』という風に何回もやり直しをさせられたと語っていました。どこが、どう違うのか仰らないので大変苦労したと。そして、歌舞伎出身の長谷川一夫さんとの共演は非常に勉強になったとも語ってました。
今週は、今年、忙しかったり感想がまとまらなかったりして、記事にしてなかった作品について書いてみようと思います。思い出しながらなので、当然短く纏めております。
最初は、黒澤監督等と並ぶ、世界の溝口の作品です。NHK-BSで観ました。
豪商の若妻が店の若い者と旅をするうちに二人はできているとの噂がたち、お互いに憎からず思っていた当人達を本気にさせる。しかし、いたわり合いながらの逃避行の果てに捕まり、不義密通の罪で死罪になるという悲恋物語。
雰囲気充分な画(撮影:宮川一夫)と、入念に練られたカメラワークによる深い心理描写で目が離せない秀作。その気も、そのつもりも無かった二人が、成り行きに押されるように逃避行に入っていく様が見事に破綻なく描かれていました。
映画を観るのと前後して、香川京子さんのインタビュー番組をTVで見たのですが、溝口監督は演技指導をあまりしない人だったらしく、自分(監督のこと)が納得できない(つまり、気に入らない)演技に対しては、『違う。もう一度。』という風に何回もやり直しをさせられたと語っていました。どこが、どう違うのか仰らないので大変苦労したと。そして、歌舞伎出身の長谷川一夫さんとの共演は非常に勉強になったとも語ってました。
・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】
五つ★とは思えぬ短評で申し訳ないです。
アスカパパさんはこれをリアルアイムでご覧になった方ですからね。
他の作品で、当時に書かれた文章も残されていまして、いろいろと勉強になりますよん。
現在見られる溝口の大半は観ておりますが、一番好きですね。
幽玄な映像美の「雨月物語」も素晴らしいですが、谷崎潤一郎的な色気もあり、封建時代の矛盾への指摘もある本作が一番好きですね。
アスカパパさんのところにもTBしてみました。映画鑑賞の大先輩すぎてちょっと気遅れしていたので、今回が初めてなわけです。
懐かしい俳優さん達が、立派な演技をされているのも嬉しかったです。
しかしながら、この映画はその後も数回観ていますが、溝口監督の重厚な演出と宮川一夫の撮影が本当に非の打ち所がなく、素晴らしい出来映えだと思います。
十瑠さんのようなお若い方に絶賛されて、私も嬉しい思いがします。