~序章~
他愛も生産性もないちっぽけな疑問から始まった考え事。
その節々でネズミ算式に湧いてくる疑問。
ヒントを求めて検索バーをクリックしてはタイプする。
~Chapter 1~
今や国民的大ヒットアプリとなった『モンスターストライク』。
モンスター達の育成する際の効率は求めればキリがない。
攻守体力を増やすためにあれこれを合成するのだが、とにかくこれが地味な作業で毎度飽きてしまう。その中には、3つほどの行程を繰り返すだけなのにそれを1時間以上も無休で続けることもある。
その効率を求めることがきっかけだった。
~Chapter 2~
効率を求めるためにどんな思考作業をしたかというと、なんてことはない、ちょっとした計算である。
四則計算だけとはいえ、暗算だけでは脳内処理がとてもじゃないが追い付かないのでノートとペンに頼る。
作業がひと段落した時に、乱雑に散りばめられた数字達をぼーっと眺めていたら、『単位
』が気になった。
大学などでいうところの単位ではないので悪しからず。
~Chapter 3~
単位といっても物を数える時の単位は数えきれないほど存在する。
今回気になった単位というのは、反・町・坪・畳である。
農業に携わる人の間では、農地の面積を計る時に一反や一町などという具合に用いる。
ひと坪についてはおよそ3.3㎡。だいたい畳2枚分になるそうだ。
畳についてだが、畳1枚分の面積は地域によって規定が異なるらしい。相場はざっくり1.5㎡~1.8㎡だと考えておけばいいのだが、それ調べた時に思ったことがある。
『平均値』について、だ。
~Chapter 4~
平均という言葉を聞いて思い浮かぶのが、ボーリングのスコアや偏差値や身体測定だ。
それと、『平均回帰』という概念だ。
見た通り文字通り、平均に帰るという意味で概ねイメージの掴みは間違っていないと思う。
因みにこれは統計学的現象の一種らしい。
統計学だとか平均だとかばかり言っている人間が居たら、頭でっかちなそいつに個性を否定されまいかと冷や冷やする自信がある。
確かに、個々のばらつきを数値化しデータ化によって可視化、それを集団に見せつけたら、彼等の尊厳とか自信とか色々をまとめて凡庸に放り込むような真似をしてると思われても否定できない。
しかし統計学や平均というものはその一方で、ひとつで平均を大きく上下するような存在を掬いあげてはその価値を見出せる方法でもある。
俺は、データ化やリスト化が好きだ。それもかなりwww
モンストの育成効率についても、脳内処理だけで間に合わないこともないし、わざわざエクセルやノートを使わなくても分かっていることを簡略化したり整頓することが大好きだ。
そのせいかもしれないのだが、俺は統計学への関心が強い。
~Chapter 5~
関心の赴くままに、『平均への回帰』というwikiページを開く。
wikiの当ページによれば、「回帰とは元来、生物データから見出された現象」らしい。
関連項目にあったリンク『優生学』をクリック。俺はこの言葉の存在を知らなかった。
優生学のwikiページにある[先駆としての古代ギリシャ優生思想]の蘭に、
人種改良は、少なくともプラトンまで遡ることが可能である。彼は、人間の生殖活動は国家によって管理されるべきであると考えた、次のように記している。
「最も優れた男性は、意図して最も優れた女を妻に娶ったに違いない。そしてその反対に、最も劣った男性についても同じことが言える」-プラトン『国家』
プラトンは選択法則に気付いて人々の心が傷つけられるのを防ぐために、偽りのくじ引きで(人為的)選択が行われるべきであると提案している。その他の古代の事例としては、虚弱な新生児を都市の外れに遺棄したスパルタの伝説的な慣行が上げられる。
色をつけたスパルタの伝説的な慣行について気になったので、スパルタのリンクを開く。
スパルタ教育と聞けば、その言葉の指す意味を瞬間的に理解できるが、名前の由来は古代ギリシャのポリス・スパルタで行われていたからだそう。
スパルタ教育のwikiページの関連項目にあったリンク『戸塚ヨットスクール』とはなんぞやと思ってクリック。
戸塚ヨットスクール事件(とつかヨットスクールじけん)は、1983年までに愛知県知多郡美浜町のヨットスクール「戸塚ヨットスクール」内で発生、発覚して社会問題に発展した一連の事件。
関連項目にリンクがあったのは、この事件の内容には体罰による致死が扱われていたから。
なるほど。
~終章~
効率から統計学、その出自からスパルタ、そして戸塚ヨットスクール事件。
口頭で↑の単語を聞かされても、まるで関連性を見出せそうにない面々である。
このwikiからwikiへ、そこからまたwikiへ飛ぶような作業をしていたら、テレビという情報源の特性を連想させる。
wikipediaの関連項目の蘭には聞き慣れない単語から名前だけ知っているものまで様々だ。
気になったものから片っ端にリンクを開いて行くとウィンドウタブが限りなく小さくなっていく。
無関係ではないのだが、当初知りたかった情報とは明らかにかけ離れていく。
テレビという情報源の利点の一つは、ある程度情報がランダムであることだ。ネットで検索する場合とでは、ショットガンとスナイパーライフルほどの違いがある。
情報収集のための道具としてはどちらも一長一短ある。効率だけ求めるのであればテレビではネットに敵わないだろう。
しかしテレビが提供する情報のランダム性には思いもよらない発見があったりもする。
チャンネルを変える最中に興味を惹く映像があったりして、そこから思いがけない閃きやヒントを得たりすることがある。番組の放送の仕方と、自分が番組に求める情報提供の仕方が一致することは稀だ。
wikipediaの関連項目には、それと似たような特性を感じるのだ。
事実、俺は優生学という言葉の存在を知らなかった。戸塚ヨットスクール事件という世代にとっては有名な出来事も知らなかった。
こういった『道草』の恩恵はなかなかどうしてありがたいものである。
~次回予告~
2 in 1というのは2つのものを1つにするという意味だ。
クラッシュオブクランという世界的人気アプリでは、自分の村の守りをより強固にするために、大砲や迫撃砲などの性質を理解しそれぞれの強みを活かさなくては侵略者によって資源を絞り取られてしまう。侵略側の時にも同じく、キャラの長短を理解していなければ成功しない。
世界的人気アプリなので、ネットでは攻略法が多く出回っている。
陥落しにくいパターンや、強い編成パターンがある程度決まっている。
だが、そのどれもに完璧なものは存在しておらず、相手の村の形によっても得手不得手がありその都度臨機応変に対応しなければならない。
FXの勉強をしていた時にも、同じような状況を経験した。
トレーダーは、実際の値動きと指標ツールを見て売買するか否かを判断する。
指標ツールの種類は多く、トレンド系やオシレーター系などがあり得手不得手が存在する。
これもやはり、100%勝てる方法が存在しているわけではないので、プレイヤーがその都度ツール同士の相性や状況に適しているかを見極めて臨機応変にこなすしかないのである。
ゲーム帝国スパを何冊か所持していて、読むたびに関心している。
冠する名の通り、ゲーム(テーブル、ボード、テレビetc)についての冊子である。
面白いゲームは、ゲームバランスがとても安定している。完璧で無敵の武器やキャラクターはなかなか存在しない。
どれも何かに特化して何かが劣っている。面白いゲームは、短所を殺して長所を活かす楽しさを与えてくれる。
クラッシュオブクランで言う侵略パターンと防衛パターンや、FXでいうトレンド系やオシレーター系などの指標ツールについても同様にそれぞれの短所を殺さなければならず、長所を活かさなければならない。
例:クラッシュオブクランの村配置で、AというパターンとBというパターンは総合的に同じ戦績を納めている。
Q.仮に両者が違う特性を持っていたとして、ではAとBの戦績を越えるにはどうすればいいか?
A.ここで終章のテーマである「2 in 1」である。つまりAの強みとBの強みを活かしたCのパターンを考案することである。
口で言うほど簡単ではないだろうが、FXの指標ツールはそうした使われ方をしている。
現実でも似たようなことは極当たり前に起きている。飲食店であれば、ラーメン屋なのにデザートも出します。携帯電話に懐中電灯やメモや電卓。バイクにサイドカーや屋根。腕時計とタッチパネルのAppleWatch。
活路はどこにあるのか。
俺は、その一つが2in1だと思う。