しかし、このような教えは全く聖書的なものではありません。 罪を本人の選択とは無関係に人間の存在そのものだとしたり、遺伝的に受けついだ、堕落した本性そのものだという立場は、聖書には全くないのです。
前回私たちの人間性、本性について学びました。
本性が罪だとすると、「たとえ私たちが罪を選択しない時でも、私たちは罪を犯している」という話になります。罪は必然的なものであり、継続的な状態だと理解することは、本当の罪、つまり神様への不従順、神様の戒めを犯すことに対する、私たちの信仰的感覚を鈍らせます。「堕落した本性を持っているから、私たちは罪と戦えないのだ」という自己合理化のドアが開かれることになります。 言い換えれば、私たちは罪を犯すことを、正常な生活の一部として容認してしまうのです。
罪についての聖書的な定義があります。 罪は選択だということです。
ヤコブの手紙4:17をみると、「人が、なすべき善を知りながら行わなければ、それは彼にとって罪である」とあります。
ヨハネの第一の手紙3:4をみると、「すべて罪を犯す者は、不法を行う者である。罪は不法である」と教えられています。
カトリックと大半のプロテスタント教会では、原罪説を教えています。アウグスティヌスとカルヴァンの見解は、教会史の中で長い伝統を持っているかもしれませんが 、聖書の教えとは決して一致していません。
これが正しい見解だと信じる人は、罪は生まれてから死ぬまで継続される、という見解を持つことになります。
私たちは堕落した本性を持って生まれて、その本性を持っているために、
私たちが罪を犯さなくても、私たちはいつも罪人で、私たちが人間として生まれた以上、 罪を犯さないようになることは不可能になります。まさにこれが、ほとんどのクリスチャンが信じている罪の定義です。
原罪論の問題は「罪の傾向を持った性質」と「罪」を同一の概念で見ることです。
それでカトリック教会は、幼児洗礼と告解が、絶対に必要な教理として位置づけられるようになりました。なぜなら人間は「罪の傾向を持った性質」で生まれてきて、その性質を持っていること自体が罪ですから、簡単に言って人は生まれた時から「殺人者」なのです。 殺人者として生まれたから早く悔い改めて罪をなくすべきで、もしその子が洗礼を受けずに死んだらどうなるでしょうか? 殺人者が悔い改めずに亡くなったのだから、救いを受けられません。そこで、幼児洗礼をするのです。
私も、母の代からのクリスチャンで、幼児洗礼を受けた者の一人です。皆さん、聖書のどこに幼児洗礼について言われていますか? この原罪思想を解決するため、反キリストが考案したのが幼児洗礼です。
しかし、問題が生じました。原罪説によると、人間は生まれた時から、自動的に「審判を受けて永遠の滅亡」を受けるしかない罪人であり、受肉されたキリストも罪人になってしまうため、再びカトリックはジレンマに陥りました。
これを解決するため、「マリヤは原罪に汚染されておらず、存在する最初の瞬間から生涯一度も罪を犯さず、そのような状態でイエス様を出産した」という無原罪懐胎(Immaculate Conception)の教理を作りました(カトリック教会憲章56項)。それで現在、カトリック教会では聖母マリヤも、キリストと同じ中保者となっています。 この原罪説を受け入れたプロテスタント教会では、マリヤの教理は受け入れない代わりに、「イエス様はアダムが罪を犯す前に持っていた、罪のない人間性を持って生まれた」という立場を取りました。
私たちは前回に反キリストが、イエス様の受肉という高貴な真理に対して毒をまき、今日のキリスト教会を、バビロンのぶどう酒で酔わせていることを確認しました（聖書の預言第１２課「これが真の福音です」）。イエス様の人性をどう理解するかで、私たちの信仰生活と永遠の命が、決定されることを理解しました。ところがそれに対して、このような質問を受けました。
≪質問≫ キリストが罪ある肉体、つまりアダムが堕落した後の、罪に傾く性質を取られたのであれば、どのように弁明しても、彼は罪人になるのではないですか。キリストは罪を犯されなかったと言っても、罪へ向かう性質を持っているということ自体で、罪人になるのではないですか?
いい質問です。 この質問はアダムの罪により、すべての人類は生まれた時から罪人になるという原罪論の核心を説明しています。 多分今回も、皆さんはかなりの衝撃を受けることになるでしょう。 罪とは何でしょうか？ この質問は非常に重要な問題です。 これは私たちが本当にイエス様を探すためには、必ず知るべき概念です。 罪に対して二つの考えがあります。 一つは正しく、もう一つは誤ったものです。一つは福音で一つは欺瞞です。 その一つに原罪説があります。
アウグスティヌスはこう言いました。
⑴人間はアダムの罪の結果で弱くなった本性と、そのままにしていれば罪を犯すことになる傾向だけでなく、アダムの罪に対する有罪判決も受け継いだ。 人間は罪を犯して罪人になるのではなく、罪人であるから罪を犯さざるをえないのだ(『懺悔録』序文)。
カルヴァンはこう言いました。
⑵罪の責任は本性のうちにある。・・・ 幼い赤ん坊でさえその母の胎にいる時から、そして苦しみながら生まれる時から、彼は罪を持って生まれてきたのだ。・・・人間は暴虐なものとして生まれる。 肉体の本性を持っているだけでも罪人になる(『キリスト教信仰の成立』第２巻、第1章 5-10、27ｐ)。
これがまさに原罪説ということです。多分、皆さんは「これは正しいのではないか?」「これは聖書の教えではないか？」と言うかもしれません。
これを簡単に説明すると次のような公式が成立します。原罪説によれば、 強盗の息子は強盗です。 罪人の息子は罪人であり、義人の息子は義人であり、殉教者の息子は殉教者であり、大統領の息子は大統領です。
話にならないことですね。 しかし、これがまさに原罪説です。
最大の奇跡
パウロは福音は力だと言いました。力です。
力はギリシャ語でドゥナミスです。ドゥナミスはダイナマイトの語源です。
１（ワン）、２（ツー）、３（スリー）、ド－ン! あふれるパワーの生涯! ダイナマイト!
クリスチャンの生涯は毎日奇跡の連続です。ある不思議な体験を意味するのではありません 。
人が再び生まれることほど大きな奇跡がどこにあるでしょうか? 一生を罪の奴隷として生きてきたとしても、心配しないでください! できないことができるようになる奇跡の生涯です。私たちは、毎日その奇跡を体験しながら暮す人たちにならなければなりません。 私たちは勝利を得ることができ、勝利者以上になることができます!
本当のイエス様を人々に教えてください。
勝利できる秘訣を人に伝えてください。
神様の子であるイエス様が人の子になったことで、
人の子の私たちが神様の子になることができるようになりました。
今日はお祈りでこの時間を終えます。
慈愛深い父なる神様。私たちはどうしたら神様の愛をすべて理解できるでしょうか。人を救うために私たちの本性を取られて、数多くの闘争と危険に満ちたこの世に来られて、何の罪も犯されなかったイエス様！
私たちの傷と痛みと誘惑と試練が何かを、経験を通してお知りになった神様、
それによって私たちの救い主になることができ、完全な模範になられた神様!
その計り知れない愛に感謝します。
おお 父なる神様、イエス様の勝利が私たちの勝利になるように助けてください。
私たちのあらゆる先天的な弱点や、後天的に身につけた罪の習慣が、聖霊の代わりに勝利を得ないように、私たちがイエス様の心を持つことができるように、助けてください。そして私たちが神様の戒めに従順になることによって、神様に対する私たちの愛を表すことができるようにしてください。神様が再び来られる時まで、勝利し続ける生涯を歩ませてください。
「高いものも深いものも、その他どんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスにおける神の愛から、わたしたちを引き離すことはできない」（ローマ8：39）のは、私たちが神様をとらえたからではなく、その大きな危険を知りながらこの世に来られて、人間として生きながら、私たちをしっかりととらえてくださったためであることを知っています。どうか私たちが、神様の聖なる民になれますように、最後まで私たちをとらえてくださるようにお願いします。
再び来られる、主イエス・キリストの御名によってお祈りします。アーメン
（この講演の原稿小冊子をご希望の方には無料で差し上げます。メール sostvjapan@outlook.comまたは０５０－１１４１－２３１８までファックスでご注文下さい）
皆さんは本当に、イエス様をご存知ですか。 私たちのように誘惑に会い、葛藤されたキリスト! ご自分が神様の息子であるという事実さえ、信仰によって受け止める以外になかったイエス様!私たちのようにみ言葉を従順に学びながら暮らされた、そのようなイエス様をご存知ですか。 私たちがクリスチャンとして生きることができるようになるために、イエス様は人間になられました。
□イエス様は私たちをとてもよくご存知です。
詩：「イエス様はあなたを知っておられます」
罪を犯すことを、死ぬことよりも恐れられたイエス様は、
欲望の泥沼の前に立っているあなたの危険を知っておられます。
人々から拒否され、弟子たちから捨てられたイエス様は、
真理のために一人になった、
あなたの寂しさを知っておられます。
貧しい家庭で生まれ、田舎で成長されたイエス様は、
真理のみ言葉に従って、行く先を知らないで出てきた、
あなたの信仰を知っておられます。
きつねには穴があり、空の鳥には巣があるのに、
枕する所さえなかったイエス様は、
真理のためにこの世の便利さを捨てた、
あなたの犠牲を知っておられます。
「この杯をわたしから過ぎ去らせてください」と訴えられたイエス様は、
おびえて切に求めるあなたを、
必ず立ち上がらせてくださいます。
友は去り、愛する者からは裏切られたイエス様は、
真理のために誤解され、非難される
あなたのつらさを知っておられます。
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」と
大声で叫ばれたイエス様は、
あなたの凄絶な悔い改めと切実な嘆願を聞いておられます。
あなたの最善の努力さえ誤解を受け、人々からのあざけりが聞こえる時、
心に相次いで湧き上がってくる悪い感情を拒んで
「主よ私を助けて下さい」と叫ぶ、
あなたの闘いを知っておられます。
弱さと、失敗の歩みの中で、
嘆きながら訴えるあなたに、
イエス様は慰めと世に勝つ信仰を与えて、
再び来られる時まで導かれることを約束してくださいます。（作者不詳）
最後に皆さんにお聞きします。皆さんは肉体の情欲に引かれていませんか？ タバコや酒の奴隷になっていませんか？ 人が成功するとうらやましくなったり、他の人が褒められると足を引っ張りたくなる心が起きませんか? 世俗的な利益を得るために、言葉や行動で良心を捨てたことがありませんか? 自分を守るためにこの程度の嘘は仕方がないと考えていませんか 他人の過ちをしょっちゅう口に出していませんか？ささいな一言にも心が不快になって眠れなくなったり、聖書を人を裁く物差しにしたり、人が励ましてくれなかったり認めてくれないと苦しくて、簡単に傷ついて、簡単に怒って、簡単にイライラしたり、様々な悪い性質、利己心、傲慢が出てきませんか？
もしそうなら、よい知らせがあります。神様の御子が私たちのすべての罪のために、十字架で死ぬためにこられただけではなく、その方は私たちと同じ罪ある肉体をとってそれらに勝たれました! そして今、私たちの大司祭としてイエス様に頼って神様に進む人たちを、完全にその罪から救おうとしておられます！
