放心状態でバスから降りたミエは、そのまま家に帰ることがどうしても出来なかった。
キム・チョルが自転車で帰ってくるのを、家の前で待つ。
見るからにしょんぼりしたファン・ミエが、自分の到着を待っていた。
チョルは一つ息を吐くと、自転車を傍に止める。
ミエは、心配していたことを一気に捲し立てた。
「もしかして・・」
「アンタに何も言わずに宿題とサッカー教えてもらったりしたから、
絶対さっきアンタ何かはぐらかしてたよね?どうしたって状況が・・」
「アンタが解説紙持ってきてくれた時は、もうほぼほぼ解き終わってたから・・
「・・関係ない」
「よかった・・」
ミエはそれを聞いて安堵の息を吐いたが、
少し引っかかって微妙な気分になった。
・・”関係ない”?
宿題のことで気を悪くしていないのなら、あとはもうアピールしてサッカー見学のOKをもらうしかない。
ミエは必死になってチョルに訴える。
「とにかく!私めっちゃ一生懸命教わったんだよ!?
「何言ってんだ?!ぜってーダメだしヤダよ!」
あんまり否定されたので、なんかちょっとムカつく、とミエは青筋を立てた。
どうしたら、チョルのサッカー見学の許可が取れるのだろう・・。
<何も言えない>
ミエの説得は続く。
「けど、私は大丈夫だと思うよ!?
おっと・・
難しい返答だからか、いつの間にかチョルの眉間に皺が寄っていた。
チョルはそれに気をつけつつ、更に断るための話を続ける。
「・・もしバス代が無くて歩いて帰ることがあったら危ねぇし」
「あ・・そだね」
それだけ聞いても、まだミエは諦められない。
「じゃあアンタ達はなんで夜に・・」
「そりゃ俺らは男だし、あいつらみんな家近所だし、」
「俺は昼は家で勉強してるし」
「あ・・べ、勉強?」
チョルがそこまで勉強する理由を、ミエは心の中で声に出してみる。
田舎に帰るために・・?
けれどそれはスンジョン姉さんに聞いた秘密のため、
口に出せはしなかった。
ミエの胸の中に、モヤモヤと不満が溜まっていく・・・。
第三十八話②でした。
ミエちゃん、やっぱりチョルの帰りを待ってた〜
直談判するほど、チョル達の中に入りたいんだねぇ・・と涙ぐましいです
チョルもチョルで、ミエのことを心配してるからNOと言い続けてるわけで・・
二人ともお互いを思いやっているんだな〜〜 すれ違うけど。。
二人の歯車ががっちり合う日が来るといいですね・・
第三十八話③に続きます
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます