岸本晃の住民プロデューサーNEWS

つぶやきが産む「つぶやき」

 「それを一言でいうと何を伝えたいのか?」テレビ番組を作るときにしつこくしつこくその作り手に聞くのがこの言葉です。テレビ番組の基本は1分ニュース、そして3分企画番組です。これぐらい短い分数で要点が伝えられたら相当腕はあがります。しかしその1分、3分のもとにある生活体験、信条、生きる知恵、まちの情報は山ほど身体や頭脳の中にある訳ですからそう簡単にそのエッセンスを抽出できません。つぶやきはそういう構成を考えることなく浮かんだらとりあえず言葉に出してみる的な瞬間芸です。その瞬間芸にさえ他人を意識してオブラートに包んでしまうのが人間です。

 まして一日24時間の体験を何十年と過ごしてきてその人生を1分や3分で映像にするということになると相当考えます。これをあまり考えずにできるのが子どもだということを発見するのは子どもを産んで(勿論、わたしではなくパートナーが)共に生活してわかっていったのでした。彼らの遊びにありました。絵本の読み聞かせにありました。絵本でいうと毎日毎日10回以上お気に入りの絵本を読まされます。しかも毎日です。その日で終わりません。

 子どもがなぜこの同じ話にいっこうに飽きないのか?を感じると毎回即興で聞いているのですね。即興で聞いているから「毎回」ではなくいつも1回目なんですね。凄いことです。わたしは子どもに学んだことが一番大きいです。公園やたんぼで遊ぶのも同じです。昨日のたんぼはない。今のたんぼというフィールドを満喫しています。

 最近、珍しく気持ちが晴れない時が時々あります。というのはずっとこの子どもの生き方で生きられるようになっているので
からだの中に思いを残さない暮らしが身についてきているのです。ところが何かが残っている感じがこの1週間ほどあります。自分の身体の声を聞くと「表現し切れてない」「伝え切れていない」と聞こえます。だいたいこういう話を書く場としてNow&Here(下段参照)を作ったのですが、書いてるうちにこうなってしまいました。内面の話があまりにもおざなりにされていると住民ディレクターという発想も停まってしまいます。新しい出会いがありまずは相手を全面的に受け入れると起こる現象でもあります。受容からはじまるのでしんどいことも多いですが、だんだんわかってきました。

 同じくNow&Hereに吉本隆明さんのことを書きましたが、吉本さんご自身が84年もかけて哲学や詩や文学、社会学などあらゆる学問分野をきわめて来られて今、一番言いたいことをうまく言えなかった講演をテレビで見ました。自己表出、指示表出とわざわざ聞き慣れない表現が出るのはオリジナリティーを出すということでは仕方がないとはいえ、表現することの難しさをつくづく感じます。

 わたしにとっては今、八百万人紀行でばらばらのつぶやきや思考を統合し一体感をもたせようと試みていますが、最近又出てきているのは「テレビ」「メディア」と人の関係ですね。HPやブログ、SNSが出て盛り上がるとともに必ず出てくることです。ツィッターの注目度とともに同じく状況としてはあります。いつもまずは使ってみるのですが今のところ、SNSの時ほどの関心は深まりません。さてその辺を住民ディレクター的にはどういうことなのか、それを整理しろ、と身体の奥でつぶやいている感じなのです。

@Now&Here 
http://akira-prism.blogspot.com/
@八百万人紀行
http://www.yaoyorozu-hito.jp/

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
人気記事