「古代の回想・蝦夷征討」マゾン電子書籍紹介。角川電子書籍・BOOK★WALKER電子書籍」
「蝦夷」は古代に新潟県北部、東北地方から北海道南部にかけて居住原住の民の総称。中国では古代以来漢民族が自ら国家・文化を優れたものとして世界の中心である中華とし、周辺の国家・民族を未開・野蛮な夷狄(いてき)であるとする中華思想があり、それに基ずき周辺の国家・民族を支配する帝国型の国家を構築したが、古代日本はこれを受容して諸藩・夷狄を支配する帝国型国家を構築し、国家支配に組み込まれない東北・北海道・新潟地方の民の夷狄の一つの蝦夷として設定した。この意味では蝦夷は政治的概念である。帝国型国家では地域・人民を天皇の支配の内か外かによって化内・化外に分け、夷狄は諸藩とともに化外に属するるという考えが有力であるが、律令法においては化外諸は諸藩だけで、夷狄は服属しているか帰属をよていされたものとして化内に位置図けられていたと考えられる。蝦夷の表記は7世紀半ばに成立し、その以前は「毛人」の表記を用いる。「蝦夷」の語は中国における東方夷狄の「夷」とエビ、ガマガエルなど体をかがめている小生物を意味する「蝦」の合成語で、日本における造語「蝦夷」の読みはエミシ、エミス、エブス、エビシで8世紀にはエビスと読まれた。エゾのの語は12世紀から見え始める。「蝦夷の文化」形質人類学の上では蝦夷と呼ばれた人々には倭人とそれと共通の祖型から発し別な進化を遂げた続縄文人とを含む。文化的に東北地方北半は縄文文化の系譜を引く北海道系の文化と弥生文化の系譜を引く西日本系の文化が混在する中間地帯で、蝦夷の文かは両者の複合的なものである。「古事記」「日本書紀」などにみるような古代国家が蝦夷を未開な狩猟民と表現するのは、蝦夷・夷狄と位置づけが野蛮人であることを強調するために強調するために一部の生業を誇張したからである。
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