ピーマンは戦前にも栽培されていたが,公式の生産統計は昭和38年産からである。この年の収穫量は2万3千トンで,現在の約6分の1であった。食生活の洋風化に伴って,需要が伸び,これに呼応して生産もほぼ順調に増大し,44年には10万4千トンと10万の大台に乗り,10年後の54年には17万7,300トンと過去最高を記録した。その後,増減を繰り返しながら,平成1年産は18万2,400トンと史上最高を記録した。その後は,緩やかな減少傾向を続けていたが,このところ,回復の兆しがみえる。
26年産は14万5,200トンとピーク時の20%減であった。
内訳は冬春ピーマンが7万7,400トン(全体の53.3%),夏秋ピーマンが6万7,800トン(46.7%)。主な都道府県別生産量は下図の通りで,ピーマンの特性上(高温性),冬春ピーマンは暖地の栽培が多い。単収(10a当たり収量)に大きなな差があり,冬春ピーマンは10,400kg,夏秋ピーマンは2,640kgで約4倍の差がある。
ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』(昭和38年1月から品目別調査開始)をみてみると,下図の通り,このところ上向きに推移している。野菜離れを阻止する啓蒙活動が行われている中で,今後の動向が注目される。なお,11年以前は農林漁家世帯を除く結果,12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。
都市別にみると,上位に大都市が多い。冬春ピーマンの産地県の那覇市が上位にランクされているのが目立つ。最多購入量(横浜市:1,169g)と最少購入量(福井市:467g)とは2.5倍の差,変動係数は16.2%でブロッコリー(18.1%)やレタス(18.0%)よりやや小さい値となっている。
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