食の数字は語る 166万7千トン キャベツの史上最高の生産量（昭和61年<1986>）

江戸後期に日本に入ってきたといわれるキャベツの公式の収穫量統計は明治42年産までさかのぼることができる。この年は880万3,746貫（33,014トン）で，現在の45分の１であった。その後，増加を続けたが，戦前の最高の収穫量は昭和17年産の28万6,863トンにとどまった。

戦後は食生活の洋風化などを背景に増加の一途をたどり，昭和61年には166万7千トンと史上最高の収穫量を記録した。その後は150万トンを割ったが，安定的な需要に支えられて，近年は増加に転じている。

平成26年産は147万9千トンと過去16年間で最も多い収穫量となった。作付面積も回復基調にあり，単収は過去最高の4,260kg/10aを記録した。

 

都道府県別の収穫量は下図の通りである。愛知県は東三河地域，群馬県は嬬恋村（嬬恋高原キャベツ），千葉県は銚子地域が主な産地である。

 ここで，家庭内での消費状況を『家計調査』をみてみると，下図の通り，このところ堅調に推移している。なお，11年以前は農林漁家世帯を除く結果，12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。

 

都市別にみると，最多購入量（秋田市：7,652g）と最少購入量（福井市：4,006g）とは1.9倍の差で，変動係数も12.8％となっており，大根やほうれん草になどに比べると小さい。なお，那覇市の食料費に占める割合が突出しているのは，価格（22.13円/100ｇ）が掲載都市の中で最も高いためである。全国平均（掲載都市の平均ではない）は15.86円。