じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

九月一日 北へ

2021-09-04 08:45:04 | 旅と感想
私が北へ憧れるのは日本人の血がそうさせるのだと思うようになった。
とくに青森県の津軽地方に強い郷愁にも似た思いが生まれるのは間違い無く日本人の祖先、根元がそこにあるからだと思うのだ。
世界遺産登録となった南北海道と北東北の縄文遺跡と文化に触れるにつれ自分の身体に流れる遠い祖先の血が呼応するのだと思うのであります、なんちゃって。

当初の計画はバイクにテントを積んでのツーリングでありました。
しかし出かける朝から雨でして、さらに帰りの予定時刻も雨となると気持ちは萎えるのでありました。

いや、それなら車中泊に切り替えれば良いと思い直し特別行きたい所も無いままに家を出たのであります。

向かった先は、取り敢えず北の方で高速道路代のかからぬ三陸自動車でありました。

三陸自動車道は今の所、宮城県の鳴瀬・奥松島ICから先は無料共用区間なのであります。

気仙沼湾横断橋(愛称:かなえおおはし)

あと少しで岩手県に入るのにまだ小雨が降っていまして、バイクで来たら濡れただろうと迷っていた気持ちに区切りがつきました。

三陸自動車道はまだ全通はしていず所々で国道に降りるのであります。
しかし国道の通過に一番時間が掛かっていた宮城県の気仙沼が横断道の完成で短縮され利用価値は一気に高くなったと思うのであります。


めかぶ蕎麦が美味い!! 850円

いや、昼飯時にはまだ早かったのですが自動車道が途切れトイレ休憩に立ち寄った道の駅で昼食にした次第であります。

3.11の津波で残った奇跡の一本松が有名になった岩手県陸前高田市の「高田松原道の駅」は「高田松原津波復興祈念公園」と併設であります。
しかしそれは近代的な建物になり津波前の面影の薄い、どこにでもある立派なものであるなと、部外者は思ったのでありました。

ちなみに奇跡の一本松はその後枯れまして現在建っているものはコンクリート製のモニュメントでありますが、まっ、いいでしょう。

間も無く日没 下北半島に来ました

なんと申しましょうか、高速の無料につられ惰性で走り続けいつの間にか私の心の故郷とも言える青森県は下北半島に来ていました。
こうなると勝手知ったる下北地方なので取り敢えずむつ市で夕食の買い出しをし、では、と無料で入れる薬研温泉に向かったのでありました。

なんと 全面的に閉鎖ですと!!!

いや、この時点ではてっきりコロナ関係での閉鎖かと思っていたのですが、これがとんでも無い勘違いで、このあと赤面の至りとなるのでありました。

下風呂温泉街の新しい入浴施設

そーか、薬研温泉がダメなら近い所というと下風呂温泉へ行こうと走ったのですが、途中で検問のような箇所があり「どちらへ行きますか」と問われた訳です。
「下風呂ですが」と言うと、2人の係員が何やら顔を見合わせていましたが赤棒を振って通してくれた訳です。

で、程なくして現れたのが土砂で流失した箇所にかけられた仮設の橋でありました。

自分はテレビのニュースで見て下北の豪雨と仮設の橋は知っていましたが、未だに復旧せずに緊急車両と住民しか通さない橋だとは思いもしなかった訳です。

そして、のこのこと昨年の暮れごろにできた「海峡の湯」を訪れた訳であります。
すると、温泉の係りの人が自分の車のナンバーを見咎め「災害復旧中で地元の人しか入れません」と怖い顔をして言いに来た訳であります。

自分はこの時になってやっと事の次第が飲み込め、とんでも無いことをしていたと自覚したのでありました。  

バカ丸出し・・・あー恥ずかしいと逃げるようにして走り出した訳ですが、緊急事態宣言破りだけでも顰蹙なのに被災地の温泉を訪ねてしまうとは鬼のような輩であると恥じ入った次第であります。

夕食は肉とイカの寿司です!!!

いや、下風呂温泉には他にも公共浴場があるのですが此の期に及んでのそれは悪魔の所業と諦めた次第であります。

そして向かったのは昨年も車中泊した薬研温泉近くの駐車場でありましたが、頭の隅を過ぎったのはひょっとしてトイレの閉鎖でありました。

大畑川沿いの夜の山道を登っていくと駐車場のトイレに明かりがついているのが見えほっとしました。

さて、風呂には入れませんでしたが静かに泊まれる場所が確保できたので一安心、となって襲って来たのが空腹であります。

今夜の品揃えは、仙台牛の牛タン・アメリカンビーフのサーロインステーキ・焼き野菜・ヤリイカの寿司、であります。

あれです、近頃の野宿では度々食しているアメリカンビーフのステーキなんですが、とても安いのにそこそこ柔らかく、普通に美味しいと思う訳であります。

で、さすがにイカの産地のむつ市でありまして、ヤリイカの寿司はとてもスーパーの安物とは思えない味でありました。
こうして地元の名物を安く食べられるのも車中泊の楽しみであります。

しかしこの日の夜は遅くまで車の往来があり、昨年の静かさが嘘のようでありました。


九月二日につづく









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 帰ってきたけど | トップ | 九月二日 下北から津軽へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅と感想」カテゴリの最新記事