鳥無き里の蝙蝠☆改

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【読書感想文】死物語(上)しのぶスーサイド/西尾維新

2021-09-10 19:16:50 | 感想文
ぶっちゃけて言おう。
モンスターシーズンの話覚えてない。

久々に物語シリーズの最新刊が出て、ちょうど見かけたのでその場で上下巻を購入。緊急事態宣言やら自粛ムードやらで読書する時間は十分あったので、この際だしと思い立って既刊を並べて眺めてみることにした・・・んだが、時系列順も発売順もさっぱり分からんレベルで覚えてない。セカンドシーズンぐらいならギリギリ覚えてるけど、それ以降はかなり危うい。

というわけでだらだらと前置きを語ったのは、この本を読む姿勢について最初に述べておきたかったからです。それでは本題の感想文をば。

物語シリーズの魅力はいくつかの大きな要素に分けられる。

1、ミステリー
2、メディアミックスへの期待
3、登場する女性たちの他愛ない会話

である。自分は読書家でなければミステリー小説が大好きな人間でもない。なので作家としての西尾維新の実力も、ミステリー作家としての西尾維新の実力も全く評価する資格を持っていない。ちなみに「ジェノサイド/高野和明」というミステリー小説は面白くてあっという間に読み終えた。

冒頭にもある通り、今回の読書モチベーションははっきり言って惰性である。西尾維新に執心した時期もあったが今となってはすっかり冷めているとはいえ、物語シリーズ既刊をしっかり読破してきたのでせっかくなので読んでおこうという程度。それが大きな理由かは分からないが、それほど心躍るようなタイミングが無かったように思った。ページを進めるにつれてばら撒かれる謎にしてもそれほどフックが効いているように感じなかったし、キャラクター同士のくすりと笑えるような会話も熱狂的な頃に比べたらそれほど魅力を感じなかったし、「どんな風に映像化されるんだろう?!」という期待もあまり湧いてこなかった。

書き手の技やその変化、というよりかは明らかに読み取る側つまり俺の感覚が明らかに当時とは違うんだなと感じた。言葉の使い方・遊び方はさすがいつもの西尾維新で相変わらずの西尾維新でお見事やなぁと思った。

※ここから少しネタバレ

まさかコロナウィルスが物語シリーズの世界に登場するとは思わなかった。今後も続きを書くとして、その設定邪魔にならないのだろうかとか色々心配したが、読み終えた時に今回の感想文を一言でまとめるなら、「西尾維新がコロナウィルス蔓延についてどう思うかが書かれていた」と言えなくもない。あまりディープな話はしていないが(反感を得そうでメリットがないからだろうか)ざっくりと、数年後には今よりも明るくなっていると良いなぁといった具合だ。そんなこんななので、いち一人の読者としては「西尾維新が最近ふわっと感じていることを片手間に聞いてきた」って感じ。

余接ちゃんとの漫才は面白かった。専門家同士の話ならもっとウケるだろうし、待ち望んでいるファンもいると思うんだけど、今か或いは少し先の未来にもまだしばらくやらない理由があるとすればまだまだ先に、お楽しみ(切り札?)をとっておこうというつもりなのだろうか。下巻でがっつりやられてたりして。

そろそろまとめて終わりにしよう。

「しのぶスーサイド」は、めちゃめちゃ面白いわけではないがクソつまらないわけでもない。言葉の選び方は相変わらずぶっ飛んだセンスを感じるし、本当に言葉遊びが好きなんだなぁと思うしそれは読んでいて楽しい。けど、なんだか最後まであまりワクワクしなかった。読み方が悪かったのかなぁ?とも思う。ぱっと見、下巻のほうが面白そう。

おーわりっ
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