四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子・新イカ大きくなってきました。生すじこ粒がまだ小さいですが入ってきました。イクラは生しか扱いません。秋と冬だけです。

煮つめ

2009-01-19 16:25:00 | 04 つきじ(いけす)

Img_2424

穴子の煮つめです。この写真の三日前には鍋からこぼれるくらいの分量があり、もっとジャブジャブとしていました。かき混ぜながら火を入れ一日五センチメートル分くらいずつ蒸発させていき、かき回すのに少し抵抗を感じるくらいになったら今まで使っていた残りの煮つめと合わせてさらに火を入れ出来上がりです。中味は穴子の頭と骨から取った出汁・酒・砂糖・醤油、プラス穴子をたくさん煮た煮汁(穴子の頭と骨から取った出汁に酒・砂糖・醤油で調味したもので開いた穴子を何度も煮た汁)の半分が混ぜ合わさったものです。三~四ヶ月に一度くらいの頻度で行いますが、毎回主人が作る度に緊張するポイントがふたつあります。ひとつはジャブジャブの段階で煮詰まった時の味を考えて味付けをすること。酒・砂糖・醤油というシンプルなものを加えるだけの、バランス感覚が問われる仕事です。煮詰まってきてから微調整をすればいいのでは…と思ったので訊ねると、「修行時代からそのようなことはしたことがないので、しない」との返事が。あとひとつはとにかく終盤の火入れの時に焦がさないようひたすら注意するということです。

お店を始める前、第一回目の煮つめ作りのことがおかみノート『煮詰め』に書いてあります。