沖縄県名護市辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブに「日本版海兵隊」とされる陸上自衛隊の水陸機動団を常駐させることで陸自と米海兵隊が2015年に秘密合意していたとの報道(25日付沖縄タイムス、共同通信配信)が波紋を呼んでいます。日本共産党の穀田恵二議員が18年5月11日の衆院外務委員会で防衛省陸上幕僚監部が作成した内部文書を基にシュワブへの水陸機動団配備の可能性を追及しており、今回の報道がその大きな裏付けとなりました。
穀田氏が取り上げたのは、陸幕防衛部が15年9月28日付で作成した「陸幕施策等説明」と題した資料。鹿児島県から沖縄県にいたる南西諸島への陸自配備の概要を説明する中で、沖縄本島について、第15旅団司令部が置かれる那覇と、キャンプ・シュワブがある辺野古崎を図示していますが、シュワブ付近への配備計画は黒塗りされています。
穀田氏は、在沖縄米軍トップのニコルソン四軍調整官が17年11月16日の記者会見で、長崎県佐世保市を拠点とする水陸機動団の一部が沖縄に配備されるとした上で、「キャンプ・ハンセンかシュワブに配備されれば米軍とともに活動できる」と発言していたことをあげ、「黒塗りの部分にはそうした配備計画が書いているのか」と追及していました。
穀田氏はこれに先立つ15年3月3日の衆院予算委員会などで、「日米の『動的防衛協力』について」と題した防衛省内部文書に、シュワブ内に陸自部隊を常駐させる「恒常的な共同使用」構想が記されていることを暴露しています。
加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、共同通信などの報道について、「そうした合意や計画があるとは承知していない」と否定しました。そう言い切れるのなら、穀田氏が取りあげた文書の黒塗りを外して全面公開すべきです。
辺野古への陸自配備 黒塗り部分を明らかに
穀田国対委員長が指摘
日本共産党の穀田恵二国対委員長は27日、国会内での記者会見で、沖縄県名護市辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブに「日本版海兵隊」とされる陸上自衛隊の水陸機動団を常駐させるとの秘密合意が行われていたとの報道への受け止めを問われ、「辺野古新基地建設の本質が、普天間の代替ではなく、基地全体の新たな強化にほかならないことを改めて浮き彫りにした」と述べました。
穀田氏は、2018年5月11日の衆院外務委員会で、防衛省が提出した陸上幕僚監部作成の内部文書をもとに質問し、沖縄本島に陸上自衛隊のどういう部隊を新たに配備するのかは黒塗りになっていると指摘。キャンプ・シュワブへの水陸機動団の配備計画が書かれているのではないかと追及しました。当時の山本朋広防衛副大臣は、「防 衛省としてキャンプ・シュワブや沖縄本島に普通科部隊を配備する計画はない」と答弁。加藤勝信官房長官も25日の会見で「秘密合意や計画があるとは承知していない」と否定しています。穀田氏は「秘密合意がないというならば、この黒塗りを外せばいい」と強調しました。
また15年3月の衆院予算委員会で、「日米の『動的防衛協力』について」と題する防衛省内部文書に、キャンプ・シュワブ内に陸自部隊を常駐させる恒常的な共同使用の構想が書かれていると追及したことに触れて、「長い間議論しているのではないか。改めて辺野古新基地建設の根本問題が問われる」と述べました。
― しんぶん赤旗より ―