じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風の便り 14

2020-02-23 11:49:27 | 南風の便り
  
アポ島 ダイバーとマムサの群れ



   コーストガードとの鬩ぎ合い

フィリピンにも沿岸警備隊がありまして、何を思ったのか、ダイバー相手の対策を盛んに整えている最中であります。
昨年まではちょっと大きなフェリーが・・・フェリーと言っても渡し船程度の大型バンカーボートですが。
そんな船の出る桟橋付近に駐在所を作っていました。
しかし今年はだいぶ奥地まで進出して来まして、とうとうマラタパイまでやって来ました。

そして、おやおやと思っていたら、この春にはなんとアポ島にも駐在所を作ってしまいました。
で、そんな事が何か私に関係があるのか?と言うと、これが大有りなのです。
色々問題はありますが、一番はコーストガードが名簿を提出させる事であります。
名簿には乗船する全員の氏名・性別・年齢・国籍などをを書くのですが、これがとても面倒くさいのであります。
だからいつも名前や年令を適当に書くのですが、最近はそれがバレているようなのです。
それもそのはず、女性はHNAKOと男性はTAROが頻繁に出てくるのですから、敵も変だと思うわけです。
先日、日本人てのは全員が花子と太郎なのか、と尋ねられ、SATOさんとITOさんも沢山いるなぁといわれました。

切羽詰まった問題は、今まで見逃されていたダイビングボートの定員を守らなければならなくなった事でした。
陸を走る軽トラに10人乗っても平気な国が何をしゃらくさい事をと思ったのですが、保険の設定から定員を守らせることにしたようでありました。

また、役に経つかどうかは別にして救命胴衣も搭載が義務付けられました。
私はコーストガードに、ダイバーはBCD(救命胴衣に似たもの)を持っているし、エマージェンシーブイやら海面着色剤やら笛やらと小道具をたくさん持っているので少し多めに乗せろと言ったのですが鼻で笑われました。

しかしいい加減の極みは現地人が船に乗る時であります。
旅客定員10名の船に定員のダイバーが乗っていたとしても、ちょっとアポ島まで乗せくれと言う現地人が現れたとすると、コーストガードは事も無げに「おう、乗せてやってくれ」と言ってくるのです。
私が嫌味っぽく「定員オーバーだろう」と言うと、俺が許可するから問題無いというのであります。

時々コーストガードのオフィサーを酒に誘い面白い話を聞かせてもらっています。
ある日、ミンダナオ海域で銃撃戦の末に海賊船を沈めた自慢話の序でにダイビングボートの定員について話してくれました。
保険の適用はダイビングボートのダイバーに限られるそうで、お前の船はまだフィッシングボートだろう、さっさとパッセンジャーに切り替えないとまずいぞと言われたのでした。
彼が言うからにはそろそろタイムリミットで、小銭を握らせてなんとかなる時期は過ぎたのでしょう。

ある日、アポ島のコーストガードが独りぽつんと詰所の日除けの下で暇そうにしていました。
昼飯時に挨拶に行くと暇つぶし相手に捕まり、あれこれと聞かせてくれました。
先日、島の近くにアメリカ軍のヘリコプターが墜落したのは新人民解放軍の仕業で、そんな事もあって駐在するのだと言いましたが、真相は分かりません。
たぶん、アポ島の宿泊施設が整って欧米人の客が増えたので形だけ用心したのだろうとは思いますが。

今は欧米からのダイバーが少なくのんびりしているアポ島です。

これからがベストシーズンのアポ島に潜ってみませんか・・・お待ちしています。

  では・・・また

     ではまた。

   (2003年 3月27日 書きました)





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