Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

1杯のナポリタン 第4幕

2005年01月15日 09時46分07秒 | スナドリネコの観察の森
ここにきて私の頭を過ぎるのは ある意味昭和の文学史に金字塔を打ち立てた 突然変異的ベストセラー「1杯のかけそば」である  ただおぼろげなる記憶が正しいなら 主人公のキャラクターが全く異質である もう少し湿り気の強きお話しではなかったろうか・・・
しかし既に中断を余儀なくされた私の頭の中では 早くも (・・・これは平成の”1杯のかけそば”ならぬ”1杯のナポリタン”なのだ)と最終判決が下されていたのである
「これで宜しいでしょうか?」
店員が差し出した2枚の皿を至極当然の如く受け取る彼の態度には 一切卑屈さなどというものは存在しない  (・・・そう これが平成なのだ)などと訳の分からないアシストを自ら織り込みながら 彼らと一緒になって(いや彼ら以上に)ナポリタンが来るのを心待ちにしているのだ
ふと天井を見上げると ボッチチェリのビーナスが 貝殻の中からこちらに微笑みかけているが 今の私にとって 彼女の誘惑を撥ね付けることなど いとも簡単なことなのだ
「お待たせ致しました」
(・・・待ってました!)ナポリタン公爵の到着である・・・