フットパスの途中、熊のフンを発見。これが秋の熊(ヒグマ)のフンです。「ふーん~」と言わずに観察する。ナラの実が消化されずに形が残っている。やや乾いているフンなので近辺には熊はいないと想像した。自然の中では瞬時に危険を察知するのが賢明だ。
ちなみに、これは春の熊フンである。春の渓流釣りへ行ったときに林道にあった。春のふきを食べたのか熊フンも繊維質めいて緑っぽい。
本州の熊とちがい、北海道に生息するヒグマは大きくドウモウである。熊と山で遭遇した時は、背中を見せて逃げてはいけない。おびえて悲鳴をあげて人間が逃げれば熊は追ってくる。
登別熊牧場での実験では、マネキン人形で正面を向けたら熊は人形を襲わなかったが、背中を向けて熊に対峙すると確実に人形を襲ったという実験があった。
また、熊はへびが苦手らしい。「アイヌ民族」は蛇に模した縄を携えて、熊と遭遇した場合に「その縄を蛇のように」くねらせて熊を撃退するという本を読んだ。
熊の被害といえば
1970年7月に日高山系カムイエクウチカウシ山で起きた「福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ事故」は若い学生3人が死亡する結果となり、登山者や一般市民に大きな衝撃を与えた。
事件から15年後、ヒグマの会の会報「ヒグマ」に、当時捜索や救援に当たった地元のハンターや登山家ら9人による座談会が掲載された。
そこで語られているのは、学生たちが羆に襲撃された要因の第一が「一度クマに奪われたザックを学生が取り返した」という点だった。
このクマはザックとその中の食べ物を目当てにしている。学生たちも、身の危険を強く感じている様子ではない。たとえ人間が所有する貴重品が入っている大事なザックであっても、クマがいったんザックの中の物を食べた場合、人間が「取り返す」ことは、クマからすると「奪われた」ことになる。
クマがいれば現場からゆっくりと遠ざかる、というのは、近年ではよく知られている対応策だ。また、移動するときは固まって行動する、というのも大事なことだ。
福岡大の学生たちも、後方にいるクマに気づいて逃げようとし、バラバラになったりしている。野外でも複数の人が固まっているところをヒグマに襲撃された、というケースはきわめて少ない。学生たちは熊の習性を理解していない悲劇だったといえる。
射殺された羆(中札内ピョタンの滝・日高山岳センターに剥製化された)
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