Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

1杯のナポリタン 第6幕

2005年01月20日 17時25分03秒 | スナドリネコの観察の森
「すいませ~んっ!」
さては思い直して追加注文でもするのかと思いきや
「粉チーズありますか?」
(・・・粉チーズ) 追加注文かと思ったのは私だけではないようで 踵を返す店員の顔からは心なしか笑みが消えかけている  しかし今の彼にはそんなことはどうでもいいのだ 何か足りないことに気がついた彼は 一心不乱に粉チーズを振りかけている  マグマに覆われたMt.ナポリターナに キリマンジャロの万年雪が降り積もるまで 彼は粉チーズを振り続けた
・・・どうやら粉チーズは空になったようである  穴の中に目を突っ込みそうな勢いでしばらくのぞいていたが ようやく諦めてまた器用にスパゲティーをフォークに巻きつけ始めた  1口2口とスパゲティーを口に運んだその時である  真冬の冷気と共に半袖短パンのずんぐりむっくりした青年が入って来ようと よそ見などしてはいけない  何故なら彼の右手は スタート直前の精神統一を済ませた走り幅跳び選手の如く 高々と上げられているのだ・・・