よしだルーム

吉田政勝の文学的な日々

「羆撃ち」久保さんの講演会を聞く

2014-11-07 16:40:51 | 日記


11月6日、大樹町晩成「湖水地方カフェ」で、久保俊治氏の話をを聞いてきた。30名ほどの参加者たちが、羆ハンター・久保さんの話に聞き入った。
午後6時30分~午後8時頃まで、質疑応答の熱気がログハウスの室内にとびかった。


 猟師のプロになろうとした原点は、子ども時代に住んでいた小樽だとふり返った。
小樽には猟師が200人ほどいて、毛皮商も4~5人いた。ギリヤーク民族系の皮のはぎ方も教わったと。「狩猟の本を読んでおもしろかった」と久保さん。ハンターを志して、アメリカで狩猟の学校で学んだ。だが、北海道のヒグマ撃ちは難しい、という。足跡を追うが笹藪で遮られる、からと・・・。鹿が増えて、熊が鹿を捕獲して食うせいか肉食の熊になり「熊の肉質も変わった」という。若いヒグマもすぐに鹿を追う、という。

 街に出てきた熊をどうするか。熊の棲むエリアに(山裾)住宅地になってきた経緯もあり。瀬棚の例は「駆除すべきケースだ」と久保さんはいう。

●瀬棚の例
 2014年04月。北海道せたな町で4日、山菜採りに来ていた40代女性がヒグマに腕をかまれ負傷した事故で、現場にあったクマの血液のDNA型を道が鑑定したところ、昨年4月に同町で52歳の女性を襲って死亡させたヒグマと同じだった。
 今回、40代女性はクマよけの鈴を鳴らしていたにもかかわらず襲われた。
40代女性は60代男性と林道を歩いていたところ、背後から近づいてきたヒグマにリュックサックを爪で引っかけられて倒され、腕にかみつかれた。
 男性が持っていたなたを振るって応戦し、ヒグマの鼻に傷を負わせたところ、山中に逃げていったという。
 昨年4月16日に52歳女性が襲われて死亡した際、現場に残されていたヒグマの毛から調べたDNA型と一致した。傷を負わされたクマは人を襲う可能性が高く、現場周辺に山菜採りに入るのは極めて危険。道と町、猟友会は近く大規模な山狩りをしてクマを駆除する方針。


 羆ハンターと猟犬との胸打つ物語。
 
 直木賞作家の佐々木譲さんも絶賛したノンフィクションがついに文庫化!。
「愛犬と久保さんの部分は泣けてきます」と吉田が読書の感想を述べると、
「フチ(愛犬)のことを一気に書きましたが、今も読み返せれない。つらくなる・・・」というのだった。相棒の北海道犬「フチ」との出会いから、リアリティに満ちた狩猟暮らしが描かれている。

「フチが私の顔を見る。その目が輝いている。行け、呟くように頷く。藪に走り込み、あっという間に姿が見えなくなった」。
「下枝の張った太いエゾマツの下で、雨を避けてビバークする。たき火のかたわらで、飯盒のメシを分け合って食べる。砂糖湯を飲みながら、私の膝に顎をもたせかけているフチの頭を撫でてやる。気持ちよさそうに目を細めるフチの顔をみながら、またとない相棒を得たという思いがフツフツと湧いてくる」。(本文引用)

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