ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

映画「サウンド・オブ・ミュージック」を再び観る

2023年10月15日 | 映画

映画「サウンド・オブ・ミュージック」が観たくなったのでYouTubeで見直した。だいぶ昔に観た記憶がある。1965年、米、監督ロバート・ワイズ、原題The Sound of Music。元々、ブロードウェイミュージカルだったものを「ウエスト・サイド物語」のロバート・ワイズ監督により映画化したもの。YouTubeで無料で見れるとは有難いことだ。

古い映画ファンなら誰でもこの映画を知っているだろう。ジュリー・アンドリュース主演のミュージカルだ。今までいくつかのミュージカルを観てきたが、この映画とオードリ・ヘップバーン主演の「マイフェアレディー」が一番好きだ。どちらも最高だ。「マイフェアレディー」はサウンドトラックも持っていて、子供が小さい頃自動車に乗せて良く聞かせたものだ。

今回改めてこの「サウンド・オブ・ミュージック」を観て、イメージがかつて観た記憶とほぼ一致しており、一回観ただけでそれだけ強烈な印象を残す映画だと思った。

1938年、オーストリア・ザルツブルグ。古風で厳格な教育方針のトラップ家に家庭教師としてやってきた修道女マリア、子どもたちに音楽や歌うことの素晴らしさを伝えていくうちに子供たちから好かれるようになり、やがて妻に先立たれた父親のトラップ大佐と惹かれ合うようになり、紆余曲折の末、二人は結ばれるが、時はナチスによるオーストリア併合の時代になり、トラップ大佐はナチの支配下に置かれることを拒否し、家族で出演したザルツブルグ音楽祭の演奏の後、隣国に逃亡を図る。

「ドレミの歌」、「エーデルワイス」など劇中で歌われる名曲の数々は誰でも知っているだろう。舞台がモーツアルトの誕生地ザルツブルグであることもうれしい、映画の冒頭にマリアが歩く高原の景色、物語中に描かれるザルツブルグの街並み、最後に山越えの逃亡を図り、頂上に達したときに見える眺望、どれもこれも素晴らしい。

ウィキを読むと、この映画のトラップ大佐は実在の人物でストーリーも実話らしいが、基本的なストーリー以外はだいぶ事実とは違った形で映画になっているという点で、トラップ家はショックを受けた。また、映画の主題が「ドイツによるオーストリア併合に抵抗するオーストリア人」というものだが、実際にはヒトラー自身がオーストリア人であったことをはじめ、併合に積極的に加担したオーストリア人が多かった。その史実を暗に糾弾し国民感情を逆撫でするこの映画はオートリアでは上演はタブーに近い扱いだったらしい。ドイツとオーストリアではマイフェアレディーの方が人気が高いとされている。

いろいろあるだろうが、良い映画であることは確かだと思う。


映画「沈黙の艦隊」を観る

2023年10月14日 | 映画

公開中の映画「沈黙の艦隊」を観てきた。2023、監督吉野耕平。シニア料金1,300円だったか。観客は15名くらいか、シニアが多かった。

この映画は1988~96年に講談社の週刊漫画誌「モーニング」にて連載された、かわぐちかいじのコミック「沈黙の艦隊」を映画化したもの。日頃コミックやアニメにはほとんど縁が無いので、この作品は全く知らなかったが結構人気がある作品らしい。

日本近海で、海上自衛隊の潜水艦がアメリカ原子力潜水艦に衝突して沈没する事故が発生。全乗員76名が死亡したと報道されたが、実は全員が生存しており、衝突事故は日米が極秘裏に建造した日本初の原子力潜水艦「シーバット」に彼らを乗務させるための偽装工作だった。しかし艦長の海江田四郎(大沢たかお)はアメリカをも欺し、シーバットに核ミサイルを積み、アメリカの指揮下を離れて深海へと消えてしまう。海江田をテロリストと認定し撃沈を図るアメリカと、同じくこれを捕獲するべく追う海自のディーゼル艦「たつなみ」、その艦長である深町洋(玉木宏)。やがて海江田は「シーバット」を独立国家「大和」と宣言する。

映画を観た感想を書いてみたい

  • まず、この映画の終わり方が中途半端で、物足りない。続編があるのだろうと思うが、その説明がどこにも出てこないのはおかしくないか。
  • 映画を観る限り、偽造工作により日本の潜水艦が米原子力潜水艦に衝突するとか、「シーバット」を支配した海江田が独立国家を宣言するなど、余りに非現実的な設定であり、観る観客が「こういうこともあり得るな」とは思わないのではないか。
  • このような状況に接して、日本政府はあたふたとして何もできないことが描かれているが、既視感がある。「シン・ゴジラ」で見た光景だ。「シン・ゴジラ」の方がこの映画以上にあり得ない状況設定だが、政府の右往左往ぶりは「有り得るな」と強く感じさせた。しかし、この映画ではその辺の描き方がイマイチな気がする。

原作を読んでいないのでこの物語の本当の良さは分からないが、続編に期待したい。


藝大オペラ定期公演「コシ・ファン・トゥッテ」再考

2023年10月13日 | オペラ・バレエ

先日投稿した藝大オペラ定期公演「コシ・ファン・トゥッテ」の末尾に次の通り書いた。

「通常は浮気をするのは殿様など男性陣と決まっているが、このオペラでは女性の方が浮気してそれがバレて男性がそれを許す、というものだ。フィガロの結婚でも召使いのスザンナに手を出すのは伯爵で、それを最後に許すのは伯爵夫人だ。こんなストーリーは当時のご婦人達から非難の声は上がらなかったのだろうか。」

公演鑑賞後に、一度読んだことがあった三宅新三著「モーツアルトとオペラの政治学」(青弓社)の第5章「コシ・ファン・トッテ」にこのことに関連した考察が記載されていることに気付き、読み直してみた。そして、氏による詳細な考察から学んだところを書いてみたい。

  • 貴族封建社会では家の継承と繁栄にふさわしい結婚がなされ、愛と結婚は分離していたが、市民社会(ブルジョア社会)では愛と結婚の一致がみられ、お互いの誠実さや貞操概念が規範とされるようになった。
  • その点でこのオペラはウイーンの貴族たちには好意的に受け止められたとしても不思議ではないが、19世紀になると、このオペラの道徳的ないかがわしさに批判が起こった。すなわち、女性の貞節を嘲笑するようなこのオペラの主題は市民社会では到底許容できない。19世紀になりベートーベンやワーグナーも批判した。
  • 2組のカップルは貴族社会のしきたりで選ばれたのかもしれない、例えば、オペラの声の高さと配役で言えば、テノールの婚約者にはソプラノ、バリトンの婚約者にはメゾ・ソプラノがふさわしいが、実際には逆になっているので、それを暗示しているのかもしれない。
  • しかし、あらかじめ定められた相手を受け入れる点では貴族社会的だが、結婚を通して新たに夫婦の愛を構築しようとしている点では既に市民社会的である。その意味で彼ら4人は時代の過渡期を生きる人々でもある。
  • このオペラでは人間の情熱や本能(エロス)の力が、理性よりもいかに強大であるかを教えている。幕切れで本来礼賛されるべきは理性ではなく、混沌たるエロスであり、全員による最後の歌は理性への皮肉にしか聞えない。
  • モーツアルトやダ・ポンテはどちらの愛も非難しているわけではなく、また、どちらの愛が正しいとも言ってない。R・シュトラウスは繊細な皮肉、滑稽かつ莊重な、パロディー的かつ感傷的な様式をこのオペラに見た。

オペラ作品一つ理解するにも簡単ではないことがわかった。


吉祥寺「SCRATCH」に入る

2023年10月12日 | カフェ・喫茶店

吉祥寺に来たので、喫茶店に入って少し休むことにした。どこにしようか迷い、久しぶりに「SCRATCH」に行ってみようと思った。何回か来たことがある。結構昔からやっているジャズ喫茶だ。

階段を上がり、2階が店。入ってみると先客が何名かいたが十分に座る余裕があるので、窓際の席に腰かけた。壁にはジャズのLPのジャケットが何枚か掛けてある。4人掛けの座席と、一人客用の大きめのテーブル席があった。

メニューを見るとコーヒー800円となっており、高いな、と思ったが、音楽喫茶はこんなもんだろう。ケーキセットにすると1,000円とあるのでケーキセットにした。

ジャズ喫茶と言ってもジャズ好きだけがが来ているわけではないようだ。女性客は結構おしゃべりをしているのでジャズが聴きたいようにも見えない。本当のジャズファンとしては不満があるかもしれない。音量もそれほど大きくない。いわゆるジャズ喫茶と普通の喫茶店との中間であろう。

コーヒーを飲みながらケーキを食べ、30分ちょっとくつろいだ。コーヒーは酸味のない私の好きな味のコーヒーだったし、ケーキもうまかった。店内の雰囲気は悪く無いと思った。1時間くらいは居れる雰囲気はある。来たときいた客はみなまだ出て行ってなかった。

あえて苦言を呈すると、禁煙にしてほしい、コーヒーはう少し大きいカップに入れてほしい、支払は電子マネーを導入してほしい、と言ったところか。

ご馳走様でした。


吉祥寺の「ステーキ屋松」でランチ

2023年10月11日 | グルメ

吉祥寺で昼食をとることになったので、前から一度入ってみたいと思っていた「ステーキ屋松」に入ってみた。この店は牛丼の松屋が経営しているブランドで、安いステーキを食べさせる店みたいだ。いきなりステーキなどの安売りステーキ店が一時流行ったが、最近は余り目立たなくなったが、そんな中で同じような店をあえて出した松屋の戦略は何なんだろうか。

店に入ると外にある自販機で食券を買ってくれと言われ、一番最初の画面に大きく出てきた「チャックステーキ150グラム」、スープ・サラダ付き1,300円を選んだ。店内は数名の先客がいた。ここは着席方式だ。

チャックステーキというのは牛の肩ロース肉だ。

ここの特徴は、ステーキはレアの状態で250度の高温に熱した溶岩石の上に乗っかって提供され、自分の好みに応じてミディアムにしたりウェルダンにしたりして食べると言うところだ。私はいつもの通りウエルダンまで良く焼いて食べた。ステーキソースが3種類用意してあり、ソース皿に2種類選んで、それをつけて食べる。確かオニオンとガーリックと選んだ。

ステーキを食べてみると、適度に脂身もあり、柔らかく、おいしかった。ライスはおかわり自由なので若者がターゲットかもしれない。150グラム以外に300グラム2,100円もあったが、そっちでも良かったかなと感じた。安いステーキはちゃんとした肉を使っているのか心配になるが、松屋は牛丼屋であり、肉の仕入れにはノウハウもあり、最近はトレーサビリディーにも気を配る会社が多いので、しっかりしたところから仕入れているのだろうと思い、大丈夫だろうと考えた。

松屋は肉の専門家という自負があるのだろう、それで牛丼だけでなく、肉を使ったステーキやハンバーグにも自信があり、そこで十分勝負ができると思ったのだろうと想像する。ステーキ屋松はまだ店舗数は多くないようだ。客の入りを見てもまだブランドが浸透していない、そこが課題だろう。味は値段以上だと思ったのであとはマーケティング戦略でしょう。

おいしかった、ご馳走様でした。

 

 

 


上野の「黒田記念館」に行く

2023年10月10日 | 美術

先日藝大オペラ公演を観に行った際、時間があったので藝大の直ぐ近くにある「黒田記念館」に久しぶりに立ち寄ってみた。無料である。

黒田記念館は現在は国立博物館の管轄下に入っているが、元は画家の黒田清輝(1866-1924、57才没)の遺産と遺言(遺産を美術の奨励に役立てる)によって建てられたものである。

黒田清輝は慶応2年、薩摩藩士の子供として生まれ、東京外語学校を経てフランスに留学し法律を勉強していたが、パリで日本の画家や美術商と出会い、画家になること決意、ラファエル・コランに師事した。「読書」や「朝妝(ちょうしょう)」が展覧会で入賞し、1893年に帰朝、美術教育者として活躍を始める、印象派の影響を取り入れた外光派という作風を確立した。

その後、裸体像の1893年作「朝妝(ちょうしょう)」や1899年作「智・感・情」、1900年作「裸体婦人画像」などを国内の展覧会や博覧会に出品すると賛否両論の論争を巻き起こし、社会問題になった。当時の日本では裸体画は芸術ではなく猥褻物であるという認識があったためであろう。黒田の代表作である「智・感・情」と「湖畔」はともに1900年のパリ万国博覧会に出品されたが、博覧会で銀牌を得たのは裸体画である「智・感・情」の方だった。

1910年に帝室技芸員に選ばれ、1917年に子爵に、1920年貴族院議員になり栄達した。日本画壇の大御所と言えよう。

以前のこの記念館を訪問したとき、「智・感・情」を何回か観たことがあるが、今日は展示されていなかった。また、上に述べた「裸体婦人画像」は東京の静嘉堂@丸の内の所蔵であるが、公開された当時、警察によって咎められ、絵の下半分が布で覆われる「腰巻事件」となったことは今年静嘉堂文庫美術館を訪問してこの絵を初めて見たときのブログに記載した(こちらを参照)。

展示室は大きな部屋一室だけだが十分な作品が展示してあり、写真撮影もOKであった。オペラ鑑賞の前にゆっくりと日本の偉大な画家の作品を鑑賞できて有意義であった。


映画「007慰めの報酬」を観る

2023年10月09日 | 映画

テレビで映画「007慰めの報酬」を観た。2008年、米/英、監督マーク・フォースター、原題Quantum of Solace。この映画も以前観たことがあるが、内容はハッキリ覚えていないので再度観てみた。

ダニエル・クレイグが新しいボンドになってから2作目である。前作の「カジノ・ロワイヤル」が面白かったので期待した面もあった。

ストーリーは前作からの続きになっている。従って、前作を観ていないと理解できない。前作で最後にボンドが狙撃した黒幕ホワイトはドミニク・グリーンというさらに上の黒幕が属する組織の一部で、このグリーンがボリビアの失脚した元権力者メドラーノ将軍のクーデター計画を資金的に支援し、それと引き換えに石油や水の利権を獲得して一儲けすることを企み、そこにアメリカも絡む。それをボンドが闘って潰すというもの。

観た感想を結論から言うと、前作に比べるとかなり面白みがなかった。冒頭のアクション・シーンはおなじみのハードさで、ロケ地もイタリアのシエナやタラモーネ、ハイチ、ボリビアなどなかなか行けないところを使っているが、なぜか面白く感じなかった。

それはストーリーが複雑すぎるためではないか。そして、ハラハラ・ドキドキするような緊迫した場面があまりなかったこともある。アクション場面があったとしてもカーチェイスなどの普通のつまらないアクション映画並の内容となったからではないか。ボンドのかっこよさもイマイチであった。

1つだけ面白かったのは、舞台がオーストリアでグリーンや彼の利権に群がる関係者がプッチーニのオペラのトスカを鑑賞する場面があったことだ。そのオペラハウスが上の写真だが、これが本当のオペラハウスかどうかは私の知識では分からない。

ただ、鑑賞とは名ばかりで実は裏でそこに集まった関係者が最新のデバイスを使って交渉をするのだ。オペラが、トスカがスカルピア男爵をナイフで刺し殺す場面になると音楽もかなり大きな音でその悲劇を強調する場面となるがその大音響の舞台裏でボンドとグリーンの手下との壮絶な格闘シーンが繰り広げられている。以前この映画を観たときはあまり印象に残らなかったの今回はこんなところでトスカにお目にかかれるとは思わなかった。

 


藝大オペラ定期公演「コシ・ファン・トゥッテ」を観る

2023年10月09日 | オペラ・バレエ

上野の東京芸術大学「奏楽堂」で開催された藝大オペラ定期公演「コシ・ファン・トゥッテ」を観に行った。東京文化会館の公演予定表で見つけ、以前一回見学した奏楽堂(こちら参照)で開催するというので興味を持ったし、若い学生達の公演などで応援したいと思った。

奏楽堂を見学したとき、歴史的建造物ととして保存しているだけだと思っていたら、今でも公演で使用していると知り驚いた。今回、まさに実際に公演で使用している場に行けるというのは意義のあることだと思った。

ところが当日奏楽堂に行ってみると案内板が立っており、本日の藝大定期公演はこの場所ではなく、藝大音楽部の中のホールです、と地図とともに案内が出ていたのでびっくりした。おかしいなと思って地図を頼りに公演会場の藝大音楽部を探したがなからか見つからず周囲を10分くらい歩き回り、漸く藝大美術館前の大学入口から中に入ると、そこに立派な同じ名前のホールが見つかった。

あとでチケットをよく見ると、藝大奏楽堂(大学構内)と書いてある。この大学構内という意味が、こういう意味だったのかと理解したが、当日は焦った。

この会場に入ってみると、なかなか立派なホールであった。結構大きなホールで、8割くらいは埋まっていた。藝大生のコンサートということで来ている人は関係者が多いのだろう。大学内なので飲み物は自販機のみでお酒などもない。座席は広く、膝の前のスペースも少し余裕があった。ただ、写真撮影は一切禁止であったのは残念だ。今日はS席、6,000円。正面前から10番目くらいの席だった。

大学のHPによれば、この定期公演は、「大学院オペラ専攻の学生が主要キャストを、合唱を学部声楽科3年生が務めます。第一線で活躍する指導陣によりオペラ専攻で総力をあげて本番に臨んでおります。本公演の大道具・衣裳・照明等は専門業者に協力をいただき、学生の公演としては高水準のものを維持しております。その背景には、藝大フレンズをはじめとする助成ならびにご協賛・ご寄付による支えがあり、そうした多くの方々のご厚意なくしては実現できないものとなっております。」と説明されている。

指揮者や演出家はプロだし、藝大フィルもプロ・オーケストラ、その他いろんな費用がかかるので、歌手は学生でも料金は取るのだろう。本来は寄付を求めるべきだろうが、それだと6,000円も金を払わない客が多いというのが日本の悲しい現実なのだろう。

「コシ・ファン・トゥッテ」はモーツアルト作曲、初演は1790年1月26日、ウィーンのブルク劇場、原作はダ・ポンテの書き下ろし「コジ・ファン・トゥッテ、または恋人たちの学校」で、これを元に同じダ・ポンテが台本を作った。

ブルグ劇場は一度訪問したことがある、場所はウィーン国立歌劇場の直ぐそば。現在は演劇公演が行われる場所となっており、演目はすべてドイツ語ばかりだったので観るのを諦め、英語の見学ツアーに参加したのは良い思い出だ。

指揮:佐藤 宏充、演出:今井 伸昭

【キャスト】                  
フィオルディリージ   梅澤 奈穂     
ドラベッラ       倉林 かのん    
フェッランド      新海 康仁     
グリエルモ       植田 雅朗     
デスピーナ       八木 麻友子    
ドン・アルフォンソ   田中 夕也     
 
合 唱:東京藝術大学音楽学部声楽科3年生
管弦楽:藝大フィルハーモニア管弦楽団

今日の公演では、出演者は皆頑張って良い演技をしていたと感じた。声量も豊かだし、歌い方もうまかった。歌手で一番印象に残ったのはデスピーナ役の八木麻友子だった。もちろん、藝大フィルの演奏も良かった。

歌手以外で今日の公演で印象に残ったのは舞台演出や照明であった。舞台の幕が下りたり上がったりするのではなく、パーティションのような2メートル四方位のパネルが2つ、舞台を塞いだり開いたりして幕の代わりをしていたのが面白かったし、第2幕での照明のキレイな効果が舞台に色取りを添えて良かった。

この物語は、二組の婚約中のカップルがいて、その共通の友人である老哲学者がカップルの武家貴族の男性二人に「この世に女の貞操は存在しない」と言い、そうではないことを証明するために男性が変装してお互いの婚約者に求婚したら、なんと女性達は最後に元の婚約者を忘れて結婚を承諾してしまった、と言うおふざけの物語だ。

ここで面白いのは、通常は浮気をするのは殿様など男性陣と決まっているが、このオペラでは女性の方が浮気してそれがバレて男性がそれを許す、というものだ。フィガロの結婚でも召使いのスザンナに手を出すのは伯爵で、それを最後に許すのは伯爵夫人だ。こんなストーリーは当時のご婦人達から非難の声は上がらなかったのだろうか。また、このオペラを観に来た今日の女性陣達もどう思ってみたのだろうか聞いたみたいところだ。

学生達は引き続き頑張って、成長していってほしい。


映画「007カジノロワイヤル」を再び観る(2023/10/08追記)

2023年10月08日 | 映画

(2023/10/08追記:マッツ・ミケルセン主演の映画「アナザー・ラウンド」の最後のシーンのYouTube動画を貼付け)

テレビで放映された映画「007カジノロワイヤル」を観た。もう4、5回目だ。しかし、何回観ても飽きないし、たまに観たくなる。2006年、イギリス・アメリカ・チェコ合作、監督マーティン・キャンベル。

カジノロワイヤルはボンドがダニエル・クレイグになってから最初の映画だ。それまでも007は観てきたが全作品を観てきたわけではない。しかし、このダニエル・クレイグのカジノ・ロワイヤルを観て以降、全部観ている。

あらすじは一回観ただけでは何が何だか分からないだろう。どこかアフリカの黒人ゲリラのようなテロ組織から資金の運用を引受けたル・シッフル(マッツ・ミケルセン)がある航空会社の株の空売りをする、その航空会社の新しい飛行機お披露目の日にテロにより爆破して株価を暴落させて儲けるつもりだったが、ボンドにテロを阻止され莫大な損失を被る。失った金を取り戻すためにモンテネグロのホテル、カジノロワイヤルで巨額のポーカー賭博に臨むが、ボンドもイギリス政府の資金を使ってそのカジノに参加し、勝ってル・シッフルの企みを潰そうとするが・・・

映画の冒頭のボンドが武器密売人をマダガスカルの雑踏の中で捕まえようとする追跡アクションに圧倒される。冒頭のアクションシーンは007シリーズおなじみのものだろうが、私はこのカジノロワイヤルのアクションシーンが一番好きだ。あり得ないようなシーンの連続だからだ。

そして、なんと言ってもダニエル・クレイグのかっこよさがたまらない、身長178㎝と最近の日本人とそんなに変らない背丈だが、そんなことは関係ない。苦み走った顔、鍛え抜かれた体、スーツや時計、サングラス、車などおなじみの高級品アイテムの使いこなし、ロックのウイスキーを一気に流し込む酒の強さ、どれもこれも男の憧れをいっている。

更にル・シッフルをやっているのがデンマークを代表する国際俳優のマッツ・ミケルセンだ。「偽りなき者」もよかったし、「アナザーラウンド」もよかった。「アナザーラウンド」では最後の場面で岸壁で缶ビールを飲みながらスカーレット・プレジャーの『What A Life』という曲で踊るシーンがあるが滅茶苦茶かっこよかった、なぜなら彼は若い頃ダンサー志望だったからだ。それがこの映画では悪役で出ている。

 

この映画を楽しむためには、ポーカーの知識があった方がよいだろう。ポーカーの参加者が順番にチップをかけていく、前の人と同じチップをかけるか(コール)、掛け金を上げて(レイズ)ゲームに参加し続けるか、それまでの掛け金を放棄してゲームから降りるか(フォールド)。レイズをする相手が掛け金全部を場に出せば(オール・イン)、あとの人も同額以上かオールインしないと負ける。乗るか反るか、相手のレイズやオールインをブラフと読むか自信と見るか、その駆け引きがドキドキする。

さて、最後の方で、ボンドとカジノの資金係だった英政府財務省のヴェスパー(エバ・グリーン)がベニスに滞在する場面が良い。一度だけ観光で行ったベニスだが、世界のどこでも見られないような美しく歴史のある街だ。サンマルコ広場とか運河など自分たちが行ったところが舞台になっているのがうれしい。

そして、最後の場面、風光明媚なコモ湖畔の館に到着した黒幕のホワイトが車から降りると、突然背後から足を銃撃されて転倒する、そこに現れて名乗った男は、ライフルを持ったジェームス・ボンド、かっこよすぎる。やってみたい、こういう役を。

144分の長さだが最初から最後まで目が離せない面白さだ。

 


千代田区一番町の「Chez Cazama」でパンを買う

2023年10月08日 | グルメ

国立劇場に歌舞伎を観に来たとき、近くの一番町にあるパン屋さん「シェ・カザマ」に寄ってみた。初訪問。店のHPをみるとBoulangerie Chez Cazamaとなっており、このBoulangerieというのをGoogle翻訳するとベーカーリーと出た。

HPには、パン・ド・リオレと言って、大きなパンの中をくりぬいて、その中に一口サイズのサンドイッチを詰め込んだSpecial Sandwichが紹介されいた。これはクリスマスとか特別の日にみんなで食べてほしいとのこと。

今日は国立劇場から歩いて行ってみた、10分はかかったか。店内に入ると外から見えるガラス窓際にクロワッサンを中心にパンがおいてあり、いつものとおり初めての店なので明日の朝食用にクロワッサン2つと、フランスパンにソーセージを挟んで焼いたパン1つを買った。値段は忘れたが、結構安く感じた。クロワッサンも普通の大きさで250円くらいだったと思う。店内にはイートインコーナーもあった。

さて、翌朝、買ってきたものをオーブンで少しだけ暖めて食べてみた。クロワッサンのパリパリ感はまあまあ残っていたのでおいしかった。ソーセージを挟んだパンも大変おいしかった。先日行った、ル・グルニエ・ア・パンと併せて、半蔵門に行ったときはどちらかで必ず買って帰りたい。

まだまだ半蔵門周辺は開拓すべき店が多くありそうだ。