市民「事故になりかねない」
米軍岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機1機が27日早朝、基地上空で約10分間の曲技飛行を計2回、行いました。市によると、米軍から事前の連絡はなし。市民の安全と安心を脅かす危険な飛行が強行され、市街地は爆音が相次ぎました。
午前8時すぎ、米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35B1機が離陸するのを、記者が滑走路のそばで確認。離陸直後から垂直に急上昇、急降下、急旋回などを繰り返し、海面近くを低空飛行するなど広島湾を縦横に飛びました。着陸するまでの約10分間、基地の近くでは通常、見ることのない危険な飛行訓練の内容とルートで飛びました。基地上空を旋回するため、騒音は途絶えませんでした。
市内の記者の自宅でも午前7時半から約10分間、上空に響き続ける騒音を聞き、庭から1機の機影が見えました。F35Bが同じように曲技飛行し、いったん着陸して給油後、同8時すぎに再び曲技飛行したものと思われます。
5月の連休に基地を一般公開するイベントでの航空ショーと前日の予行以外の曲技飛行は異例です。
市基地政策課によると、JR岩国駅近くの騒音測定器が記録した騒音(70デシベル以上、5秒以上)は、曲技飛行が始まった午前7時半と同8時すぎからのいずれも約10分間で計29件。最大値は89・4デシベルでした。
担当者は「問い合わせや苦情を受け、基地に照会しているが、まだ回答を得られていない」としています。
市内の「住民投票を力にする会」の松田一志代表は「間違えば事故になりかねない曲技飛行がされたと聞き、初めてのことで驚いている。米軍に訓練内容などを説明するよう市に求めている」と話しています。
— しんぶん赤旗より —