心に割礼のない人たち
今日、多くの場合に牧師が教会で王様になっています。教会員の数を増やすために標準を低め、世間受けのするメッセージが語られ、神様を信じれば仕事もうまくいき金儲けもできるというようなご利益的な教えが広がっています。しかしもし、牧師の教えが聖書と一致していなければ、それは偶像崇拝です。人間の権威を高め、偽りのぶどう酒を混ぜて人を酔わせるのは、全く神様の目的を達成するものではありません。従って、ステパノの説教は、現代の教会にとっても非常に重要な意味を持つのです。
7:51ああ、強情で、心にも耳にも割礼のない人たちよ。あなたがたは、いつも聖霊に逆らっている。それは、あなたがたの先祖たちと同じである。
ステパノは説教をしている最中に、突然、話題を変えました。ユダヤ教の律法を守っているから、神に選ばれたユダヤ民族に属しているから、立派な建物があるから、預言者がいるから、それらが人を神様の前に立たせるものではないと言ったのです。心に律法を書き記され、聖霊の細い声に聞き従わないなら過去の反逆者たちと同じであると宣言しました。そのために間もなく自分が殺されるということが分かって、説教の内容を変えて最後の訴えをしたのです。
私は若い人たちに説教法を教える時にそう言っています。「たくさん話したいことがあったとしても減らしなさい。どのようなことを減らし、カットすればいいかよく考えなさい」とよく話します。
ステパノは自分の運命を悟って、話を省略して、最も伝えなければならないことを語りました。
7:52いったい、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、ひとりでもいたか。彼らは正しいかたの来ることを予告した人たちを殺し、今やあなたがたは、その正しいかたを裏切る者、また殺す者となった。
聖書が預言していた約束のメシヤであるイエス様を十字架につけたその事実を指摘して、その罪を悔い改めなければならないと叫びました。
7:53あなたがたは、御使たちによって伝えられた律法を受けたのに、それを守ることをしなかった」。
律法を守っていると自他ともに認めている人たちに向かって、あなた方こそ律法の違反者だと、最も痛烈な断罪をしたのです。それを悔い改めなければ滅びると言ったのです。これほど大胆な発言をステパノはどうしてすることができたのでしょうか。これは聖霊が彼の心を捕らえ、語らせてくださったのです。怒りと憎しみに燃え、今にも自分を殺そうとしている人々を前に、聖霊はステパノを通して彼らが悔い改め救われるための言葉を語られたのでした。
マタイ10:18~20にはこのように言われています。
10:18またあなたがたは、わたしのために長官たちや王たちの前に引き出されるであろう。それは、彼らと異邦人とに対してあかしをするためである。 10:19彼らがあなたがたを引き渡したとき、何をどう言おうかと心配しないがよい。言うべきことは、その時に授けられるからである。 10:20語る者は、あなたがたではなく、あなたがたの中にあって語る父の霊である」(マタイ10:18~20)。聖書はこのように約束しています。