この熊本城で全国菓子博があったのはもう6年ほど前か?当時、まだ住民ディレクター活動は熊本を中心にやっていた頃で、県内各地で成功例が続出していたし、民放の番組も好調だったのでいろんなプロデュースの話があった。実は菓子博に関しても膨大な予算でプロデュースを依頼されたことがあった。一度は検討して、企画を考えたが、こちらの発想が通じないのと私への依頼主の人間性に疑問を持っていたので桁が違う金額であったがきっぱりと断った。
テレビ局時代も営業マンがスポンサーの要請だといってきても実際にスポンサーと会って話すとまったく違う話だったことが多い。普通は営業マンがそういうとディレクター達は受け入れていたみたいだが、私はいつも直接話すことを求めた。結局営業マンが自分のやりやすいようにやってしまって最終的にスポンサーに本当の満足を与えられないままに終わることはサービスにならない。
菓子博のときも中間にいる男が自分の狭い考えでいかにうまく金を浮かすかのみに知恵を絞っているのがミエミエだったのでやめた。いい仕事ができるわけはない。清正公の苦心の名城をバックに小賢しい企画でアリバイ作りのような仕事をして金を儲けて何になる?!最終的にはそのちっぽけな男の仕事にはならなかったと思うが(思いたい)白鷺の姫路城のポスターを見ると当時の気持ちが蘇ってきた。イベントに限らず地域づくりの仕事でも羊頭狗肉が多い。看板は派手なほうがよく売れるご時世も悪いが、地域のことは最終的には地域に返ってくるので、確実に地域の力になることを、地域の底力になるようなことをやっていかないと、メッキはすぐにはがれる。
熊本城の烏城が見事なのは独特の黒がどっしりとした風格をかもし出しているからだ。勿論武者返しといわれる石垣や天守閣のつくりも素晴らしい。西郷隆盛が西南の役で熊本城を攻めたときにその難攻不落の強さに思わず「清正公さん(加藤清正)に敗れた」と言ったのもうなずける。われわれもどんな仕事をするにもこのような存在を感じてもらえるようないい仕事をしていかないとと思う。姫路にはまだ通うので菓子博に行くことがあるかもしれないが、「流石(さすが)」という言葉を発するようなイベントになるといいが・・・。
(写真は全国菓子博のポスター)
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岸本晃
岡山県民
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