演劇『星の降る時(原題:Till the Stars Come Down)』を観劇した、10,000円、場所はPARCO劇場、開演13時、終演15時30分、ほぼ満席に見えた、PARCO劇場は初訪問だが、劇場内は絨毯が敷いてあり、座席も立派なもので、設備的には非常に贅沢な劇場だと感じた
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作:ベス・スティール
2023年のイギリスでの初演で大きな話題を呼び、2024年度「ローレンス・オリヴィエ賞」BEST PLAYにノミネートされた戯曲、日本初公演、原作者の劇作家ベス・スティールは今回、この演劇のために来日した、この公演はイギリス以外で初となる海外での上演
翻訳:小田島則子
演出:栗山民也
出演:
江口のりこ(長女、ヘーゼル) 那須凜(次女、マギー) 三浦透子(三女、シルヴィア) 近藤公園(長女夫、ジョン) 山崎大輝(三女夫、マレク) 八十田勇一(叔父、ピート)/ 西田ひらり(ヘーゼル長女、リアン) 佐々木咲華(ヘーゼル次女、セアラ) /秋山菜津子(叔母、キャロル) 段田安則(父親)
あらすじ:
イギリスのかつて栄えた炭鉱町、早くに母親を早くに亡くし元炭鉱夫の父に育てられた三人娘がいた、その三女の結婚式で久しぶりに集まった家族と親戚、人生で一番幸せな時を過ごすはずの家族だったが、過去の確執や裏切り、憤りなどが次第に浮かび上がる
長女ヘーゼル(江口のりこ)は二人の娘を持つ母であり、移民に職を奪われて失業状態の夫ジョン(近藤公園)との倦怠期に悩み中、次女マギー(那須凜)は町に嫌気が差して実家から遠ざかっていた、三女シルヴィア(三浦透子)はポーランド移民のマレク(山崎大輝)と恋に落ち結婚式を迎えることに、三姉妹の母親代わりを自称する叔母キャロル(秋山菜津子)、その夫ピート(八十田勇一)は三姉妹の父であり兄でもあるトニー(段田安則)とは絶縁状態にある
(原作について)
- 読んだことがなかった、物語は久しぶりに集まった家族が喜び合うどころか喧嘩しあうというありがちなもので、同じような筋の演劇が過去にもあったような気がしたが思い出せなかった
- ハッピーエンドでないところが欧州らしい結末だと思った
- 原作でそうなっているのか不明だが、会話中、性に関する露骨な表現があったのは好きになれないと感じた
(演出について)
- 栗山民也は今や売れっ子演出家であろう、今回の舞台設定などは特に違和感はなかった
- 途中で集まった家族がバカ騒ぎする場面や、性に関する露骨な演技があったのが好きになれない、しかも長女の子供が見ている前でということも如何なものかと感じた
(俳優について)
- PARCO劇場は600人収容できる会場であるが、俳優たちのセリフは特に大声で話すようなところはなく、ごく自然な日常生活と同じような話し方だったのは良かった、私は会場の後ろの方の座席だったが十分にセリフが聞こえた
- 俳優のうち知っていたのは父親役の段田安則だけだったが、彼のセリフは少なく、あまり持ち味を出していたとは言えなかったと思ったが、これは原作がそうだからでしょう、もうちょっと父親が何らかの役割を負う方が劇に深みが出ただろうと思った
楽しめました
なお、PARCO劇場のある渋谷PARCOは少し前に改装したらしいが、内部は実に洒落たものとなっており、半日くらい見て歩いても飽きないような気がした、コンセプトは世界へ発信する唯一無二の「次世代型商業施設」で、 ファッション、アート&カルチャー、エンターテインメント、フード、テクノロジーの5つのテーマで構成し、それぞれをミックスしてフロアを編集しており、 従来の商業施設とは一線を画した、新感覚の刺激や楽しさを体験できるという、まさにそのような空間であった