かりんとうの小部屋Z

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岬のマヨイガ 感想

2021年09月19日 22時16分09秒 | アニメ・ゲーム
2021年夏公開のアニメ映画です。
東日本大震災と遠野物語をかけ合わせたストーリー。
家出した先で震災に遭ったユイと、家族を失って失語症になったひより。
身寄りのない2人は、避難所で出会ったキワおばあさんの所で住むことになります。
キワおばあさんの家はマヨイガと呼ばれる、来たものをもてなす不思議な家でした…。

このアニメで描きたいことは4つありました。
① 東日本大震災直後の人々
② 思春期の少女の心の回復
③ 遠野物語の伝承
④ 震災後の心の闇が生み出したモンスターとの闘い

なかなかこの4つを時間枠に収めるのは難しかったと感じました。ちょっと語り足りなかった気がしましたね。
この物語(原作)はたぶん震災と遠野物語がメインなのではないでしょうか。そこに人間が加わる感じ?
アニメ化するにあたり、主人公を作らないといけないので、ユイという家庭不和の女の子を造形したのでは。
何となくユイの物語は消化不良感が残りました。人間的には成長したけど、家族とは今後うまくやれるのでしょうか。

モンスター(アガメ)との闘いがクライマックスになるのですが、はっきりいうと視聴者が期待したラストはアガメ
との闘いではありません。震災後人々がどう生きるのか、土着の妖怪たちがそれをどう見守るのか、あと少女の心の復興が
どう描かれるのかを期待していました。それでアガメを倒して終わり、ではどうなのでしょう、ちょっと肩透かし感がありますね。

とはいえ、アニメ映画として悪い作品ではありませんでした。
震災10年でないと描けない部分も多くあったと思います。ようやく振り返れるようになったとも思います。
前半はとてもていねいにキワばあさん、ユイ、ひよりの関係性が描けていたと思います。
金曜ロードショーでやればけっこう高評価もらえるかもしれません。

(作品データベースより転送)

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