青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第二十七話③

2021-08-08 | 第二十五話〜第二十七話

ミエが教室の外へ歩いて行くキム・チョルの背中を見ていると、

ドアから何人かの男子が飛び込んで来た。

「おい!6組行こーぜ!」「ワハハ!」「おい!ちょっ・・」

メガネの男子は、チョルを友人と間違え肩を叩いたようだった。

見上げて真実を知った途端、ヒッと息を飲む。

「ご、ごめん・・」 誰だ?他のクラス?

大丈夫、と言おうと思ったチョルだったが、

そのうんざりとした表情に恐怖を感じたのか、メガネの男子はより一層ビビってしまった。

ヒイッ 怒ってる!

「ほ、本当にごめん!つい間違えちゃって・・友達だと思って・・その・・」

バッ!

小さく「ごめん、ごめん」と繰り返す彼と自分達を、

クラス中の人間が遠巻きに見ていた。

メガネの男子は冷や汗を垂らしながら、下を向いて謝罪を繰り返す。

見えない、矢のような視線が後ろからチョルを刺す。

チョルは拳をグッと握り締めた。

何もしていないのに、いつも見えないそれに押し潰される。

心が苛立ち、怒りが拳に宿って行く———・・・。

 

その時だった。

 

「おーーーっと!」

突然チョルにぶつかって来たミエは、明るくハキハキとチョルに謝る。

「あっ!ごめん!ミスった!」

マイミステ〜イク!

ミエは軽くそう言って、そのまま廊下へと消えて行く。

トイレ〜

「・・・・」

いつの間にかチョルの怒りは消え去り、

そのままチョルも教室を出て行く。

教室に残った生徒たちは、再びザワザワと噂話を始めるのだった。

おいお前何回謝んだよ 俺もよく分かんなくて・・ ふぅ〜

 

<大したことじゃないことで>

「ミエー・・」

トイレまでついて来たチヘが、心配そうにミエに聞く。

「まさか大魔王、あとで怒ったりしないよね?」

「それは無・・いや、ええ!?まさか〜!

てかあの人何回謝んだよ〜オーバーすぎでしょ!

そう言って、先ほどの光景を思い出す。

ごめん、ごめんとくどいくらいに謝る男子生徒の前で、みるみる歪んで行くチョルの表情・・。

「チョルが何したっていうのさ・・」

小さくそう呟いたミエに、チヘが「ん?」と聞いたが、ミエは首を横に振った。

そして先ほどチョルにぶつかった衝撃で、クリームパンが悲しいことになってしまっていた。

「あっポケットに入れてたら・・ぐしゃぐしゃに・・

「ポケットじゃなく引き出しに入れなー」

チヘのツッコミはごもっとも。

どうやら今日はあまりツイてないらしい———・・。

 

 

<はい?なんですか?>

 

ピーッ、と笛が鳴り、ミエがハードルに向かって走って行く。

彼女は見事なジャンプを見せた。おお、と周りで声が上がる。

ダダダダ・・

一方こちらはキム・チョル。

彼は素晴らしい跳躍で、ヒョイとハードルを余裕で飛び越えた。

おおっ!

その勇姿に、主に女子からの声が上がる。

体育の時間のチョルは、かっこいいのだ。

体育教師も思わず「キム・チョル、いいぞ!」と声を上げる。

 

チッ身体能力では勝ち目ないか

ミエはそんなチョルを見て、かっこいいと思うよりも悔しかった。

注目を浴びるチョルは、小さくなってその視線の矢から外れようと走って行く。

[注目されるのは嫌だけど、内申がかかっているから・・]

そんなわけで、今日も頑張るチョルだった・・。

 

体育が終わり、ミエが片付けをしている時だった。

「おい、ファン・ミエ」

声を掛けて来たのは、何かと絡んでくる男子だった。

「お前大魔王が気になるんだろ?

なんでずっとチラチラ大魔王を見てんだ?
 
机も盗み見してさぁ。さっきもわざとぶつかったんだろ?」

「え?」

首を傾げるミエに向かって、男子は尚も追及してくる。

「チョルとミエだからちょっかい出してんのか?くっそウケる

「は?何言ってんの?!私がいつそんなことしたよ!?」

「なっ・・お前確かにさっき・・」

「何言ってんの?見間違いじゃない?」

ミエはそう言って、さっさと行ってしまった。

「ファン・ミエがどーかした?」

「知らねぇ。突然意味わからんことを」

手洗い場に居たチョルの耳に、ミエの名前が入って来た。

「?」

が、よく分からなかったので、チョルはそのままにしてその場を去ったのだった。

 


 

第二十七話③でした。

ミエちゃん、チョルを助けましたね・・

怖くないんだよ、悪くないんだよ、と自分の体を使ってみんなに示して行くの、優しいですね。

そして絡んできた男子、中学生男子ってこんな感じだったよな〜と懐かしかったです

 

第二十七話④に続きます



最新の画像もっと見る

コメントを投稿