ベ・ホンギュは文字通り絶句していた。
面と向かって二回も、チョルから否定されたのだ。
「・・・・・」
チョルは再び、しまったと思っていた。
正しいと思うことをしたと思うのに、思うように伝わらない。
その緊迫した空気の中で、ミエはひたすらオロオロしていた。
「あの・・ねぇ・・あんたら・・とりあえず落ち着いて・・」
「狭いとこで騒いでんじゃねーよ。邪魔。あ?何見てんだクソが」
するとそこで、高校生らしき男が通り過ぎ様に文句をつけてきた。
険しい顔をしているホンギュにガンを飛ばす。
「お前が見てんだろ?お前こそ見てんじゃねーぞクソが」
不機嫌MAXのホンギュは、売られた喧嘩を買ってしまった。
男は呆然と口を開けた。自分よりも年下の男から言い返されたからである。
「あ?!んだと?!この中坊が!お前いくつだ・・」
このまま喧嘩か殴り合いが始まる——・・!
誰もがそう思った瞬間、チョルが口を開いた。
「すんません。どきますから」
ごく自然に、チョルはミエを自分の背の後ろに隠す。
「は?なんだこの野郎・・・」
男はそれ以上言葉を続けられなかった。
自分の背丈以上の男が、真っ直ぐにこちらを見据えていたからだ。
そして男は、そそくさとその場を後にした。
「あー・・どーもーっす」
ふと視線を感じて、チョルはホンギュの方に目をやった。
ホンギュは、あまりにも変な顔をしてこちらを見ている。
ホンギュはその顔のままプルプルと震えている。
チョルは意味が分からず、「な・・なんだよ・・・」と聞いてみた。
「おめーらなんなん?!」
ビクッ!!
突然、ホンギュはものすごい大声を出した。思わず耳がキーンとなる。
「いきなりなんだ?!何が?!」
「何ってお前!!ジョンウクはともかくよ!
「愛し合っちゃってんの??」
「ワケわかんねーんだけど!」
ホンギュの声が大き過ぎて、ゲームセンターにいる全員がこちらを見ていた。
思わずジョンウクが止めに入ろうとするも・・
「おい止め・・」「いやそーだろ?!やめねーし!お前は気になんねーのか?!」
「おい、正直に言えって!」
「キム・チョル!ファン・ミエ!お前らさぁ!」
「お前ら両想いなの?!!?」
「いやなんでこいつと!?!?」
遂に言葉を返したチョルとミエ。
同時に同じセリフを言った。
ザアアアアーッ・・
建物の外ではとうとう雨が降り出した。
どうやら豪雨になりそうである——・・・。
第七十七話④でした。
ホンギュwwデリカシー皆無やんw
でも確かにごく自然にチョルはミエのことを庇いましたもんね。
読者には見慣れた光景ですがホンギュは初見だから・・そう思いますよね〜(ニヤニヤ
いいぞ!もっとやれ!!
第七十八話①に続きます
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