鳥無き里の蝙蝠☆改

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【海外ドラマ視聴感想文】GameOfThrones:S1~S4#10見終わった

2018-06-12 03:30:09 | 感想文

この1週間で合計40時間(1話1h x 40話)を費やし、勧めてくれた友人曰く「凄いテンポ」で観た。彼はとても博識で、邦画洋画問わず映画に詳しい。名を馳せている作品は殆どチェックしていることだろう。食わず嫌いや先入観で作品を乏めることはなく、公平な評価を持っている。そんな彼の言うことなので、勧められた当時の言葉に俺が疑いを持っていたわけではないのだが、「群を抜いて断トツで面白い」と評していたのが何を隠そうこの『GAME OF THRONES』なのである。

製作中のシーズン8まで残すところあと30話。《次へのエピソード》と表示されたボタンを押すのを止めて今に至る。


俺はそこまで昨今の海外ドラマに熱狂したことはなく、つまり客観的な評価を下せるほど多くを見ていない。だが作られた物語ということであれば年齢相応には見てきているつもりだ。

その物語の中でも、不思議な魅力に満ちているこの『GoT』について興味が尽きない。殺し合う物語が珍しいわけでもなく、死に溢れている物語が珍しいわけでもない。最も殺し合う物語が面白いわけでもなく、最も死ぬ物語が面白いわけでもない。最もハッピーな物語が面白いわけでもなく、最も悲しい物語が面白いわけでもない。

鍵を握っているのは「未知」ではないかと感じている。視聴者はまず謎ばかりを与えられる。「薬を売るためにまずは毒を与える」ようなもので、それは昨今のソシャゲ商法と同じく「まずストレスを与える」ことなのだろうと思っている。しかし謎やストレスを与えられることは全くもって珍しいことではない。謎をとりあえずばら撒いたあとで回収するだけなら誰にだってできる。では「未知」と言ったのはなぜか。不明瞭なものや不確定なものという定義であれば謎も未知も近からず遠からず似たものである。

目の肥えている視聴者は、既視感のある展開が訪れた際に次の展開を予想する。使い古されているカメラワークのちょっとした類似ですら、次の展開の情報を隠せないことがしばしある。『GoT』には勢力が多く存在していて、勧善懲悪であればスターク家が主人公に相応しいのだろうが、そうではない。そういう意味で『GoT』には善悪がない。「正義というものは視点一つで簡単に変わる」という台詞は今時新しくないが、その視点の数がとても多く、加えて変動がとても激しいと言える。原作既読者向けの作品という前提を度外視したとしても視聴者の多くが"置いてけぼり"を喰らう。極めて良い意味で視聴者がついていけなくなる。展開は常に目まぐるしい。視聴者の多くは、その経験的にも「重要な登場人物の劇中死亡確率をかなり低く見積もっている」。しかし『GoT』に絶対的な視座は存在しない。この人物がいなくなっては物語にならない”なんてことにはならない"。物語は終わらない。誰が死に、誰が生き続けるのかを、視聴者は全くその予想を当てることができずに話は進む。思い入れのある登場人物が誰かに攻撃されればそいつが懲らしめられることを望む視聴者は少なくないはずだ。しかしそんな切実な願いは叶わない。結果的に懲らしめられたとしても、それまでその思いを長いこと抱き続けなければならない。そして無意識に自分の脈が早くなっていることに気づく。自分の望む展開にならず、予想は悉く裏切られる。

GoTには謎がとても多い。作品の勝手な設定にある未だ明かされていない部分のことではなく、予見できない未来という意味の謎である。

「今までにない」という言葉で括るのは簡単だ。しかし簡単な言葉で済むようなものであればもっとその面白さについて語れることがあるはずだ。

この作品の魅力が何によってできているのかがとても興味深い。シーズン4を見終えた今、とりあえず休憩を兼ねて、このとんでもない作品の残りをじっくり慌てずに味わい尽くしたいという気持ちも含めて、感想文を書いてみた。



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