(2023/10/08追記:マッツ・ミケルセン主演の映画「アナザー・ラウンド」の最後のシーンのYouTube動画を貼付け)
テレビで放映された映画「007カジノロワイヤル」を観た。もう4、5回目だ。しかし、何回観ても飽きないし、たまに観たくなる。2006年、イギリス・アメリカ・チェコ合作、監督マーティン・キャンベル。
カジノロワイヤルはボンドがダニエル・クレイグになってから最初の映画だ。それまでも007は観てきたが全作品を観てきたわけではない。しかし、このダニエル・クレイグのカジノ・ロワイヤルを観て以降、全部観ている。
あらすじは一回観ただけでは何が何だか分からないだろう。どこかアフリカの黒人ゲリラのようなテロ組織から資金の運用を引受けたル・シッフル(マッツ・ミケルセン)がある航空会社の株の空売りをする、その航空会社の新しい飛行機お披露目の日にテロにより爆破して株価を暴落させて儲けるつもりだったが、ボンドにテロを阻止され莫大な損失を被る。失った金を取り戻すためにモンテネグロのホテル、カジノロワイヤルで巨額のポーカー賭博に臨むが、ボンドもイギリス政府の資金を使ってそのカジノに参加し、勝ってル・シッフルの企みを潰そうとするが・・・
映画の冒頭のボンドが武器密売人をマダガスカルの雑踏の中で捕まえようとする追跡アクションに圧倒される。冒頭のアクションシーンは007シリーズおなじみのものだろうが、私はこのカジノロワイヤルのアクションシーンが一番好きだ。あり得ないようなシーンの連続だからだ。
そして、なんと言ってもダニエル・クレイグのかっこよさがたまらない、身長178㎝と最近の日本人とそんなに変らない背丈だが、そんなことは関係ない。苦み走った顔、鍛え抜かれた体、スーツや時計、サングラス、車などおなじみの高級品アイテムの使いこなし、ロックのウイスキーを一気に流し込む酒の強さ、どれもこれも男の憧れをいっている。
更にル・シッフルをやっているのがデンマークを代表する国際俳優のマッツ・ミケルセンだ。「偽りなき者」もよかったし、「アナザーラウンド」もよかった。「アナザーラウンド」では最後の場面で岸壁で缶ビールを飲みながらスカーレット・プレジャーの『What A Life』という曲で踊るシーンがあるが滅茶苦茶かっこよかった、なぜなら彼は若い頃ダンサー志望だったからだ。それがこの映画では悪役で出ている。
この映画を楽しむためには、ポーカーの知識があった方がよいだろう。ポーカーの参加者が順番にチップをかけていく、前の人と同じチップをかけるか(コール)、掛け金を上げて(レイズ)ゲームに参加し続けるか、それまでの掛け金を放棄してゲームから降りるか(フォールド)。レイズをする相手が掛け金全部を場に出せば(オール・イン)、あとの人も同額以上かオールインしないと負ける。乗るか反るか、相手のレイズやオールインをブラフと読むか自信と見るか、その駆け引きがドキドキする。
さて、最後の方で、ボンドとカジノの資金係だった英政府財務省のヴェスパー(エバ・グリーン)がベニスに滞在する場面が良い。一度だけ観光で行ったベニスだが、世界のどこでも見られないような美しく歴史のある街だ。サンマルコ広場とか運河など自分たちが行ったところが舞台になっているのがうれしい。
そして、最後の場面、風光明媚なコモ湖畔の館に到着した黒幕のホワイトが車から降りると、突然背後から足を銃撃されて転倒する、そこに現れて名乗った男は、ライフルを持ったジェームス・ボンド、かっこよすぎる。やってみたい、こういう役を。
144分の長さだが最初から最後まで目が離せない面白さだ。