三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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コンタクト系6

2005-04-15 00:08:23 | モンスター映画
 ■エイリアン vs. プレデター■ 『エイリアン』1~4はどれも傑作。『プレデター』1~2はクズ。この二つが合わさったらどういうことになるんだ、クズに引きずられちゃうのか、とハラハラしてたんだが、ああよかった、どっちかつうと『エイリアン』寄りの出来映えだった。いやこの映画、シリーズ最高作『エイリアン2』をも上回る緊迫感なんですわ、前半はね。『キューブ』っぽい迷路の複雑な自動開閉がまたゾクゾクさせまくって。ところがですねー。途中いよいよ追いつめられた人間サイドから問題発言。「敵の敵は味方」だとぉー? ちょ、ちょぉっとやめてほしいよせっかくここまで盛り上げといて今さら敵とか味方とか。でその掛け算を真に受けて女がプレデター戦士とほんとにコンタクトとっちまう。以心伝心お友だちになっちまう。ダミだこりゃ。果てはふたり力を合わせ2対1でエイリアンクイーンをなんとか葬って(なんか怪しいけど南極海にたぶん永遠に沈みましたとさ)、女はプレデター族の酋長さんに表彰されちまう。あ~あ。そういう展開にしちゃオシマイでしょってば。あ、でも『プレデター2』が最後似たようなコンタクトしてたっけ、オメーよくやるなー感心感心、みたいな。それ踏まえたファンなら今回のこれで喜ぶと踏んだわけかい制作側は。だからプレデターシリーズのクソレベルに合わせちゃいけねえんですって。凶悪凶暴生物どうし、容赦ない殲滅戦に人間が時折巻き込まれつつ傍観、てあたりがキャラクター対決企画の最大意義でしょうが。片っぽと仲良しになっちゃっちゃブチコワシ。てなわけで前半100点後半20点。前半はプレデターの方も人間殺しまくってくれてたし、A・P両者の凶悪度拮抗でつくづく素晴らしかったんだがなあ。あとこれも引っかかってるんだがそもそも闘技場たるあの遺跡、プレデターの管理下にあるってことはこのバトル、対等の戦いじゃなくプレデター文化つうか単なる通過儀礼なわけで(エイリアンは哀れな闘牛?)、ひたすらナチュラルなガチンコ見たかったこっちとしちゃぁねぇ、てわけで減点。ただしバトルそのものは両者けっこうグロい死にザマさらしまくって、あとクイーン解放はプレデター陣営の計算外や否や、が謎っぽいので加点。あと最後、戦士の腹破って混血児がコンニチワ(予想通りだったんで嬉しかったす!)、AvsP第2ラウンドがなんとP宇宙船内にて予感されるとあっちゃワクワク追加点(続編作る気かョ?)。うむ。だからやっぱり差し引き相当の傑作と言えるですわ。重ね重ねプレデターシリーズの流れに気ぃ遣わんでエイリアン路線二乗に徹してたらこれ、大のつく傑作だったにのう……。
 ■ファンタスティック・プラネット■ 切り紙アニメ、ですって? なんだかのったりぼんやりしたビジュアルだなあ。そのぎごちない動きこそが売りなんだろうけど、オープニング、女が赤んぼ抱いて走る姿の不自然さからして私ゃ普通に「ものたりんナー」と。その印象が最後まで変わりゃしませんでしてね。怪奇植物や奇抜動物がひょこひょこ現われてくれるのはそりゃ私大喜びだったし、ドラーグ人の新兵器があたかも人間の対昆虫兵器を反復網羅しようとするかのようで笑えたけど、こうもカタルシスないんじゃ。かといってナンセンスぶりで勝負できてるかというと抑制働きすぎだし。人物に一切表情ってものがないのが原因かな。キリコ風のオブジェに満ちた惑星風景は想像力掻き立てるけど、掻き立てられたレベルに画面内容が伴わず。いかに「瞑想」する人々がメイン張ってるからっておとなしすぎでしょう。脱力アニメの小佳作、くらいに評価しておきますか(てか、正直紙芝居以上のものじゃないわな)。このテを「芸術的」と喜ぶ輩ってけっこう居そうだけど、ちぃと勘違いかなとも思うわけで。ま、なごみアイテムとしては使えそうかも。