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孫崎享:尖閣諸島の問題をどう考えるか:領有権を日本・中国・台湾が主張

2021-02-16 09:17:04 | 尖閣

 

アメリカは領有権に関してはいずれの国の立場も取らないとオバマも言っていた、今も尖閣を日本の物と認めていない。バイデンも同じだろう。

消える前に借用します。

尖閣諸島の問題をどう考えるか:領有権を日本・中国・台湾が主張。この中米国はどの国の立場を取らないの立場を表明。他方管轄権は日本。この処理が田中・周恩来会談。さらに日中漁業協定で補強。もし日本が棚上げ合意がない立場を取れば中国は管轄を主張する。

1:尖閣諸島の領有は、日本、中国、台湾が各々領有を主張し、国際的にみて、どの国の主張が正しいとはみなされていない。
 日本は尖閣諸島を固有の領土と位置付けているが、それは正しくない。
 まず日本の主張を見てみたい。
①     1885年:沖縄県を通じて尖閣諸島の現地調査を幾度も実施。無人島であることだけでなく、清国を含むいずれの国にも属していない土地であることを慎重に確認
②     日清戦争、1894年(明治27年)7月25日から1895年(明治28年)4月17日にかけて日本と清国の間で行われた戦争
③     1995年1月14日閣議決定で日本の領土(沖縄県)に編入(先占の法理)
 注:※先占の法理とは:どこの国にも属していない場所を先に実効支配した国がその領土を主張できるという、国際法で認められる領有権取得の方法
 この日本の主張で、今日、一番弱いのは国際法上の「先占の法理」である。
 「先占の法理」は植民地、争奪合戦で出遅れたドイツの学者が主張した法理。例えばアフリカとかアラビア半島とか住人はいるが、明確な国家はない。だから「国家」である西側諸国が出かけて、これは自分のものと言えば認められることになる考えであるが、これは現地住民の権利を認めない考え方である。国際司法裁判所等が第二次大戦以降現地住民の考えを重視され、植民地主義的「先占の法理」は国際司法裁判所の裁判でも使用されていない。
 かつ、「清国を含むいずれの国にも属していない土地であることを慎重に確認」は、どの様な手段で確認されたのかはほとんど明確でない。
2:日本は第二次大戦終了時においてポツダム宣言を受諾した。ここでは、日本は「「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」とされている。
 過去の経緯がどうあれ、日本は本州、北海道、九州、四国以外は「吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」である。
 カイロ宣言は次の決定を行っている。「並に満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還すること」
3:米国は沖縄を返還したが、この時国務省報道官は①尖閣諸島の管轄権は日本、②領有権に関してはいずれの国の立場も取らない」とした。
4:こうした状況を踏まえ日中国交回復を迎える。
 この時の難問は尖閣諸島の帰属であるが、解決が難しく、「これに触れない。現状維持。棚上げ」方式がとられた。
 つまり「領有権は未決、管轄は日本」である。
4:1970年代、80年代初頭は日本政府、および中国も棚上げを尊重する対応をした。しかし、外務省、日本政府は対応を変え、「棚上げ合意はない」という主張を始めた。
5:併せて、日本は尖閣諸島での軍事紛争をさけるため、日中漁業協定を結び、中国船が入った場合、日本は撤退を求める、問題があれば外交で処理する文言を持つ。
 併せて日中双方で、尖閣に関し、国内法を使わない覚書を双方で交換した。
6:これを破ったのが民主党の菅政権であり、国内法を使用し拿捕という行為に出た。
7:問題は「棚上げ合意がない」ということになったらどうなるのか。
 各々は領有権を主張する。併せて自己の管轄を主張する。その危険が今出ているのである。

事実関係「中国船が尖閣領海侵入 官邸対策室を設置」(産経、2021.2.15)
「政府は15日、中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に接近する事案があったとして、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置したと発表した。関係者によると、海警局の船2隻が日本の領海に侵入したという。対策室が情報収集、分析に当たっている。」

 

過去NHK

 
 

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