この手つきをしている時、主人の目線は揃えた指四本の付け根の辺りにあります。
人さし指から小指までの幅を目印にマグロを切ろうとしているからです。いわゆるサク取り(手ザクにする)です。
シャリの上にマグロがのってほどよく両端が垂れ下がる…そんなベストな幅がこの指四本分です。
このすしダネ一切れに必要な幅を『一(ひと)たけ』と呼ぶそうです。
主人はたまたま指の付け根辺りと決めていますが、「指四本分を見当にしているのは同じでも、人によってはもう少し上の方とか、自分のにぎりに合わせた幅の決め方をしているのではないか…」と主人は話していました。
マグロの仕入れをする際も使います。
一(ひと)コロという大きいかたまりから切り出してもらってくる場合、「手ザク三つ分ちょうだいね」などと言って手をかざして測り、目印にするそうです。
いか、穴子などを切付ける際にもこの仕草をします。