テキスト主体

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(当然、その他についても、語ったりする)

南天の星座

2012-12-04 23:34:11 | 双眼鏡 望遠鏡
日本や欧米各国、その他北半球に住まうヒトには縁の薄い南天の星座達、北天の星座の多くが、メソポタミアの羊飼い達からギリシア神話までをルーツとする、歴史の長いものであるのに対し、南天の星座は、コンパス座、はちぶんぎ座、じょうぎ座など大航海時代以降、バイエルやラカイユなどによって創られた新しい星座が多い(88星座のうちでは)のです。
当然のことですが、古代より、アボリジニやインカの人々にも星を観る文化はありました。彼らは北半球の人々にも増して、取り巻く自然に対して深い造詣を抱いていて、彼ら独自の星座も沢山あったのです。特にインカでは天の川の散らばる星々を遮る黒い暗黒雲の影の形すらも、身近な動物に例えて、天の川に浮かぶ影絵をウズラとかリャマに見立てていました。
ところが、南半球の文化は大航海時代とそれに続く植民地時代に、完膚無きまでに陵辱され、現在の88星座にもほとんど残っていません。南天の星座は、超有名な南十字星をはじめ、北半球よりも良い条件の地域が多いこともあり、それを見たヒトにとって、非常に印象深い星座、記憶に残る美しい星座である場合も多いようです。

そういえばチリのALMA電波望遠鏡(正確には電波干渉計)が、来年より本格稼働しますね。地球の歴史上、最も壮大なこの望遠鏡が見せる、南天の星々のヒミツに期待が膨らみます。将来的には、アタカマ高地の一角に市井の天文ファンにも、宇宙の深淵の一片を感じられ、心ゆくまで南天の星座や星々を眺められるような、そんな施設が出来てくれたら、嬉しいのですが。

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