Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

マイノリティーリポート

2004年10月22日 03時19分30秒 | スナドリネコの洞窟シアター

予知能力を持つ超能力者の存在が、これから起こりうる殺人を未然に防ぐことを可能にする近未来。
次々と事件を解決していく反面、息子を失った現実を受け止めることができない 犯罪予防局の刑事。
次の殺人の青写真に浮かび上がった犯人、それは他でもない自分の姿だった。

未来の殺人の罪を問われる不合理に自らの身をさらすこととなり、事件の真相を追求すべく逃亡者となるが・・・

近未来アクションとしての凝った映像に加え、 複雑に張りめぐらされた伏線と心理描写は、単なる娯楽作品にとどまらない深みと、見るものへの内省をも促す数々の疑問を内包している。







  

交渉人

2004年10月21日 03時18分08秒 | スナドリネコの洞窟シアター

これは単なる犯人との交渉劇を描いたものではない。

数ある交渉人を題材にした映画のなかで、当の交渉人本人が交渉人を必要とする窮地に追い込まれるという設定自体に、既にこれから展開される複雑且つ巧妙な心理戦の様相を呈していて出色。

交渉の相手が一流の交渉人である故、通り一遍なセオリーは全く通用しない。

そこには単なる駆け引きを超えた、両者の心の葛藤や徐々に生まれる信頼感など・・ 細微にわたり丁寧に描かれており、サスペンスアクションという範疇にとどまらない重厚且つ骨太な仕上がりとなっている。 








フォーンブース

2004年10月20日 16時53分26秒 | スナドリネコの洞窟シアター

持ち前のマシンガントークとハッタリで広告業界を渡り歩いてきた・・ 
軽薄で傲慢な男にある日突然降りかかる受難。

ニューヨークのど真ん中で鳴り響く公衆電話の受話器を手にした事から始まる 
正体不明の脅迫者とのやり取りは、息を呑む程の緊張感でたたみかけ、
ラストまで画面から目を離す事を許さない。

追い詰められていくのとは裏腹に、次第に人間性を取り戻していく男。

はたしてこれは罪深き半生を振り返るべく仕組まれた神からの啓示なのか。











満月と競ひて走る畦ありき

2004年10月19日 00時46分39秒 | sleepless sheep

窓を打つ風に誘われ  部屋の窓からそっと抜け出した  幼き日の小さな冒険

永遠に続くと思われた  真夜中の畦道は  思いのほか明るく

見上げた空を支配しているのは  真ん丸くて  この上なく大きい  満月

ふと すべて見透かされているような気がして  満月からの逃亡を謀るが

いわれなき歯痒さと共に  決して振り切ることはできない