子育て・私流

子供を三人育て、孫も五人になった。
男親の私がどのように考え、子供や孫に接してきたかを書く。

11 戦後の結婚事情・私の場合 その7

2009年01月18日 | 私が歩んできた道を振り返って
私が28才の時のはなしである。昭和33年(1958)です。

義父からも、「結婚することの承諾をもらい。」彼女との交際も順調に発展していた。
或る日、義父からの紹介で「土地(借地)」の紹介を受けて、新居の建築地も決まった。

《新居の建築が始まる》

 1.建築予算

前項に書いたが、土地は決まったので、建物の建築だ。

住居の規模は、当面資金も少ないために夫婦二人で生活出来る範囲の小さい居宅でいい事にした。
実は、先出す資金の計算がまだ出来上がっていないので心配なのだ。

この後の「結婚式」「新婚旅行」「新しい所帯の生活費」などは、総て私自身の財力で賄わなければならないから。
自立が前提での計算が成り立つことを求められているのだ。

要するに、私には「自分の親」に頼ることが出来ない立場にあるから。
また、「義父」に今から、資金援助を頼っていては、これから先信用度が低くなってしまう。
ここは、なんとしても、頑張って、自分自身一人の力でやりとげなくてはならないのだ。

私の頭の中では、1/3 は自己資金
        1/3 は「住宅金融公庫」からの借り入れ。
        1/3 は「勤務先の職員貸出」による。

こんな風に考えていた。が。
これで上手くいくかはこれからの、自己資金の予定は出来ているが、後の二つは折衝による。

この資金計画で助かったのは、「土地が借地」だったことだ。
私が考えていた、「土地を購入」し住居建築より。
土地の代金支払が予定の1/4程度ですんだことだ。
また、バスで15程度遠くなるだけだ。

自己資金の残りの大部分は建築資金に回せる計算が出来たことで、資金計算も楽になった。
もう一つ、自分自身で探していた、自宅近くの土地価格が高く、仮に今度借りることになった土地面積1100平米の値段では、土地の購入では275平米(11坪)程度でしか賄えない。

この土地面積では建物の建築許可が降りない、少なくともこの倍の面積が必要だと考えられる。
この土地の獲得に二つの特徴がある。
一つ目は、既に述べているとおり「借地権」であること。当面権利金を払い、後は毎月地代を掃うということだ。金銭が思う用にならないわたしには、もってこいのことである。

二つ目は、私が借りることになった土地は、私が探していた場所から「河を二つ越える」場所にあるという事。
具体的に言えば、「隅田川と荒川」の橋を二つ渡った場所であるという事。
1/4の土地相場の値段になったのだ。逆に言えば4倍の広さの土地だと言うこと。
かなり遠くなるのかと思うでしょうが、バスで15分程度遠くなるだけで済む。

 2.住居の建築が始まる

私の下の妹が嫁に行っている先での知り合いに「棟梁(大工)」さんが居た。
「真面目な人柄だから安心できるるよ」との一言で、新婚住居の見取り図を持って言って大工さんに相談した。

10日ほどして「新築住宅の見積書」が出来上がって来た。
私の建築資金計画の範囲内かどうかが一番の問題点だぞ。
心して、その「見積書」を慎重にみつめる。
しかし、素人の私には、これが適正な値段であるかまでは判らない。

レンガ職人だった親父に見せて相談したが、親父にも判断出来ない。
親父は、一坪(3.3平米)の建築単価を計算してみろと言う。
「計算結果を見せると、そんなもだろう。」と言って納得した顔をした。

結局、真面目といわれた「棟梁(大工)」さんと、「下の妹の話を信用するしかない」

私の一番の心配点は、「見積額」である。
見積り金額は、私の資金計画をやや超えていたが、やりくりできる範囲である。
これで一軒落着。「お願いすることにした。」

 3.資金の返済計画

   自己資金 1/3 は、建築額の1/3f何とか蓄えた預金で賄える額である。 
        1/3 は、「住宅金融公庫」からの借り入れを予定してい。
          しかし、建築資金総額の50%程度にしておかないと、のちのちの、生活費が困るのでは拙いからと思う。
        1/3 は、「勤務先の職員貸出」で賄う。
            予め人事部に話をしてある範囲の金額なのでまず問題がない。
            この借入れは、所帯を持った後の私と嫁(当面共稼ぎ)の賞与を使うことにした。
            5年間の借入れ計画だったが、結果は半分の期間2年6か月で返済を終了する。

《生活費のやりくり》

 1.借地の代金は、毎月の私の給料の中で支払う。
 2.住宅金融公庫の、毎月の支払も私の給料の中で支払う。
 3.生活費は、私の月給の範囲内で計画する。
 4.賞与は、毎月の生活費に流用しない。

こんな、基本計画を嫁さんと相談し実行することにした。

細かい生活の話と、結婚式、新婚旅行の話などは、次回に。