(2002/アンディ・テナント監督/リース・ウィザースプーン、ジョシュ・ルーカス、パトリック・デンプシー、キャンディス・バーゲン、メアリー・ケイ・プレイス、フレッド・ウォード、ダコタ・ファニング/109分)
“テキサス魂”、“ケンタッキー魂”、“オレゴン魂”なんて言葉を聞いたことがあるような気がしますが、“アラバマ魂”というのもあるのでしょうか。“アラバマ気質”はあるような気がしますね。
誇り高く、金や地位には動かされない。そんなものよりも、家族や友情を大事にする。そんなところでしょうか。
いきなり何を言い出すかと思われたかも知れませんが、この映画、原題が【Sweet Home Alabama】。「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のリース・ウィザースプーン主演ということで、当時ラブ・コメ女王になりつつあった彼女だから都会派の粋な映画だと思っていたら、実は故郷(アラバマ)賛歌とでもいうべき人情ラブロマンスでありました。
アラバマからNYへ出てきて7年。新進服飾デザイナーとして売り出し中のメラニーは、恋人ともゴールインが間近に迫っている。その彼は、時のNY女性市長の息子アンドリューで、メラニーのショーが好評を博した夜、ついに彼は彼女にプロポーズをする。7年間故郷に帰っていないメラニーは、両親に私から話すまで婚約のことは公表しないでとアンドリューに頼み、一人アラバマに向かう。彼女のアラバマ行きには両親への報告以外にも目的があった。そして、それはアンドリューにも言えないことだった・・・。
どういうことかと言うと、実はメラニーは高校を卒業した後幼なじみのボーイフレンド、ジェイクと勢いで結婚したのだが、向上心旺盛なメラニーは夢のない夫に愛想を尽かし、NYへ出て来ていたのだ。その後、何度も離婚届けにサインをくれるよう働きかけていたのだが、ジェイクは応じてくれない。アンドリューのプロポーズを受けるのに、どうしてもこの事を片付けなければいけない。その為にアラバマへ向かったのだ。
▼(ネタバレ注意)
大都会NYで仕事とプライベートで勢いに乗り、ちょっと鼻が高くなっているメラニーは、ジェイクとの話し合いが上手くいかないこともあり、かつての友人達に辛辣な言葉を投げたりする。そんなメラニーを見てジェイクはついに離婚届にサインをするが、アンドリューとの件を嗅ぎつけてやって来たマスコミにメラニーの嘘(NYでは彼女は南部の名家の出身と称している)がばれそうになるのを友人が救ってくれたりして、段々と故郷の人情が身に染みるようになる。更にはジェイクが自分を追ってNYに来たこともあるという話を聞き、彼の気持ちも理解しようとしていく。
ところが、この辺りからは今度はジェイクがメラニーによそよそしくなる。男は未練がましくしない、というのもアラバマ気質なのかも知れないが・・・。
NYで頑張っているメラニーを見てジェイクもガラス工芸に活路を見いだし、今では店を構えて繁盛している。この事は終盤でメラニーにもばれ彼女は惚れ直すが、やはりジェイクはよそよそしい。
こっそりアラバマにやってきたアンドリューにメラニーの嘘がばれたりして話はこの後も2転3転していくが、これは「或る夜の出来事」に代表されるハッピーエンドに向かっているのが見え見えで、段々と主人公達に共感できなくなってくる。
終盤で強引に悪役に回されたアンドリューの母親に同情心も湧いてくるし、大団円のラストもそれ程後味のいいものではありませんでしたな。
▲(解除)
原作本があるようですが、人物の心情が分かって多分映画よりそちらの方が面白いでしょう。
アンディ・テナント監督の作品を観るのは初めてです。語り口は澱みがなくて、本次第ではハーバート・ロスやロブ・ライナーくらいの佳作は出来そうですな。この後の作品がウィル・スミス主演の「最後の恋のはじめ方(2005)」ということですが、ラブ・コメ専門にならなきゃいいですがね。
嬉しいサプライズは、アンドリューの母親、NY市長役のキャンディス・バーゲンとの再会。
一体何十年ぶりでしょうか。フィルモグラフィーを見てみると「ガンジー(1982)」以来のようです。
キャリア・ウーマン風の容姿に、最初はダイアン・キートンによく似たオバさんだなぁと思っていましたが、よ~く見ると、キートンよりアクの少ないキャンディスだと気付きました(笑)。
“テキサス魂”、“ケンタッキー魂”、“オレゴン魂”なんて言葉を聞いたことがあるような気がしますが、“アラバマ魂”というのもあるのでしょうか。“アラバマ気質”はあるような気がしますね。
誇り高く、金や地位には動かされない。そんなものよりも、家族や友情を大事にする。そんなところでしょうか。
いきなり何を言い出すかと思われたかも知れませんが、この映画、原題が【Sweet Home Alabama】。「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のリース・ウィザースプーン主演ということで、当時ラブ・コメ女王になりつつあった彼女だから都会派の粋な映画だと思っていたら、実は故郷(アラバマ)賛歌とでもいうべき人情ラブロマンスでありました。
アラバマからNYへ出てきて7年。新進服飾デザイナーとして売り出し中のメラニーは、恋人ともゴールインが間近に迫っている。その彼は、時のNY女性市長の息子アンドリューで、メラニーのショーが好評を博した夜、ついに彼は彼女にプロポーズをする。7年間故郷に帰っていないメラニーは、両親に私から話すまで婚約のことは公表しないでとアンドリューに頼み、一人アラバマに向かう。彼女のアラバマ行きには両親への報告以外にも目的があった。そして、それはアンドリューにも言えないことだった・・・。
どういうことかと言うと、実はメラニーは高校を卒業した後幼なじみのボーイフレンド、ジェイクと勢いで結婚したのだが、向上心旺盛なメラニーは夢のない夫に愛想を尽かし、NYへ出て来ていたのだ。その後、何度も離婚届けにサインをくれるよう働きかけていたのだが、ジェイクは応じてくれない。アンドリューのプロポーズを受けるのに、どうしてもこの事を片付けなければいけない。その為にアラバマへ向かったのだ。
▼(ネタバレ注意)
大都会NYで仕事とプライベートで勢いに乗り、ちょっと鼻が高くなっているメラニーは、ジェイクとの話し合いが上手くいかないこともあり、かつての友人達に辛辣な言葉を投げたりする。そんなメラニーを見てジェイクはついに離婚届にサインをするが、アンドリューとの件を嗅ぎつけてやって来たマスコミにメラニーの嘘(NYでは彼女は南部の名家の出身と称している)がばれそうになるのを友人が救ってくれたりして、段々と故郷の人情が身に染みるようになる。更にはジェイクが自分を追ってNYに来たこともあるという話を聞き、彼の気持ちも理解しようとしていく。
ところが、この辺りからは今度はジェイクがメラニーによそよそしくなる。男は未練がましくしない、というのもアラバマ気質なのかも知れないが・・・。
NYで頑張っているメラニーを見てジェイクもガラス工芸に活路を見いだし、今では店を構えて繁盛している。この事は終盤でメラニーにもばれ彼女は惚れ直すが、やはりジェイクはよそよそしい。
こっそりアラバマにやってきたアンドリューにメラニーの嘘がばれたりして話はこの後も2転3転していくが、これは「或る夜の出来事」に代表されるハッピーエンドに向かっているのが見え見えで、段々と主人公達に共感できなくなってくる。
終盤で強引に悪役に回されたアンドリューの母親に同情心も湧いてくるし、大団円のラストもそれ程後味のいいものではありませんでしたな。
▲(解除)
原作本があるようですが、人物の心情が分かって多分映画よりそちらの方が面白いでしょう。
アンディ・テナント監督の作品を観るのは初めてです。語り口は澱みがなくて、本次第ではハーバート・ロスやロブ・ライナーくらいの佳作は出来そうですな。この後の作品がウィル・スミス主演の「最後の恋のはじめ方(2005)」ということですが、ラブ・コメ専門にならなきゃいいですがね。
嬉しいサプライズは、アンドリューの母親、NY市長役のキャンディス・バーゲンとの再会。
一体何十年ぶりでしょうか。フィルモグラフィーを見てみると「ガンジー(1982)」以来のようです。
キャリア・ウーマン風の容姿に、最初はダイアン・キートンによく似たオバさんだなぁと思っていましたが、よ~く見ると、キートンよりアクの少ないキャンディスだと気付きました(笑)。
・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】
「ワーキング・ガール」のS・ウィーバーくらいの若さの時に悪女役をやれば面白いのにねぇ。